表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖精姫は深夜に眠る  作者: 波久音子
3.白い百合の髪飾り
28/45

2

 そして放課後。約束した通り、ロビンは生徒会室に姿を現した。

 緊張気味な表情に申し訳ない気持ちが募る。


 対照的にユーリはいつも通りの余裕の微笑みで、ロビンにソファをすすめた。


 私も二人に紅茶を出すと、ユーリの隣に座……らず、テーブルの脇に立っていることにした。


 昼以来、ユーリの隣に居づらい。


 ユーリの視線が一瞬私に向けられるのが分かったが、そのまま無言ですっと戻される。

 カチャリ、と茶器が立てた音が大きく響いて聞こえた。


「それで、テストの内容は……?」


 ロビンは紅茶を飲むのもそこそこに切り出した。

 ユーリはカップをソーサーに戻し、すっと指を組んだ。


「簡単よ。学園の中に隠してある、とある品物を探し出してほしいの」


 まあ、いわば宝探しね。

 付け足された言葉にますます首をかしげざるを得ない。


 これに一体なんの意味があるというのか。


 もはや単なる嫌がらせにしか思えなくなってきた。


 ロビンも予想外の単語だったのか、戸惑ったように視線を揺らしている。

 その間にもユーリはさくさくと説明を続けていく。


「品物は私が選んで、私が隠したわ。この学園の誰でも立ち入ることができる場所にある……職員室だとか、宝物庫みたいな場所は対象外ってことね」


 さらにユーリはロビンにメッセージカードを二枚手渡した。


「これが隠し場所のヒント」


 中身を見たロビンはますます困惑の色を深めた。

 ……うん、もう黙ってられない。


「私もロビンに協力していいよね?」


 どうしても私にはユーリの行動が理解できない。

 怒りというより、困惑が表現としてはぴったりだろうか。


 ……とにかく、少し彼女から距離を取りたかった。


 ぐちゃぐちゃになった頭を整理する時間が欲しい。


「ねえ、ユーリ」


 念を押すように言うと、完全無欠の微笑みが一瞬、綻びを見せた。珍しいことに。


 はがれた笑みの下から見えたのは戸惑い、それよりもほの暗い、私の知らない表情。

 見間違いかと思った矢先に、綻びは繕われ、


「別に構わないわよ。あなたが手伝うなら、ちょっと簡単すぎるかもしれないけど」


 そうユーリは返事をした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