往生際!?
年齢的には彩奈のがお姉ちゃんなのに、鑑連をお兄ちゃんと呼んでいるのは、昔からのクセです。
ま、見た目だけでなら違和感が無いと思われます。
その日の夕食後、お兄ちゃん、おぢさま、おじぃちゃん、カノンさんにチーフさん、悪魔…は部屋の片隅で小さくなってるよ…その皆んなでお話をする事になった。
「ふえぇ〜…お兄ちゃんも意外と波瀾万丈だったんだ!!しかも何度も死にかけるとか…バカなの?」
お兄ちゃんのこれまでの異世界での生活を聞いて、呆れれば良いのか、感心すれば良いのか迷った結果、暴言を吐いてしまったって感じになってしまった。
「しかし、松岡の家はそんな由緒正しき家系だったのか!?ワシも聞いた事無かったぞ?」
おじぃちゃんがお兄ちゃんの祖先に坂上田村麻呂が居た事に驚きを隠していない。ま、ワタシも名前は聞いた事有るって程度でその人が何なのか知らないんだけどね。
「あぁ、それはオレも驚いたよ。オレの奥さん達も、全員その家系だったってんだから驚きだよ。」
一番信じられ無いのは、お兄ちゃんが結婚していた事!!しかもあの顔で!!お兄ちゃんの居た所ぢゃ、アレがイケメンに見えるのか?
「マツオカ殿、奥さん達…と云う事は、複数の奥方が居ると云う事が?」
おぢさまがお兄ちゃんの奥さん発言に反応していた。
「居ちゃ悪いのか?」
別に悪く無い!!いや、居る事が不思議で堪らない!!おぢさま!!もっと突っ込んで聞いてみて!!
ワタシは期待に満ちた目を向けた。
「あ…いや、そぉぢゃ無く、その若さでと驚いているのだが…何人居るのだ?」
そぉそぉ!!奥さん達って事は複数の奥さんが居るって事!!一夫多妻!?多くの奥さんに養われてるヒモって事は無いと思いたいんだけど?
「奥さんは三人だな。」
「三人!?お兄ちゃんで三人も奥さん居るの!?」
ワタシは脊椎反射で聞き返していた。しかし、奥さん゛は゛って事は…奥さん以外にも女性を囲ってる?
「確かに、三人の奥さんにも驚いたが、奥さん゛は゛と云う事は、奥さんでは無い者も居るという事か?」
やっぱりおじぃちゃんもそこに引っかかったみたいだね!!
お兄ちゃん!!シャキシャキ答えんさい!!
「あぁ、城に二人、村に一人、部下で一人、他国の国主が一人…」
お兄ちゃんは指折り数えてるけど、なにその人数…大奥か!?ってか、ハーレム!?ハーレムなのか!?
「ちょっ!?何それ!?ハーレムってヤツ!?ライオンなの!?」
ハーレムと云えばライオン!!コレは間違いないです!!
「ライオンて…気付いたらそんななってたんだよ!!」
気付いたら?方々に手を出した結果って事?なら一夜限りとか考えたら更に増えるって事!?
「その…奥方達は何も言わぬのか?」
おぢさまは奥さん達の反応が気になるみたい…ま、そりゃそぉなるよね?おぢさまに近付く女は全部ワタシが排除してるから、おぢさまは浮気一つ出来ない状況に置いてるし、ま、本人にもその気が無いから良いんだけど…魔が刺さないとも限らないもんね!!
「ソコがオレも理解出来無い所で、全員仲良しなんだよなぁ…」
えっ!?みんな仲良し?洗脳か!?この男、洗脳なんてしてるのか!?
「女の敵ですよね?」
チーフさんがワタシとカノンさんに意見を求めている様だ。
「ただの女ったらしと云う可能性も…」
女ったらし?この顔で?いや、顔と云えば有名な戦国武将も居たよね?猿って渾名の…
「秀吉も顔負け?」
ワタシは思い付いた武将の名前を上げた。
「いや!!全部…とは言わないが、外堀りから埋められて、奥さん達のススメも有ってだなぉ…」
お兄ちゃんは必死に言い訳をし始めた。
「うわぁ…言い訳とか、サイッテー…」
洗脳した上に周りが…とか、そんな言い訳ワタシには通じません!!
「何人子供を作るのやら…」
チーフさん鋭い!!
言われてみればそぉだよね。軽く十人は作るつもりなの!?サッカーチームでもつくるの!?
「コレだから男はイヤなんです!!」
カノンさんはまだあの時の記憶が残ってるから、男嫌いは筋金入りだよ!!
「半分以上は政治的なモノなんだから大目に…」
政治的な?こんな顔面凶器に?捧げ物か!?
「うわぁ…生贄だよ!!」
うん。そんなレベルで同情を禁じ得ないよ…
「人身御供ですね…」
邪神とかそんなレベルかな?チーフさんの例えも的を得ている。
「どれ程の女好きなのやら…」
カノンさんはゴキブリでも見ているのかって目付きになっちゃってるよ…
「えと…」
お兄ちゃんは往生際悪く、おじぃちゃんとおぢさまの方を見る。助け舟が欲しいのかな?
「のぉ鑑連…ワシは死ぬまで妻しか女は知らなんだし、コッチに来てからも妻しかな…」
ん?ちょっと待って!?おばぁちゃんってワタシが産まれる前に事故で死んで無かった!?
「えっ?オレの聞き違いか?死ぬまで?じぃさん死んだ事有るのか?」
あれ?反応するの其処なの!?おばぁちゃんの事は!?
「お前が行方不明になってから半年後に癌でな…死んだと思ったらココより東の大陸で目醒めてな…」
なんか不思議そぉな目でお兄ちゃんはおじぃちゃんを見てたけど話が逸れそぉだったからか、おぢさまに目を向けていた。
「ん?そぉだな…ワシも死んだ前妻とアヤナしか女は知らんぞ?そぉ云う店も使う気になれなかったからな…」
流石ワタシが一目惚れした漢!!身持ちが良い!!おばさまの事は全然知らないけど、多分おばさまもそんな所が良かったのかもね!!アレもスゴいし!!
「えっ!?わ、私ですか!?
お兄ちゃんは話にならないと、悪魔に目を向けていた。往生際悪過ぎでしょ!?
「私は…まだですので良く解りません…」
んが!?この悪魔、悪魔らしく無いよ!?何なのまだって!?まさか、悪魔の中ぢゃモテないタイプなの!?なんか少し同情するわ…
「えと…この場合、オレの評価は?」
皆んなの白い目がお兄ちゃんにに集まる。
「ま、相手の女性達がどんな反応かに因るな。」
あれ?おじぃちゃんが助け舟を…あっ!!ぱぱは昔から女性問題で…って聞いた事あるぞ?
「それは大丈夫だと思う…早く皆んなに子供が欲しいって言われてるし、娘も居るし、妊婦も抱えてるけど、皆んな仲良くしてくれてるぞ!!」
お兄ちゃんは胸を張って大丈夫だとアピールしてをかましていた。でもね…
「うわぁ…みんなの演技だと気付かない男ってサイテーだと思うよ…」
女はたまにどんな事をしてでもマウント取りをしたくなるモノなのよ?知らなかった?
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お時間がありましたら他の作品「(仮)日本古武術の可能性」「いぢめられっ子の逆襲(仮)」も合わせてお読みください。




