アヤネの教育!?
みんな彩奈の事が心配だったみたいですね。
朝食も終わり、少しおえっとなりながらも持ち直し、みんなが寝室から出て…うん、アヤネとハルノちゃんは残ってくれたよ。
商会は、ワタシが居なくても回る様に指示書を書いて、ハルノちゃんに渡すからね。
「…っと、まぁこんなもんかな?どぉ?」
「…これぇ〜だとぉ〜何ヶぁ〜月もぉ〜忙しいぃ〜よぉ〜?」
と、大好評だ。
「うんうん、全部一気にしなくて良いからね。その都度その都度現場の状況も有ると思うし、コレはあくまでも計画書だからね。」
「解ったぁ〜」
計画書の中には、普通にドローンの設計図も入れてある。
なんでドローンか?コレは農業用にと考えているんだよね。
ばら撒きが出来る種はばら撒きにして良いし、消石灰とかの肥料等を撒くのにも使える優れ物!!
前にテレビで観たけど、農薬散布とかもドローンでしていたのを思い出して設計してみたんだよねぇ。
ハルノちゃんはお仕事の話をして、「お大事ぃ〜にねぇ〜」と出て行った。残るはアヤネだけ…カノンさん?他にもお仕事が有って、そっちに行っちゃったよ。
しかし、朝からハルノちゃんとオタオイ公爵、ママにおねぇたん、もぉ誰も来ないよね?
「あのねお姉様、しばらく養生するって聞いたから、その間にお勉強を見て貰いたいんだけど…良いかな?」
アヤネもこの三年で言葉遣いを矯正されちゃったんだよねぇ…ソレでも、身体を動かすのは相変わらず好きみたいで、夕方のワタシの稽古に着いて来たりしてるんだよね。お転婆が過ぎるぞ?
「そっか。うん。ワタシで出来る範囲なら良いよ。」
「わぁい!!お姉様だぁーい好き!!」
抱きっ!!可愛い妹に抱き着かれて、ご満悦なワタシだった。
ワタシがアヤネに教えられる内容は、数学と理科と国語、国語は言葉の言い回しと言葉選び、ハウピンの言葉とレックさん達の言葉だ。まぁ、平たく云えば五車の術なんだけどね。
五車の術は色んな場面で役に立つ実践的な術なんだよねぇ。だからこそ難しく、善悪を入れ替える事すら出来る危険な術でも有る。中には、嘘も方便的な使い方も教え込む。
コレの最大の利点は、常に考えて話す事を自然に身に付けられる事、失言を減らす事が出来る事、慣れれば普通の会話をしながら、相手を思った方向に導く事も出来るんだよね。
正攻法と搦手の複合とかまで出来れば完璧だよね。
うんうん。忍術って普通の生活にも充分役立つ技術だよね。
ハウピンの言葉…日本語と、恐竜人間さん達の言葉…タガログ語も教える。通訳を交えずに話すのは情報伝達には非常に有効なんだよね。外交もスムーズに出来るから、アヤネの将来に大きな貢献があると思うんだよね。
そんな感じの午前を約ひと月過ごす中、アヤネはぐんぐん吸収し、色んな人を練習台にして、メキメキと実力を…実力を…止めヤメやめぇ〜い!!
「アヤネ、ダメだよ。そんな事ばかりするなら、もぉ何も教えてやらないんだからね!!」
ワタシは少しプリプリした感じを出しながら、頬を膨らませてそっぽを向いた。
「うにゅぅ〜…ごめんなさい…必要な時以外はしない事を誓います…」
まぁ、実質的な被害が出てないから、この誓いの言葉で勘弁してやるか。
「嘘吐いたら本当に教えないからね?」
「はい!!」
良い笑顔で抱き着いてくれた。うんうん。おねぇちゃん冥利に尽きるよね!!
ワタシは笑顔でアヤネの頭を撫でてあげた。
「約束は何が有っても守らなきゃならないのよ。軽々しく約束はしちゃダメだからね?」
「はい。解りました。」
約束は破る為にするモノだ!!なんて言う愚か者も沢山居るから気を付けさせなきゃね。約束を破るヤツは信用出来ないヤツってね。
「なるほど…約束は守らなければならないから、易々と約束はしない方が賢明なのですね。」
「そぉだよ。約束は大事なの。果たせそぉに無い約束は絶対にダメだよ。」
「はい!!」
うんうん。良い返事だね。流石ワタシの妹だ。
そんな穏やかな日々を過ごしていたら、いつの間にかあの吐き気や体調不良も改善していた。
「…そぉ、彩奈ちゃんがするハズだったお仕事の結果を知りたいのね?」
「うん。あと、あの人達の所にも行ってみたいんだけど…」
「その上で商会も気になるし、静養中になまった身体も動かしたいのね?」
うっわぁ〜…ままには完全にバレてるよ…身体がなまりまくってるから少しずつ動かさなきゃね。
「あまり…ううん、一般の女性程度の運動なら良いけど、それ以上の事をしたらお腹の子供に悪影響が出るわよ。本格的な運動は産まれてからね?」
「…はぁ〜い…」
運動を控える約束をさせられてしまったよ…
「お約束は守らないとダメなんだよね?」
隣に居るアヤネにしっかりと釘を刺されましたよ…まったく、こんな所だけ真面目なんだから…
「あらあら、おねぇちゃんはアヤネにしっかり見張られる事になりましたね。」
うふふ…と笑いながらアヤカも妹の成長を微笑ましく見ていた。
「では、本日からのアヤネちゃんのお仕事は、彩奈ちゃんの見張りね。」
まままでクスクス笑いながらワタシに目を光らせていた。
ワタシってそんなに信用無いのか?
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