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そして放課後。約束した通り、ロビンは生徒会室に姿を現した。
緊張気味な表情に申し訳ない気持ちが募る。
対照的にユーリはいつも通りの余裕の微笑みで、ロビンにソファをすすめた。
私も二人に紅茶を出すと、ユーリの隣に座……らず、テーブルの脇に立っていることにした。
昼以来、ユーリの隣に居づらい。
ユーリの視線が一瞬私に向けられるのが分かったが、そのまま無言ですっと戻される。
カチャリ、と茶器が立てた音が大きく響いて聞こえた。
「それで、テストの内容は……?」
ロビンは紅茶を飲むのもそこそこに切り出した。
ユーリはカップをソーサーに戻し、すっと指を組んだ。
「簡単よ。学園の中に隠してある、とある品物を探し出してほしいの」
まあ、いわば宝探しね。
付け足された言葉にますます首をかしげざるを得ない。
これに一体なんの意味があるというのか。
もはや単なる嫌がらせにしか思えなくなってきた。
ロビンも予想外の単語だったのか、戸惑ったように視線を揺らしている。
その間にもユーリはさくさくと説明を続けていく。
「品物は私が選んで、私が隠したわ。この学園の誰でも立ち入ることができる場所にある……職員室だとか、宝物庫みたいな場所は対象外ってことね」
さらにユーリはロビンにメッセージカードを二枚手渡した。
「これが隠し場所のヒント」
中身を見たロビンはますます困惑の色を深めた。
……うん、もう黙ってられない。
「私もロビンに協力していいよね?」
どうしても私にはユーリの行動が理解できない。
怒りというより、困惑が表現としてはぴったりだろうか。
……とにかく、少し彼女から距離を取りたかった。
ぐちゃぐちゃになった頭を整理する時間が欲しい。
「ねえ、ユーリ」
念を押すように言うと、完全無欠の微笑みが一瞬、綻びを見せた。珍しいことに。
はがれた笑みの下から見えたのは戸惑い、それよりもほの暗い、私の知らない表情。
見間違いかと思った矢先に、綻びは繕われ、
「別に構わないわよ。あなたが手伝うなら、ちょっと簡単すぎるかもしれないけど」
そうユーリは返事をした。




