突然の…!?
仲良き事は良き事かな。
翌日、朝食時、ワタシはとある異変に気付いた。
「ハルノちゃん!!大丈夫!?」
「うん〜…なんとかぁ〜…」
ハルノちゃんの歩みはよちよち歩きで、激痛に耐えている…そんな感じだった。
うん、ワタシにも憶えが有るよ。痛いんだよねぇ…二日間くらいは。
全く…オタオイ公爵め…
「ハルノちゃん、無理しなくて良いからね。今日はお仕事お休みして良いよ。」
「うん〜…そぉ〜するぅ〜…」
と、ハルノちゃんは素直に休暇を受け入れてくれた。
どっちから誘ったんだろ?って、そんな下世話な事は置いといて!!
アヤカとアヤネがハルノちゃんの介抱をしてくれている。うんうん、原因は探らない様にね。
「叔父上…激しくしちゃったの?」
オタオイ公爵に小声で話しかけてみた。
「激しいとか…そんなの解らないから…僕も初めてだったし…」
んな!?二人共初めてだったのか!?公爵ともあろぉモノが!?良いのかソレで!?
「はぁ…女の子は優しく触ってあげないとダメですよ。」
「女の子?彼女はもぉ…」
「歳はカンケー無いんです!!ハルノちゃんは女の子なんです!!」
「はい…」
と、ワタシの剣幕に押されて、素直に従うオタオイ公爵だった…
「はぁ…まぁ良いですけどね…あと、今後十日間はしちゃダメですからね!!」
「えっ?なんでだい?」
「女の子の身体は男と違って負担が大きいんです!!最初は痛いんです!!慣れるまでその痛みが続くんです!!良いですね?」
「う…うむ…解った…」
まったく…その辺の知識も無いのか…コレは教育が必要なのか?
男も女の子もある程度の歳になったら、性教育してあげないと、女の子が乱暴に扱われて、男嫌いとかになったら大変だよ…
朝食も終わり、ワタシは商会に来ていた。最近は来たり来なかったりだもんね。
「チーフさん、今日はハルノちゃんはお休みですよ。」
「あら?何かあったのですか?」
「んとね…歩くのもツラい怪我をしてて…三日程休息をあげたいの。」
「…あっ…もしかして…あの日…ですか?」
あの日?何だろ…あっ!!そっちだと思ったのか!?
「いや…そっちぢゃ無くて…初めての…その…ね?」
「初めての…?あっ!!」
と、チーフさんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。言いたい事、伝わったかな?
「確かに結構ツラいとは聞いてましたが…」
「うん、まぁ、個人差も有るだろぉけど、ワタシ程ぢゃ無くても小さく華奢だから…」
「痛みも一入でしょぉね…解りました。数日間はなんとかなるでしょぉ…」
「そぉ云う事だから、男共に聞かれたら、風邪をひいたとか、適当に理由をでっち上げてて!!」
「解りました。」
と、連絡事項を伝えて、ワタシはイタオオ地方に飛んだ。お札を作る工場の場所を確保しなきゃだからね。
ま、イタオオに作る銀行の地下にする予定なんだけとね。地下なら、出入りの管理もし易いからね。
「ん〜…広さ的にはオタオイ公爵邸くらいは欲しいんだけとなぁ…」
一人で呟き、上空から候補地を探して回る。
そして、公爵邸の裏が小高い山になっているのに気付いた。
「アソコを平地にしたらどぉだ?地主は誰かなぁ?」
とか考えてたら、
ピルルルル!!ピルルルル!!
