おぢさまのエスコート!?
新たなブックマークありがとう御座います。
その日朝ご飯の時から男達にじろじろ見られた。
なんだよ!?やんのか!?
おぢさまも執事さんも鳩が豆鉄砲を喰らった様な目でワタシを頭の上から爪先まで、じっと見てる。
もっと見て!!
リンカさんを含む女性達もやはり面喰らった様に見てる。
どぉかしましたか?
「あの…皆様?如何されましたでしょうか?」
ワタシの一言にみんなが驚愕している…なんでだ?
「あ…アヤナ?まるでお姫様だぞ!?喋り方まで…」
みんなヘッドバンキングしている。
なるほろ…ワタシが見た目も何もかもが普段と全く違うからだな!?
空色の淡い色の少し胸元が強調され寄せて上げての機能が着いたドレス、豪華な宝石があしらわれている小さなティアラ、少し目線が高くなるハイヒール、真っ白い二の腕まである手袋。
確かに普段とは違う装いだ。
「あら?おぢさまも異な事を仰られますのですわね?わたくし、これでも女王の娘ですのに…」
「いや…そうなのだが…普段との格差がだなぁ…」
「まぁ!?普段のわたくしをどの様にご覧になっておいででしたの?」
ワタシは口に手を当て聞いてさみる。
「天真爛漫な活発な女の子だな。」
「ソレでしたら今はどの様に?」
「荒廃した地に未来は明るいと言わんばかりに、高潔に咲き誇る一輪の花…だな。」
その場のみんながまたヘッドバンキングしだした。
「あらあら、そんなに褒めても何も出ませんわよ?」
「その笑顔が見られただけで光栄の至りだな。」
「まぁ、そんな大袈裟な…」
ワタシはそこで微笑んだ。エンジェルスマイルだ!!
ダキューン!!
全員心臓を撃ち抜かれたガンマンの様になっている。
「こ…コレが女王の血筋か…ココまで凶悪なモノとは…」
「本日は公表前の王女としての振る舞いをと思いまして…」
おぢさまは少し思案し、
「リンカ、嫌味にならない程度に薄く化粧をして、紅も薄い色で仕上げてくれ。」
何を思ったかお化粧の指示が出た。
「はい、全力でアヤナ様の魅力を最大限に発揮させてご覧に入れます!!」
「頼んだぞ。」
「はっ、お任せを。」
あ…早まったかも…口調だけでもいつも通りにすれば良かった!?
食後、リンカさんに引っ張られお化粧をされた。
鏡を見ると、そこには絶世の美少女が…
「アヤナ様、バッグはお持ちですか?」
鏡に見惚れてたワタシに声が掛かる。
「は、はい、魔法の袋なら有ります!!」
「ソレではその御召し物には合いません、少々お待ちを。」
そぉいって荷物を漁り出す。
出されたのは真っ白い手提げバッグだ。
「これは私の私物ですが、どぉかお使い下さい。きっと似合いますし、お祝い金もこの中に入れて行って下さい。」
「は、はい…」
ワタシは言われるがままにお祝い金の袋をバッグに入れる。
魔法の袋は、置いて行く様に言われた。
素直に従ったがやはり丸腰は少々心許無いと感じるワタシはやっぱりハンターなんだなぁ…
化粧をした姿がお披露目された。
「リンカ!!でかした!!」
おぢさまの感嘆の声でその出来栄えも窺える。
「旦那様、ソロソロお時間に御座います。」
執事さんの声に出発時間だと気付く。
おぢさまと共に馬車に乗り式場に行く。
式と言っても立食形式の披露宴と云ったモノらしい。
現地に着いて、馬車を降りる。
この、馬車の乗り降りすらおぢさまのエスコート付きだ。
新郎の父にエスコートされるとか…
ワタシは少し待ち合い室にて待たされる。
両家だけの正式な式が執り行われるからだ。
新婦の親友とは云え、おいそれと参列は出来ない。
お昼前までかかり式は終わったらしい。
その間、飲み物を貰ったりトイレに行ったりして過ごた。
トイレットペーパー何かは無く、魔法の水が汚れが落ちるまで洗ってくれるウォシュレットだったりする。濡れた場所は風の魔法で乾かすらしい…恐るべし魔法文化!!
