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北方環東記  作者: 守屋三
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始まる異変

 透香は、足早に境内へと進む。

 先程の言葉が棘のように胸に刺さり、透香の感情を揺さぶる。

 その気持ちの乱高下を表すかのように、透香の顔は段々と俯いていき、沈む気持ちで重くなる胸を自然と握りしめていた。

 そして、段々と足取りも重くなり、紫の死体があった場所で立ち止まる。


 そこに死体はない。

 透香はほっとするものの、しかし、嫌な予感は消えない。

 わだかまりが残る気持ちを抱えつつ、透香は顔を上げる。



 その先…石畳の上には、血痕が付いていた。


 ぞわりと透香の背筋に冷たいものが走る。


 血痕は点々とどこかに繋がるかのように付いている。


 透香は見たくない気持ちを堪え、その血痕を追っていく。

 すると、賽銭箱のすぐそばに誰かが倒れているのが見えた。


「っ!?」


 言葉にならない声を上げ、体中から血の気が引いていく。


 倒れているヒト・・・いや、妖怪には見覚えがある。


 それにあの紫の死体を思い出してしまうが・・・体に動きが見られる。どうやらまだ生きているようだ。


 その様子に透香は謎の安堵を感じつつ、急いで倒れている妖怪に駆け寄る。


 近くまでくるとその妖怪の正体とその状態がわかってくる。

 セミロングの黒髪に血で赤く染まってはいるが元は白い長袖のシャツ、黒いフリルの付いた長めのスカートは…やはり、最近は会っていなかったが、知り合いの妖怪だ。


「文さん!?」


 倒れている妖怪は射命丸文と呼ばれていた。

射命丸文 (ペンネーム)

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