女の子!?
流石ファンタジーなおばぁちゃんだなぁ…
「なんぢゃ!?どぉした!?どぉ云う事ぢゃ!?」
おばぁちゃんが何か慌て出した。どぉしたんだろ?
ワタシは茜ちゃんを杖代わりに立ち上がりおばぁちゃんを見る。
「ひゃぁ!?くっ付け!!くっ付け!!なんぢゃこの傷はぁ!?」
茜ちゃんで斬った傷が治らないから焦ってるの?
なら、茜ちゃんで斬れば良いの!?もぉ少しだ!!あとちょっと…動けワタシ!!
「んだぁ〜!!」
すぱっ!!ざくっ!!
ワタシはおばぁちゃんの首を斬り頭に茜ちゃんを刺した。
「かひゃ!?」
流石に頭だけぢゃ何も出来ないだろ!?
「おばぁちゃん…魔人てなぁに?」
「ひゃは!!魔人は魔人ぢゃよ!!お前は何モンぢゃ!?どっちでも構わんさ!!魔神様は復活するぅ!!」
それっきりおばぁちゃんは何も言わない…ピクリとも動かない。そりゃそぉか…首を刎ねられ頭を串刺しにされて、更に何か出来るならホントのバケモノだよ…
魔神様かぁ…なんなんだろ?誰かに聞けば解るかなぁ?
それより…疲れたよぉ〜!!茜ちゃんも手入れしなきゃだし…
この時のワタシは気付かなかったけど、茜ちゃんに刃紋が浮き上がっていた…
暫く大の字で天を仰いで少し寝たかも…動けるだけの力が戻って、壊紙で茜ちゃんを拭き、刀油を塗り込む。地面なんかに刺してごめんね。
ひゅんひゅん…ちん!!
茜ちゃんを鞘に戻す。おばぁちゃんの死体はいつの間にか消えて、頭のあった場所に頭くらいの大きさの魔法石が転がっている。
なんなんだろ?あのおばぁちゃんも…ここの畑の持ち主はどこに居るんだろ?
取り敢えず魔法石は魔法の袋に入れて…
「誰か居ませんかぁ〜!?」
近所も見て廻る…どのおウチも誰も居ない…何があったの!?
最後の一軒…お願い!!誰か居てよ!!
がたっ!!
「うきゃっ!?」
いきなりの物音につい悲鳴が出ちゃった…けど…
「こんにちはぁ、誰か居ますかぁ〜?」
今度は何の音もし無い…
こんこんこん!!
「生きてる人は居ますかぁ!!」
反応が無い…
「開いてたら入りますよぉ〜?」
がたがた…がちゃんがちゃん…がちゃ…
なんかカギが締められたかな?
「何があったか教えて下さい!!ワタシはハンターですよ!!」
がちゃっ…きぃ…
ほんの少しだけ扉が開いた…ワタシより小さな女の子だ!!
「ねぇ、何があったの?おねぇさんに教えてくれないかなぁ?こぉ見えてもおねぇさんはハンターなんだよ?」
女の子と目線を合わせる為に膝立ちだ…
「食べられた…」
「何に?」
「おばぁちゃん…」
「何が食べられたの?」
「みんな…村のみんながおばぁちゃんに食べられた!!」
なるほど…あのおばぁちゃんが村人を食べちゃったのか…
「おウチの人は?」
女の子は首を振る。
「いつ食べられたの?」
「四日前…」
「ソレから一人だったの?」
女の子は首肯した。
「ワタシと来る?今から王都に帰るんだけど…」
「他に誰か居る?」
「ごめんね、おねぇさん一人だけなの。」
「他の家は?」
「誰も居なかったよ…」
「コワいおばぁちゃんは?」
「居ないよ、おねぇさんがやっつけた。」
「ホントに?」
「ホントだよ。」
がちゃっ!!
