滋養強壮!?
猪十頭の群れに突撃されたら普通は逃げますよね?彼女達の感覚おかしいですね!!
「おいおい…熊かよ!?流石にこのメンツでだとキツく無いのか!?」
エレーナさんが少し引き気味に質問して来た。
「ん〜…ワタシ一人でくまさんに出会ったなら別に平気なんだけど、足手纏いご三人居るから…どぉかなぁ?」
ワタシは男性騎士三人を見遣る。
「オレ達、足手纏いなんだと…」
「まぁ、さっきの戦闘を見せられたらそぉだよな…」
「諦めろ…アイリスちゃんから一本でも取れりゃソコソコには強くなるだろ…」
「「「はぁ〜…」」」
って…
「溜め息吐く暇が有ったら少しでも離れて下さい!!命の保証はしかねますよ!!」
「「「はい〜!!」」」
と、男性騎士三人はワタシ達から距離を取った。
彼等も決して弱くは無いんだけど、ココに居る女性達が異常なんどよね…
こっちに来てるくまさんは二匹。なるほど…いのししさんはコイツ等から逃げてたって事かな?
「ユマさん!!ミィちゃん!!ターラさん!!マイさん!!取り敢えず四人でやってみて下さい!!コレも訓練の一つですよ!!」
「「「「はい!!」」」ですにゃ!!」
四人から元気な返事が来て、まず、ユマさんが水玉魔法で一頭を攻撃した。
「よっしゃぁ!!」
攻撃成功に喜んでるけど、
「ユマさん!!気を抜か無いで!!混乱して暴れますよ!!」
ワタシの声に反応して、みんなが退がる。
案の定、水玉攻撃を受けた一頭は、両手をブンブン振り回して、所構わず攻撃し出した。
「うひゃぁ〜!!」
「ぎょえぇ〜!!」
「あぶにゃいにゃぁ〜!!」
ユマさんとマイさんとミィちゃんが逃げ惑ってる中、
「貰ったぁ〜!!」
一人冷静だったターラさんが、水玉魔法で混乱したヤツぢゃ無い方を頭上から、強襲!!
混乱して暴れる仲間に呆気に取られてたくまさんの首筋に剣を突き立てていた!!
「ぶもぉ〜!!」
あ、あれあかんヤツだ…
突き立てた剣は何故か抜けない様で、
「あ…あれ?えっ!?えっ!?えぇ〜!?」
ターラさんに剣を突き立てられたヤツもめちゃくちゃに暴れ出した。
あんなのが二頭も暴れてたら危な過ぎるよ!?
「ターラさん!!離れて!!」
「でも、剣が抜けないよぉ〜!?」
「刺したままで構いません!!とにかく離れて!!」
「解った!!」
と、ターラさんは、くまさんから距離を取る。
その時、土の礫が、剣の刺さった方のくまさんの目に数発が当たる。コレはマイさんの魔法だね!!
そして、その時には、ミィちゃんがくまさんの下に居て、
「うにゃぁ〜!!」
カエル跳びアッパーな感じにサマーソルトキック!?
ソレをモロに喰らったくまさんはそのままよろけて、後ろに倒れ、首筋に刺さっていた剣が、首を貫通した!!
「ぶも?」
と、一頭はソレで仕留められ、もぉ一頭は、呼吸出来ない状態で暴れ、息が保たずに倒れ伏した…
「うにゃぁ〜!?」
あ、ミィちゃんが押し倒されて、お腹までがくまさんの顔に乗っかられてる…
「いやにゃぁ〜!!助けてにゃぁ〜!!姫しゃまぁ〜!!」
って、さっきはカッコ良かったのに…締まらないなぁ…
「へぇ…軍の娘達、めちゃくちゃ強いな…」
「だね…ソレに引き換え…」
エレーナさんの感想にキャシーさんも同意し、そのまま騎士団員達を見遣る。
「仕方無いですよ。騎士団と軍は存在理由に大きな差が有りますし、魔獣を相手にするには、ハンターぢゃ無いとキツい所も有りますから…って、それよりミィちゃんが先ですよ!!」
と、みんなでミィちゃんを救出する。
「うにゃぁ…潰されるかと思ったにゃ…ありがとぉですにゃ。」
ミィちゃんは満面の笑みで、エレーナさんにお礼を言っている。
「な…なぁ…アヤナ…この娘、ウチに置きたいんだけど…」
「ぜったいダメですよ。ミィちゃんはワタシのモノですから!!」
「ソコをなんとか…」
「ムリです!!」
いくらエレーナさんの頼みでもしっかりお断りしないとね!!