そんな感じで待っているとおじさまが迎えに来てくれた。
おぢさまのエスコートでパーティー会場に行くと既に大量の人で溢れていた。流石貴族と大店たなぁ…
とか考えてたら受付に案内された。
名前を記入するらしい。
「おぢさま。」
「ん?」
ワタシはおぢさまにだけ聞こえる様に囁いた。
「ワタシの名前は、キリュウ・アヤナとシュウキュウ・アヤナとどちらが望ましいですか?」
「ハンターとして、新婦の友人として来ているのだから、キリュウ・アヤナが良いだろうな。」
おぢさまも私にだけ聞こえる様に囁いた。
愛の囁きならもっと良かったのに…
来場者名簿にパパとワタシの名前を書いていく…しかも二組分…
そしてお祝い金もそれぞれに渡す。
大した用事が無いならこのまま帰っても良いらしいが、ワタシには新婦に挨拶をする義務があるのだ!!
おぢさまのエスコートにより、二組の新郎新婦の所に行った。
少し緊張して来た。
「おや?父上、どなたをエスコートしておいでで?」
「うむ、ある意味今日の第一ゲストだ。」
恥ずかしくておぢさまの影に隠れているが、少し顔出し、新郎の顔を見た瞬間、ワタシは驚愕した。
「な、な、なんであんたがココに!?ワタシが牢に入れられた原因のあんながココに居るの!?」
「待て待て待て!!コレは私の次男だ、あの時のバカは長男で、ヤツは廃嫡にしてあるから安心しろ!!」
「えっ!?別人ですか?まるで生き写しなんですが…」
「自分とアヤカ姫の事を考えてみろ、こっちは双子だがな。」
「そ…そぉてしたか…申し訳ありません。」
ワタシは素直に頭を下げて謝罪する。
すると新郎のリキータさんはワタシに目線を合わせ、
「気にしてませんので頭を上げて下さい、父上がわざわざエスコートする方に何も思う所は御座いませんので。」
んな!?あのクズと同じ顔、同じ声で紳士とか!?
「は、はい…お見苦しい所をお見せして申し訳ありません。」
再度謝罪の言葉をかけて頭を上げると、今度はタキリーさんが片膝を着いた。
「アヤカ王女殿下!?わざわざこの様な所に足をお運び頂いて、何とお礼を申し上げれば…」
「だから、さっきの話を聞いていたか!?この娘はアヤナ、アヤカ王女殿下とは別人だ。」
おぢさまが慌ててリキータさんを立ち上がらせる。
お互いに早とちりをしていた様だ。
「本日はおめでとうございます。ワタシはハンターをしてます、アヤナと申します。新婦のエレーナさんが引退する少し前からの仲間です。以後よろしくお願いします。」
「あ…こちらこそよろしくお願いします。」
二人握手を交わして笑い合う。
そぉしてると、見覚えのあるおじさんが…
「よぉタキリー!!元気にしとったか!?」
「おぉ、義父上ご無沙汰しております。」
おぢさまがおじさんに頭を下げた…どゆこと?
「おぢさま?こちらの方は?」
「ジマタヤ商会の御隠居で私の義父だ。」
「そぉなんですね!!おじさんお久しぶりです。アヤナです。」
言って頭を下げた。
「んお?アヤナちゃんか!?また今度は綺麗な…女の子は服だけでも印象が変わるもんぢゃのぉ?タキリーと居ると云う事は…やっと後添いを貰う気になったか?」
「おぢさまには何度も言ったのですが、断られ続けてます。」
「相変わらず堅いヤツぢゃのぉ…」
「あれ?…って事は…従兄弟で合同結婚式なんですか!?」
「そぉなるかのぉ?」
「そぉなんだぁ。」
「ソレで?アヤナちゃんはどんな関係で来たんぢゃ?」
「ワタシは新婦二人が親友なんです。」
「おぉ、そぉかそぉか!!今はお色直し中ぢゃから後で顔を出すと思うぞ。」
「その時に今の姿を見せてみますね。」
「そぉすると良い。ではな。」
「はぁい。」
「アヤナはいつあの御仁と知り合ったんだ?」
「王都からの帰りにたまたま…」
「そぉか…アレはあぁ見えてなかなかにしたたかだぞ。」
「大商会を運営してただけはあるって事ですね。」
「そぉだ。」
等と話してたら新婦二人のお色直しが終わったらしく新郎二人が新婦さんを迎えに行ってしまった。
二人の花嫁姿かぁ…楽しみだなぁ!!
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