二度目の裁判!?
彩奈達三人の運命や如何に!?
しばらくして、二度目の裁判の準備が整ったと、ワタシ達の居る部屋に知らせが来た。
『では参りましょぉ。』
『皆様、今度は先程の茶番とは違うモノに成ると思います。』
イランクさんは顔を引き締めて、カリーナちゃんは笑顔でワタシ達を促して来た。
『そぉなる事を祈りますわ。』
ワタシも返事をして立ち上がると、アヤネもソレに続いて立ち上がり、ミィちゃんをお供にイランクさん達に着いて行く。
ワタシ達が入ったのは城の二階の法廷の様な部屋。
イランクさん曰く、「家族や要職に有る者の不正や犯罪を裁く法廷。」なんだそぉで、そこでの裁判の判決ではウソは許されないとの事で、ウソが露見すれば、それだけで死罪も有り得るのだとか…恐ろしい…
ま、「ウソを吐いて他者を陥れる様な者に、要職も貴族も任せられないから」なんだそぉな…理に適ってるね。
って事で、ワタシ達が法廷に着いて、勧められるままに席に着いた。
今回も一応被告人席かな?
『ソレでは開廷する。』
木槌でカンカンと台を叩いて裁判官が宣言をした。
裁判官は見事な髭を蓄え、何処となくイランクさんにも似ている印象を受ける。
『今回は、貴族に対する暴行と云う事だが…ヤッチー・マッタ側から発言をして貰おぉ…経緯を説明してくれ。』
先ずは向こうの意見からか…ま、当然っちゃ当然かな?
『はい。調書にも書かれている通り、そこの三人の少女から暴行を受けました。何故暴行を受けたのかはサッパリ解りません。』
って、異様に端折った説明だなぁ…ざっくりし過ぎてるよ?
『ふむ…さて、ではそちらの三人は、何故暴行に及んだのか、説明して貰えるかな?』
来た!!ソレぢゃ説明してあげましょぉ!!
『薄汚い獣…わたくしの護衛に対して、その様な侮辱の言葉を投げかけられ、わたくしの妹が、其方の方の脛を蹴ってしまいました。』
どぉだ!!ワタシも簡潔に説明出来るんだぞ!!参ったか!!
『ふむ…薄汚い獣と言ったのですね?』
『はい。間違い有りません。』
裁判官の言葉に、肯定の意を示した。
『蹴ったのは脛だけですか?他に殴ったり叩いたり斬り付けたりは?』
裁判官はチラリとヤッチー・マッタの包帯を確認してワタシに再度質問して来た。
『妹が脛を蹴ってすぐに、この国の騎士さん?衛士さん?に槍を向けられたので大人しく捕まって上げましたよ。』
ちゃんと説明してあげるけど、
『では、何故ヤッチー・マッタはアレ程の包帯を巻いているのかな?』
「さて、わたくしには一向に解りかねます。』
ワタシがハッキリと言うと、
『ヤッチー・マッタ、その包帯は何を意味しているのかな?』
裁判官の鋭い視線で睨まれたヤッチー・マッタは冷や汗を流しながら、目がシンクロナイズドスイミングをしながら、
『そ、そこの者共に暴行を受けました。騎士達も見ておりますのでご確認下さい!!』
との事だ。なるほど…あの場に居た騎士さん達は抱き込み済みなのか…
『ほぉ…ソレは由々しき問題だな。貴殿がそんな目に合わされているのを指を咥えて眺めていただけで、ソレほどの大怪我をしてから犯人を取り囲んだと云う事かな?』
『は、はい!!その通りで御座います!!』
『先程、そちらの女性は、脛を蹴っただけと言っていたが、意見が真っ向から喰い違っているな…完全にどちらかがウソを吐いている証拠だな。よし!!件の騎士を呼べ!!』
裁判官の鶴の一声で、ワタシ達を囲んだ騎士さん達が法廷に呼ばれてやって来た…
『…と、云う事だが、如何かな?』
裁判官の言葉はヤッチー・マッタの証言の復唱だった。
『はい。正しくその通りで御座います!!我々が武器を構えるまで、暴行は続いておりました!!』
あっれぇ〜?ウソ吐いちゃったぞ?バカだなぁ…自分の首を締めるウソ吐くなんて…
『ふむ…ならば貴様等に騎士の資格は無い。そぉ云うのだな?』
裁判官もワタシと同じ事を感じたみたいで、即座にツッコんだ。
『な!?何故そぉなるのでしょぉか?』
騎士は慌てて言葉を返していた。
『何だ?説明が必要か?ならば教えてやろぉ…』
さぁ前置きして、裁判官は語り出した。
『…目の前に暴行魔が居て、貴族が暴行を受けているにも関わらず、大怪我をするまで放置。命に関わる様になって初めて行動に移す。そんな者を騎士と認めるワケには行くまい?』
ぷっ!!ワタシが感じた事そのままに語ってくれたよ!!
隣のイランクさんも苦笑いしてるし!!
カリーナちゃんも吐き出しそぉなのを我慢してるのが見え見えだよ。
『あっ!!い、いやソレは違います!!あの少女がヤッチー子爵様の脛を蹴った瞬間、我々は動きました!!』
さっき証言した騎士とは別の騎士さんが声を上げた。
『ん?何だと?ならばヤッチー・マッタのあのケガはどぉ説明するのだ?』
『あの仰々しい包帯は、こんな怪我をさせられたのだと見せ付ける為に巻いただけのモノで、一切の怪我はされておりません!!』
『ヤッチー子爵様我々にもその事を告げ、そちらのお嬢様方を不敬罪で死罪にする為だと言っておりました!!』
『シュウキュウ王国の意向に添った獣人族への差別撤廃に反対しているヤッチー子爵様は、シュウキュウ王国との諍いの責をイランク王に取らせる為に仕組んだと仰っておられました!!』
保身に走った騎士さん達の証言が次から次に飛び出して来る。
『き、貴様等!!団規違反だぞ!!隊長に逆らうのか!?』
最初に証言した騎士が声を荒げて騒ぎ出したけど、もぉ遅い。
『ふむ…この騎士達の証言、どちらが正しいのか…この場での虚偽は死罪以上だと知っておろぉな?』
裁判官は眼光鋭く、この場の全員を見回した。
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