手加減!?
遅稿すみません!!
試合も治療も終わり、お兄ちゃんとリッテンシュタイン・フクセンドルフはお城の騎士さんにままの執務室に案内されていた。
『何を呆けてる?』
ままがお兄ちゃんに話しかけた。
『あ、いや…彩奈が三人も居る事に驚いてた…』
ん?ワタシが三人?イヤイヤ、ワタシは一人だけだよ?
『見分けられないか?』
うん。ままはもぉ少しお淑やかな喋り方を勉強した方が…
『いや、何とかそれは可能かな。身長や髪の長さとかで…』
身長の事は言わないでぇ〜!!
アヤカとアヤネがキョトンとしてるぢゃん!!日本語理解はまだなんだよなぁ…アヤカはちゃんとお勉強した方が得なんだけどなぁ…
『…子供の頃から知ってる相手だから解るんぢゃ無いの?』
ワタシも見かねてツッコミを入れてみた。
『…っつっても、年に一回二回ぢゃ覚え難いぞ?』
んが!?ワタシは一瞬で解ったよ!?
『…したら、お前はオレとアニキ達の見分け付くのか?』
うげっ!?その言い方は卑怯ぢゃ無いかなぁ?三人とも同じ顔なんだから!!身長は違いが有ったけど、それは年齢とかの違いだし…でも!!
『わ、解らないワケ無いぢゃん?』
『オレの目を見て話そぉか?』
お兄ちゃんはニッコリ笑って間髪入れずに問い返して来た!!ナニコレ?カタギぢゃ無い人の尋問か!?
ワタシはハッキリお兄ちゃんの顔を見て、
『ごめんなさい!!三人共極悪人にしか見えません!!』
ワタシは正直にお兄ちゃんに向かって叫んでいた。
お兄ちゃんは何故か項垂れてるけど、聞いたのはお兄ちゃんなんだかんね!!
ワタシが勝ち誇っていると、ままがパンパンと手を叩いて場を支配した。
「さて、無駄話はこの辺でよろしいですわね?」
ままはうっすら笑みを浮かべている。多分爆笑しそぉなのを我慢してるよね?
「あ、はい…って、話はもぉ大体終わっていると思うんだが…」
そぉ、大事な話は終わっているけど、ままがお兄ちゃん達とお話したかったって感じなんだよね。
「そぉね。確かに彼等についての話は一通り終わっているわね。残りは、話の内容を書面にして、そちらの、リッテンシュタイン殿…で良いかしら?」
お兄ちゃんの隣に座る悪魔がままの声に頷いたのを確認し、
「リッテンシュタイン殿と私の調印で終わりですわ。その時は、民衆の前での調印になりますし、マツオカ殿にもお立ち合いを願いたいのですが。よろしいですか?」
ままはお兄ちゃんにもお仕事を任せていた。
お兄ちゃんが立ち合い人を務める事には意味が有る。
お兄ちゃんは異世界とは云え、一国の盟主らしいし、ワタシと親戚関係…王家に連なる者とも取れなく無い立場で、今では唯一の魔神…そのお兄ちゃんが見届け人になれば、悪魔達…翼人種達も反故には出来ないだろぉって抑止力になるんだよね。
「…なるほど…そちらの都合は理解した。だが、オレが元の世界に帰れるか…そこんトコどぉなんだ?」
お兄ちゃんはままの言葉を受け止め、隣の悪魔に質問していた。
「はい。問題無く陣は起動出来ます。マツオカ様を送り返した後、我等は彼等に従い、北に赴きましょぉ。」
なるほど、送り返せるなら良いか…お兄ちゃんもあっち…ってドコかは知らないけど、心配だろぉからね。
そぉ云えば、前の時は不可能だったのかな?
いや、御先祖様(仁科大助、アヤノ、ゴヒ家の始祖?)に攻撃されて眠りに就いたって感じだったっけ?
そりゃぁ送り返すとか無理だったか。
「あ、あの!!マツオカ殿!!」
いきなりアヤカが声を張り上げた。
「ん?どぉした?」
お兄ちゃんは何気無く返事をしたけど、アヤカにとっては初めて近接で感じる魔神の気配…
案の定アヤカはガクブルしてる!?あっ!!アヤカは妊婦さんだった!!
『お兄ちゃん!!気を抑えて!!』
多分お兄ちゃんは気を抜いてたな…
その証拠に、お兄ちゃんは慌てて気を抑えていた。
『おっ?悪い悪い。こんな感じか?』
お兄ちゃんの気配が弱まった所で、アヤカもガクブルが収まり、何とか動ける様になった。
「あ、あの…私の旦那を全力で殴り付けたのは何故ですか!?」
スゴい勢いで聞いてるけど、全力?
「えっと…アヤカ?お兄ちゃんは全然全力は出して無かったよ?」
ワタシはアヤカに真実を語ってあげた。
「…えっ?でも、バルコー様がたった一撃で伸されたんですよ!?」
なるほど。アヤカにとってはその時点で全力と思ったワケか…
「そぉね。でも、お兄ちゃんが全力だったらバルコーさんの頭は吹き飛んでたハズよ。前に戦ったカラスの魔神でもその程度の強さは有ったわ。その上でお兄ちゃんは武術の達人なのよ?昏倒させる程度に手加減は出来るわよ。」
ワタシの説明にアヤカは呆然としていたけど、今度はぱぱが口を開いた。
「まぁ、そぉ云う事なら納得は出来るが、バルコーの水魔法が効かなかったのは?」
おっ!?ソコはワタシも不思議に思ってたよ!!なんでなんで!?
ワタシもお兄ちゃんに説明を求める視線を送った。ワタシだけぢゃ無く、この場の全員がお兄ちゃんに視線を送っていた。
お兄ちゃんはその視線に気付いたのか説明してくれた。
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