こんな可愛い生き物、渡してなるモノか!!
「えと…わたしは、姫しゃまのお側でお仕えするにゃ!!」
って、ワタシの背後に隠れた。やっぱりミィちゃんは可愛いなぁ…アレ?ミィちゃんっていくつなんだ?
「む?仕方無いか…ゴヒに行って、侍女を募集する様に、リキータに言うか…」
「おやめなさい!!」
ごずっ!!
エレーナさんの後頭部に、キャシーさんのチョップが突き刺さる。
「何しやがる!?」
「何もクソも無いでしょ?ユーリちゃんの事忘れてるでしょ?」
「「あっ…」」
ワタシとエレーナさんの声が重なった。
ユーリちゃんと云えば、ワタシにあんな事やこんな事をした忌まわしき美少女だよ!!
そんな娘の居る所に、ミィちゃんみたいな美獣女を持ってったら、飢えた魔獣のおおかみさん達の檻に、可愛いウサギさんを投入する様なモンだよ!!ダメ!!ぜったい!!
「仕方無い…アイツが居る以上諦めるしか無いか…」
「そぉして下さい…そっちの趣味の人が居たら良いですけど…」
「だよな…」
と、この話はココで終わり、くまさん二頭もみんなで血抜きをして、ハンター組合まで引きずって帰る事にした。
王都に入ってからは、みんなの注目の的になっちゃったよ…
そりゃそぉだよね。くまさん二頭にいのししさん二頭…ソレを十二人で引っ張ってるんだもん…
「えと…コレ全部皆さんで?」
「はい。変ですか?」
「変では無いですが…ほぼ無傷ですので…驚いているだけです…」
ハンター組合の受付の人は目を見開き、査定に入った。
ほぼ無傷の魔獣、十二体。こっちとしても予定に無かった収穫だった。
ココで問題が出た。コイツ等の取り分なんだけど、今回は公務中の収穫…騎士団と軍とで揉めないか…その一点なんだけど、
「わ…私達は何もしてませんから…」
騎士団の人達は受け取りを、辞退してるけど、
「運搬作業も立派なお仕事ですよ。多少は受け取って下さいね。」
と、説き伏せた。
「私達は…着いて行っただけだしな?」
「だな。」
と、エレーナさんとキャシーさんも辞退の意向を示したけど、
「男爵夫人と大商会の後継者の奥様に手伝わせていて、何も無しは通りませんから!!」
と、コチラも説き伏せた。
軍、騎士団、鬼姫それぞれの取り分をなんとか、六、二、二で納得して貰う。ついでに、ワタシの在庫も処分する。在庫のが多いのはなんでた?いのししさん三頭、リスさん、二頭、ウサギさん二頭、くまさんなんて六頭も居たのか…まだまだ、小物さんもいっぱい居るけど、今はコレくらいにしとくか…
「そんだけ入れてたら、流石に容量超えるよな…」
「いや、普通に考えて、熊二頭も入らないだろ…」
と、エレーナさんとキャシーさんにツッコまれた。
「姫様…これは流石に多いですよ…」
「そんな事言われても、まだまだ在庫が有りますから…」
と、恐縮しながら言うと、
「そぉですか…解りました。全部査定しますのであちらで出して下さい…」
と、場所を解体場に移動して、魔法の袋が空っぽになるだけ出してあげた。
「どんだけ在庫抱えてたんだよ!?」
「流石アヤナちゃん…って、褒めるとでも思った?アホでしょ!?こんな大量に魔獣狩ってたとか!!」
何故だ?エレーナさんとキャシーさんに怒られたぞ?解せぬ!!って、どこのおにぃちゃんの真似だ!!
「あっ!!あの…くまさんの手ですけど、二つ持って帰りたいんですけど、良いですか?」
「熊の手ですか?」
受け付けのお姉さんに聞かれた。
「うん!!おばぁちゃんとおぢぃちゃんに食べさせてあげるんだよ。」
「熊の手をか?大概捨てる部分だぞ?」
横からエレーナさんが言って来た。
「んな!?ワタシが育った国ぢゃぁ、高級食材でしたよ!?滋養強壮に持って来いらしいですから!!」
と、くまさんの手は持ち帰りを許可され、その日の夕食になってしまった。
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お時間がありましたらもう一つの作品「(仮)日本古武術の可能性」も合わせてお読みください。




