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DAY__4


「暫くは神殿で様子を見ましょう」

「そんな! オフィーリアは僕が居ないと……!」



 神殿に任せ診てもらったほうが彼女のためだとオフィーリアを連れてきた女性は言う。

 そんなの当たり前だ。

 神官様に言われずとも誰が見ても分かる。

 なのに恋人である彼は何故(なにゆえ)拒否するのか。

 そもそも治癒魔法で治らないからオフィーリアは苦しんでいるのではなかったのか。



「それも、そうですね……。すみません、彼女を、オフィーリアをお願いします」

「あぁ勿論だ。見舞いならいつでも歓迎するからね」



 なのに、10年前から同じ神官様だというのに彼女を診たのは初めてだという。

 体調を崩せば神殿へ赴くのが普通である。

 たとえ小さな田舎町に相応しい小さな神殿だとしても、治癒魔法が使えるのは此処しかない。

 なのに彼女を診たことがない?

 別の街にあるもっと大きな神殿で診てもらったとでも言うのだろうか。


 死んだ娘とオフィーリアが同い年である今年46歳になる女性は不審に思った。

 ある時見掛けた、愛する恋人の為いつものように花を買い神殿に向かう彼。

 何故苛ついているのだろう。

 本来ならば心配でたまらないのではないか。

 それに神殿にオフィーリアが身を寄せてからというもの、顔色がどんどん良くなっていく。

 神官様が言うには、魔法など然程使っておらず、ただ適切な食事と睡眠を十分にとらせているだけだという。


 オフィーリアが、最後に発した『助けて』と言う言葉が頭を過る。


 まさか。

 やはり。


 己の娘と重ねてしまった女性は思った。

 オフィーリアを、放っては置けないと。


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