ワタシがやったかな!?
ホントはか弱い女の子。
なぁ〜んか引っ掛かって聞いてみた。
「あのぉ…ソレって山の中の洞窟にいっぱい女の人を連れ込んでた筋肉達磨なヤツ等ですか?」
「ん?お嬢ちゃん、なんか知ってるのか?」
「捕まってた人達と、この村に来たんですよ
…」
「ん!?捕まってた女性達が戻ったのか!?」
「はい…」
おっちゃん近いわ!!
女性達の帰還の情報に喰い付きワタシの肩をガクガクする兵士のおっちゃん。
だから…ムチウチなりそぉなんだけど!?
ワタシのもたらした情報に、兵士もオジ様も驚きを隠せ無い。
兵士は突き出された四人を詰め所に連れて行って、行方不明者名簿で確認して何人か証人を連れて来ると言い出て行った。
オジ様はその間に、ワタシの登録を済ませてくれて、水晶玉みたいなモノに手を置く様に促され、ソレに従うと、何やら金属製の板に光が集まり、その板にワタシの名前が浮かんでいる。
「ソレにキミの身分の保証がある事が書かれている。くれぐれも無くさない様にな?再発行は出来るが、此処まで来ないと本人確認が出来無いから面倒だぞ。」
「はい、解りました。」
「ソレから…コレは少ないが、迷惑料だ。」
何やら銀色の硬貨が二十枚くらいがトレーに載せられていた。
少し戸惑ったが、貰っておく。
どの位の価値か知りたい…
ワタシの登録やなんやとしていたら、さっきの兵士さんがワタシが助けた中でも一番歳上っぽいお姉さんと目が虚ろな女の子を連れて組合に来た。
「この娘さんの証言だと、こっちの反応の無い娘さんが最初からヤツ等に連れ回されていたらしく、ソレが原因でヤツ等の仲間扱いになってたみたいだ。」
女二人が仲間とか聞いたが一人はめっちゃ被害者だったと…
そしてもぉ一人はココのカウンターに居たクソビッチだと…
「で、ソコのお嬢ちゃんに助けられて村に戻って来れたってトコだな。
ソレでお嬢ちゃんにはハンター組合を通して被害者救出分の懸賞金が出るぞ。とは云え、村人の蓄えからだから余り多くは無いがな。」
「ん〜…ソレは、被害者みんなの為に使って欲しいかな?」
「まぁ我等衛士も仕事だから組合に渡すし、組合から渡されたらそのまま村に寄付するといいんぢゃないか?」
「そだね、そぉするよ。」
「ソレで後は…猛超犯党のヤツ等だが…ココで渡された四人の他にこっちに八人来てるらしいが知ら無いか?」
ん?八人!?
アソコでヤっつけたのが八人…
残りの犯罪者が八人…
アレ?
この事件終わってない?
「その残りの八人って…山の中に置いて来たヤツ等かも…」
「「なにぃ!?」」
兵士さんとオジ様の声が重なった。
兵士さんに連れられて来た女性、アイリーさんと云うらしい、そのアイリーさんに連れられて兵士数人とあの洞窟に来た。
洞窟の中の五体の死体は直ぐに回収され、入り口のと合わせて六体。
ワタシの案内に三人が来て二つの死体が回収され、全部で八体。
全部回収完了!!
さて戻りますか…
「しかし…コレをこんな可愛いお嬢ちゃんがやらかしたってのは少々信じられんよなぁ…」
「全くだ、スティレットで刺されてたヤツ等は解るが…ソレ以外の死因も解らんからなぁ。」
「オレは、コレだけの死体を作って平然としてるお嬢ちゃんが怖いけどなぁ…」
みんな好き勝手言ってくれる…
平気なワケないぢゃん!!
半分無意識だったから、なんとかなったんだし!!
ぱぱの教育のたまものだし!!
ワタシ、悪くないもん…
あ…目から汗が…
くすん。
ワタシがこっそり泣いてるのをアイリーさんに見られた!!
ヤダ!!ハズい!!
アイリーさんがワタシに小声で語りかけてくれた。
「彩奈ちゃんどぉしたの?」
すんごい優しい声だ。
癒された。
「なんか兵士さん達の話のワタシって…」
あ…声が詰まって…
ぽろぽろ涙が溢れて来た。
「すみませぇん!!彩奈ちゃん、ちょっと疲れたみたいだから少し休んで戻ります!!ハンター組合で待ってて下さい!!」
アイリーさん気が効くなぁ…
ワタシはアイリーさんにしがみ付いた。
兵士達は、ソレならリヤカーに…とか言い出した。
死体と一緒に運ばれるとかイヤだから!!
兵士達が見えなくなって気が抜けて上を向いて、わんわん泣いた。涙も拭かず、何が悲しいのか解らない。
一番はぱぱが居ないのが寂しいし、怖い。
でもやっぱり殺人を犯した事が大きいだろぉ…
緊張の糸が解れて一気に感情が爆発したんだろぉ。
なにも出来ずに泣きじゃくるワタシをアイリーさんは優しく、ソレでいて力強く抱きしめ、ワタシは一人ぢゃ無いと表現してくれている様だった。ワタシが男だったら間違いなく惚れてる!!だんげん!!
暫く泣いて、泣き疲れアイリーさんにしがみ付いた。
彼女は優しくワタシの頭を撫でてくれる。
「落ち着いたかな?」
優しくワタシの涙を拭きながらアイリーさんはワタシに聞いて来た。
「なんか気を使って貰って…」
こんな時は「ごめんなさい」より…
「アイリーさん、ありがとう!!」
なんか言って恥ずかしくなって顔を見られない様にアイリーさんの大きな胸に顔を埋めた。
男達の気持ちが解った。
コレが母性なのか?
なんか安心する。
ひとしきり泣いてなんかスッキリしてアイリーさんに微笑んだ。にぱっ!!
アイリーさんもニッコリ微笑んでワタシと手を繋いで歩いてくれた。
ままやお姉ちゃんが居ないワタシにとって初めての体験だった。
何かぱぱとは違う守られ方で、だけど凄く安心して、全てを任せてしまった。
アイリーさんの為ならワタシは悪魔になれる!!
アイリーさんが悪の親玉でワタシを利用しようとか考えてても、ワタシは着いて行きまっせ!!
アイリーさんは涙のワケも何も聞かず一緒に村まで帰ってくれた。
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