と、携帯電話が鳴り出した。
「はいはい!!アヤナでぇす!!」
と、電話に出る。
『彩奈ちゃん!!大至急戻って来て!!』
と、ままの焦りまくった声が…
「どぉしたの!?」
『詳しくは帰ってからよ!!とにかく急いで戻って来て!!』
「解った!!」
ままの焦り様からして何か大きな問題でもあったのか!?ワタシは調査もそこそこにお城に向かった。
お城の裏庭に飛行自動車を着陸させ、ままの執務室に急いだ。
ままの部屋の前の騎士さんがワタシを確認した瞬間、扉を開けてくれて、
「アヤナ姫様!!お急ぎ下さい!!」
と、顔パスでワタシを招き入れてくれた。
「ただいま!!何が有ったの!?」
ままの執務室に入るなり、声を上げた。その場には、ぱぱ、おばぁちゃん、おぢぃちゃん、アヤカ、オタオイ公爵、バルコーさん、おぢさま、ホフマンさん、パパが居た。
みんな顔色が悪いんだけど…
「彩奈ちゃん、取り敢えず落ち着いて聞いて。」
「うん…」
ワタシは応接室机の、脇に立ち、ままの話を聞く。他のみんなはちゃんと座ってるよ。
「緊急招集に応えてくれてありがとぉ…早速本題に入るけど、ガササキ地方に侵略者です。」
侵略者?なんだそれ?悪魔とかぢゃ無く?
「シンリャクシャ?ソレはどぉ云った者ですか?」
疑問を口にしたのはオタオイ公爵だ。
そっか、長い事一国で来ていたから、そんなのは知らないのか!!
「侵略ってのは、いきなり乗り込んで来て、相手を滅ぼしたり、無理矢理言う事を聞かせたり、奴隷にしたらする悪者です。」
オタオイ公爵の言葉に答えたのはワタシだ。
「…その通りです。いま、キサラギ子爵がなんとか喰い止めてはいますが、戦線崩壊も時間の問題でしょぉ…相手は大砲や、銃で武装しているらしいです。」
んな!?大砲に銃だと!?シュウキュウ王国にその類のモノが無いのは、必要が無かった、遠距離攻撃なら魔法が有る。そもそも火薬と云うモノを作って無い。そんな理由で作られなかったんだけど…こりゃぁ一から作る必要性が出て来たか?いや、今から準備してたら間に合わないよ!!とぉする!?
「お母様、たいほぉ?じゅう?とはなんなのでしょぉか?」
と、アヤカが質問する。
「大砲も銃も火薬って云う、爆発する粉を固めたモノを爆発させて、鉄や鉛の弾を打ち出す兵器だよ。あんなモノ、無い方が良いんだけど、侵略者が持って来るとか…」
と、ワタシがアヤカに説明してあげる。
「ソレが脅威になるのですか?」
と、アヤカが聞いて来た。
「充分な脅威ね。目にも止まらぬ速さで小指の先程の鉛玉が飛んで来たら、避けられないし、当たったら一発で戦闘不能、下手したら死ぬもの…」
「そんな…」
アヤカも充分理解した様だ。
「防ぐ手立ては!?」
と、バルコーさんが声を上げる。
「どんな型の銃器か解らないけど、確実なのは撃たれる前に相手を殺害するしか無いですね…」
ワタシの言葉に、その場が静まり返る。
「取り敢えず、軍は全員、騎士団も百は出て貰いたい所ですね。」
と、ままが苦渋の決断をする。
死にに行って欲しい…そんな事を言わないとイケない状況だと云う事だ。
「ワタシは行くよ!!どんな銃器か解らない事には対処方法が解らないでしょ?」
「…そぉね…充分気を付けるのよ?」
「うん!!ワタシもまだ死にたく無いからね!!」
と、ワタシが応えたら、
「トモタ殿、今すぐ軍員全員に招集を!!」
「はっ!!」
と、バルコーさんの指示でパパが走った…三階のままの執務室の窓からそのまま飛び出す…をいをい!?無茶するなぁ…
「アヤナ姫、飛行自動車の準備頼む。」
「任せて!!」
バルコーさんの声にワタシも走った。パパの後を追う様に、窓から飛び出す。
今の時間は丁度昼前、飛行自動車の準備が終わった頃には軍員はほぼ全員集まるだろぉし、騎士団員もそこそこ集まるでしょ。
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お時間がありましたらもう一つの作品「(仮)日本古武術の可能性」も合わせてお読みください。




