アホ出現!?
新たな評価ありがとぉございます。
「はっはっは、コレが騎士団と軍の合同駐屯地ですか…ふむふむ…粗野な騎士団や軍ですか?ソレならこの程度で十分なのでしょぉな。」
ワタシ達が駐屯して十日余り経った頃、駐屯地に招かれざる客が来た。
その男は、復興中のタハヤ地区に似つかわしく無い、煌びやかな格好をして、ワタシ達の駐屯地を見に来ていた。
「いやいや、全く、坊ちゃんの言う通りで御座いますな!!こんな布切れみたいな家での雑魚寝でしょぉ!!コレではシュウキュウ王国の名折れも甚だしいですねぇ!!」
と、腰巾着さんはモミモミ揉み手をしながらド派手な男の後を歩いている。
ソレを見聞きしていた騎士団員と軍員の顔付きが…あ、コレ、アイツ死ぬな…
「随分な良い様ですな…今の暴言は、女王陛下への暴言と受け取ってよろしいですかな?」
と、派手な男の前に出たのは現近衞騎士団の副団長さんで、名前は…なんだったっけ?準男爵だったと思うけど…あの、中年の男が何者かは解らないけど、態度次第ぢゃ…
「ん?あぁ、そぉだな…こんな荒屋にも劣る程度のモノしか支給出来ない女王などたかが知れると云うモノだな。」
あ…コイツバカだ…完全にままにケンカ売ってるよ…
「良く解った。ソレでお前は何者だ?」
「おぉ、そぉだな。オレはカイゲン・サバール。カイゲン・サバージ伯爵の長男だ。いずれ伯爵家を…いや、シュウキュウ王国を継ぐ者だ!!
なんて言って胸を張っていた…ウソでしょ!?あの礼節の塊みたいなカイゲン伯爵の長男だと!?って事は弟はサバスティールさん!?このタハヤ地区の復興に尽力している!?その兄がコレか!?
と驚いていたら、
「ん?こんな所にそぐわない美少女が居るではないか!!おい、ジアキセ!!あの二人をココに呼んで来い!!」
「はい、坊ちゃん!!」
副団長さんを無視して、ワタシとアヤカを見て、ジアキセ…腰巾着に命令して女性二人…あ、やっぱりワタシとアヤカの前に、ジアキセってヤツが来た…
「おい、貴様等!!サバール坊ちゃんのお眼鏡に適ったぞ!!喜べ!!こんなムサ苦しい所とおさらば出来るぞ!!」
と、ワタシとアヤカに言って来た。
「ん?わたくし達の事ですか?」
「ん?当たり前だ!!こんなムサ苦しい所に、他に見目麗しい女子なぞどこに居る?」
なんて事を言い出した…コイツもバカだな…でも…むふふふふ…面白い事考えたぞ!!
ワタシはアヤカに思い付いた事を耳打ちした。
「…お姉様…トコトンお人が悪いですわ…」
「あら?そぉ言うアヤカこそ、お顔がニヤけてますよ?」
「ゔっ…根っこの部分はお姉様と同じなのかも知れませんわね…」
と話していたら、
「ほら!!何をごちゃごちゃと話しているか!!早く坊ちゃんの所に来ぬか!!」
ジアキセと云う男に促されるままに、ワタシとアヤカはサバールの前に行く。
「おぉ、おぉ!!近くで見ると本当に良い女だ!!喜べ!!オレが飽きるまでは贅沢な暮らしをさせてやるぞ!!」
つまり…コイツが飽きるまでヤリまくられて捨てられる…そぉ云う事か…貴重な若い時期をこんなヤツの為に使うのか?コレはコレで最凶に不幸だな…
「えと…わたくし共はコレでも人妻なのですが…」
「ほぉ?人妻ねぇ…だったらその者共の首を刎ねて貴様等を我が物とするだけだ!!」
うんうん、ワタシ達の立場や旦那がどんな人物かも知らないんだね…
「わたくし達の旦那は軍の元帥と参謀なんですけど…」
「ソレがどぉした!!オレは伯爵になる男だぞ!!オレに逆らう事は国家反逆罪も同じだ!!」
うっわぁ…王女が目の前に居るのに国家反逆罪も無いもんだろ…
「あら?何故貴方みたいな小物に逆らったら国家反逆罪になるのですか?」
「はぁ?今言っただろ!!オレはこの国を継ぐ男だぞ!!オレがシュウキュウ王国そのものなんだぞ!!」
アヤカの言葉に反応しておバカさんは、まくし立てる。
貴族の長男って、こんなんばっかなのか!?旦那の長男もあんなだったし…
「貴方なんかに玉座を譲るつもりは有りませんよ。ま、お姉様が…と、仰るなら喜んで譲りますけど。」
「死んでも言わないよ!!」
思わず素でツッコんぢゃったよ…
「何をワケの解らん事をごちゃごちゃと…貴様等はオレに従っておけは良いんだ!!」
と、おバカさんはワタシ達に手を上げよぉとしたその瞬間、ココまで傍観していた騎士団員と軍員が動いた。
いや、違うな…ずっと、いつでも動ける様に準備していて、今がその時だと判断しただけみたいだね。うん、ソレで良いんだけどね…
ガスっ!!ゴスっ!!ドガっ!!
先陣を切ったのはアイリスちゃんとノナガさんだった、その後、副団長さんや騎士団の面々、軍のみんなもトコトンドツキ出した…イヤイヤ…
「みなさん!!ソレまでです!!お止めなさい!!」
アヤカが声を張り上げると、全員ピタリと止まった。
「アヤカ姫様、よろしいのですか?この場で討ち取っても誰からも…」
「良いのです。ソレよりも、ちゃんとした司法の判断に任せるのです。」
「はっ!!」
アヤカの言葉に副団長さん従い、二人の拘束や、後始末を騎士団が始めた。
「アヤナ姫様、我々は手伝わなくても?」
「はい、手出し無用です。アレは騎士団のお仕事ですよ。ワタシ達のお仕事は命を張って国民を守る事、その一点です。ソレに比べて、騎士団のお仕事は幅が広いのです。騎士団からの要請が有れば動きますが、積極的に手助けをするのは騎士団に対する不敬になりますから。」
と、ワタシはゴンゲンさんに答えた。
アヤカが捕らえられた二人の取り調べをしている。そこにワタシも騎士服を着て同席していた。
アヤカの問いは、彼が言った、自分がシュウキュウ王国そのものだと言い切った事にするモノだ。
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お時間がありましたらもう一つの作品「(仮)日本古武術の可能性」も合わせてお読みください。