扉が完全に開いた…瞬間、泣きながら女の子が抱き着いて来た。
ワタシは抱き締めて、頭を撫でてあげる。
ひとしきり泣いた女の子は、ワタシから離れ、
「行く!!女王様に助けて貰いたい!!」
「そっか、何をどぉ助けて欲しいの?」
「村を、小麦を刈り取るのを手伝って欲しい…私も働いてなんとかしたいけど、一人ぢゃどぉしょぉも無いから…」
「よし!!おねぇさんに任せなさい!!それはそぉと、おナカは減ってない?」
「減ってる…」
「よし!!一緒に食べてから王都に行こ。」
「うん!!」
ワタシの魔法の袋に入っていたすぐ食べられる屋台で買った串焼きを出し、女の子と一緒にかぶりつく。余程おナカが減ってたのか、その勢いはスゴかった。
途中、名前を聞いたらアイリスちゃんとの事。
食後、手を繋いで王都を目指す。
「おねぇさんって…強いの?」
「多分ソコソコは強いよ。」
「ホントにおばぁちゃんやっつけた?」
「うん!!ワタシもヘトヘトになっちゃったけどね。」
「すごぉい!!」
「えっへん!!」
威張った瞬間頭を木の枝に、ごん!!って…
「いったぁい…」
「おねぇさん、大丈夫?」
「うん…らいりょぉぶ…」
少し涙目だよ…ん?何?変な気配が…
「アイリスちゃん!!ワタシから離れないで!!」
「えっ!?」
事態の急変に頭が追い付かないのか、慌ててるけど、手は離さない。
林から鳥が飛び立つ…バキバキバキバキ…
林から大っきな白い狐さん?が出て来た。
小さな女の子も居るのに勘弁してよぉ〜!!
「退がって!!」
ワタシはアイリスちゃんを退がらせ、茜ちゃんを抜き、狐さんの魔獣を見据える。
「ふむ、あの魔人の気配が無いのは重畳、しかし、人の気配も無いとは…生き残りはその娘だけかな?」
「んな!?魔獣が喋った!?」
「娘、ウチは魔獣とは違うよ?そぉだなぁ…どちらかと云うと神の僕かな?魔人が現れたと聞いて来たんだけど、既に居ないのか…」
「居ないよ?ワタシがやっつけたもん!!」
ワタシは茜ちゃんを鞘に納めず話した。
「へぇ…人が魔人を?どぉやったの?」
「この刀で斬った。」
「ふむ…」
狐さんの目が怪しく光る…
「これは珍しい!!神の剣!?イヤ、人が打って名を刻んでその域に達した剣かな!?」
「神の剣?」
「神の与え賜うた剣の事だよ…人が打って剣がその域に達すると云う事は…なかなかどぉして…剣と名付け親と名が良かったのかな…?」
何やら考えている様だけど…
「ワタシ達に用が無いなら行っても良いかな?」
「ちょっと待って、貴女に興味があるの、連れてって!!」
「んな?面倒事はイヤだよ?それにそんなに大っきいと魔獣として人に狙われるよ?」
「それはいやだな…」
ぽん!!
大っきな白い狐さんが可愛い仔狐さんに!?なにこれ可愛い!!飼いたい!!
ワタシは思わず茜ちゃんを鞘に戻して抱き締めた。
ふわっふわの毛が心地良い!!
アイリスちゃんも驚きながら触っている。
「ふわぁ…ふわふわしてる。」
「面白いね!!質量保存の法則とか無視した感じもスゴい!!」
「しつ?」
「そんなモン神力の前には無いのと同じなんだよ。」
アイリスちゃんには解らなかったみたいだけど、狐さんには解ったみたい…
「アイリスちゃんは気にしないで良いよ!!っても…狐さんの名前は?」
「名前?そんなもの無いよ?」
「そか…ぢゃぁ後で考えるとして…男の子?女の子?」
「女の子だよ?」
「そか…どんな名前が良いかなぁ?」
「私が考えて良いですか?」
「アイリスちゃんが?ワタシは良いけど…」
「素敵な名前を期待してるよ。」
「うん!!ちゃんと考えとくね!!」
と、二人と一匹?一柱?は王都に向かった。
立ち話した場所から二十分で着いた。
アイリスちゃんは狐さんを抱いて満足そぉだよ。
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