王女様!?
騎士さんがんばれぇ!!
ワタシが王城に来てから十日…ワタシが王女として民衆にお披露目された。
「本日、私の行方不明だった娘が戻って参りました事を国民の皆さんに報告致します。
名は彩奈、現在十五歳であります。私の長女となりますので、第一王女となります。
コレまではハンターとして活動していたので、知っている方も多いと思いますが、今後もハンターとしての仕事もしたいと本人が言っていますので、その際は王女としてでは無く、一ハンターとして接して上げて下さい。
では本人をお見せ致します。」
ままの紹介の後にままの隣に歩み出る。
お城の前の広場がわーわー騒がしい…ワタシの身長はそのままだとアヤカと同じだから見分けが付かないんだよなぁ…だからハイヒールを履いている。
「シュウキュウ・アヤナです。この歳まで一般人として育って来てますので、王族として至らない所が多々あると思いますが、皆さんの役に立てる様に精進致しますので。よろしくお願いします。」
習った通りの挨拶が出来てほっとしていたら、広場が一気に沸き立って少し引く…
まぢかよ!?
因みに、この状況は全国中に魔道具を使って映像も放送されている…どんな魔道具なんだか…
ソレはそぉとワタシは集まってる人達に手を振る。
しっかり笑顔が出来てるか、少し不安。
知り合いが見てません様に!!
いつまでも歓声が止まない…どぉしたもんか…
「彩奈ちゃん、もぉ良いからコッチにいらっしゃい。」
ままに言われるまま、ワタシは手を下ろし民衆に背中を見せ場内に入る。
入るとカノンさんが出迎えてくれた。
「アヤナ様お疲れ様です。さ、此方に。」
何だこの完璧メイドさんは!?立ち居振る舞いもメリダさんと遜色無いぞ!?
たった十日で…なんつう進歩だ!?
ワタシ?言葉遣いは瞬時に及第点だったよ?化け物術の基本だもん。演技派女優なんか目ぢゃ無いのが忍者の末裔の娘なんだよ!!
そのあと、騎士さん達の練兵場を視察。
うわぁ…お上品な剣だねぇ…基本的な事からしてワタシの知ってる剣術ぢゃ無いんだよね…フェンシングに近いかな?
横に回り込めれば良いんだけど、なかなか難しいんだよなぁ…
あ…盾とかも使うのか…片手だと攻撃の威力がなかなか出ないんだよなぁ…
「彩奈ちゃんも一緒にやってみたい?」
「良いの!?」
「良いわよ。カノンさん、彩奈に合う騎士服を。」
「畏まりました。」
カノンさんは一礼して何処かに行った。
暫くして戻ったカノンさんは騎士服を持って来ていた。
「ではアヤナ様、此方でお着替えを。」
と言って、ワタシを控え室見たいな所に連れて行ってくれた。
「カノンさんはもぉ完璧なんですね。」
「お褒めに預かり恐悦至極です。」
「二人の時だけでも普通にして貰えると嬉しいんだけど…」
「それは出来かねます。」
「そんなぁ…」
「それを致しますと、普段でもその癖が出ないとも限りませんので。」
「そか…なんか寂しいな…」
「第一王女と私では立場が違いますのでご勘弁下さい。」
「うん…無理強いはダメだよね…」
「お察し下さりありがとう御座います。」
そしてワタシは着替えたけど、下着はケタタのお店から貰ったちょっと派手なヤツを身に着けているから、あのゴワゴワしたヤツは穿かない。
準備が出来たので、練兵場に入る。稽古では木刀を使う。ワタシ様に作ったヤツだ。
腰には木の棒手裏剣も挿している。
投擲武器も普通に使うつもりだ。
相手は…新兵の人らしい。ワタシ達を守る近衛騎士さんだ。
新兵の近衛騎士さんは大体二十歳くらいからだ。
軍に入隊して数年、優秀な人から選ばれるのが近衛騎士さんだ。
ワタシより歳上、力もある、体格も大きいので、エレーナさんを思い出す。
相手も女性だが、身に纏う闘志は見た目と違ってかなり鋭いけど、そんなのをダダ漏れにするとは…
ワタシの木刀の形状やなんかを見てハテナマークを浮かべている。
「よろしくお願いします。」
ワタシは頭を下げて、左手に、刃部分を下にした状態で木刀を持ったまま向き直る。
「よろしくお願いします。」
相手は木剣と盾を構える。
「姫様も構えて下さい。」
「既に構えてますよ?」
「お戯れを…」
ワタシは居合いの状態なんだけどなぁ…相手には解らないらしい。
「それではいきますよ?」
「いつでもどぉぞ?」
ワタシは相手の出方を待つ。相手はワタシが構えないのがふざけていると感じているんだろぉな…
ワタシに突きを出して来た、ギリギリ当たる程度の間合いで…
ワタシは左に移動しながら居合い抜きで、柄頭を相手の剣の鎬を弾き、相手の右首筋に当たる寸前で剣を止める。
「これは、居合いと呼ばれる抜き打ち技で、今の技は[弾き一閃]と云う技です。突き技にかなり有効なんですよ。皆さんの使われている直剣では使い難い技ですよね?」
相手は頬に冷や汗を流しながら、
「参りました。」
と、一言云うのがやっとだった。
その瞬間場内が鎮まり返った。
無理も無いよ、王女様が剣術で、新兵とは云え、エリートたる近衛騎士さんに一瞬で負けを認めさせたのだから…
その後、夕飯までの時間ワタシは思う存分身体を動かした。
なんでだろ…みんな自信を無くした表情をして項垂れている。
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