紙の製作!?
本好きの…!?いやいや!!アソコまで詳しくありませんから!!オレも彩奈も!!
困った…ホントに困った…トイレットペーパーは有る…ソレなのに、コピー用紙みたいな紙が無い!!
紙と云えば羊皮紙みたいな…って見た事無いけど、魔獣の皮を薄く鞣したモノを使ってるって事に気付いたよ…ハウピンの紙幣もこんなだったよね?
「出来ました!!こんな感じで如何ですか!?」
ズリナ・ドークさんが提出して来たのは黒い少しドロリとしたモノ…インクのつもりかな?
「どれどれ…」
ワタシは木切れに吸わせて羊皮紙に線を引く、すると、すぐに乾いて、少し浮き上がった感じになる。
ソレを水に晒してみたら、溶けない!?ゴシゴシしたら剥がらるけど、水には溶けない!!剥がれた場所にはしつこいくらいに黒い線が残ってる!?
「少しクドいですね。もぉ少しサラサラした感じに作れませんか?薄めるとか…」
「はい、解りました!!」
と、良い返事をして、作業に戻って行った。
ワタシはこの世界のトイレットペーパーの原料を調べた。パルプ材かと思ったら、背の高い草だった。コレを煮立たせて砕いて、透いて出来る感じみたい…
何故かこの工程は機械式で作られていた。少し厚いかなって感じだけど、一枚で拭けるから楽なんだよね。キッチンペーパーとしても使える優れ物!!
でも普通に紙としては使えないか…ワタシはトイレットペーパーに樹液鋼を染み込ませて乾燥させてみる。ココでドライヤーが活躍するとは…
出来た紙はコピー用紙程度の硬さになる。水は…染み込まない。
後はインクとの相性かな?
「会長、こんな感じで如何ですか?」
と、ズリナ・ドークさんが提出して来たのはサラサラした黒い液体。
ワタシはソレで、実験した紙に線を幾つか引いてみた。
馴染みは無く、すぐに乾いた。さっきみたいな盛り上がりも無く、水に漬けても滲まない…
なんて事でしょぉ!!ホンの小一時間もしない内に、紙とインクが出来上がっちゃった…
ワタシは、この樹液鋼の紙をトイレットペーパーを作ってる商会に持って行く事にした。
ソコは、前に素通りした、ザキヤミ地方の村だった…
その一角に村には似つかわしく無い結構大きな建物が…
多分ココがそぉだな。
「こんにちはぁ〜!!」
ワタシは大きな声で挨拶をして中に入った。
左側に受付っぽい所が有り、声をかけられる。
「こんにちは。元気の良いお嬢さん、どんな御用ですか?」
「はい、ワタシは王都で、桐生技術研究所と云う商会を営んで居ます、桐生彩奈と申します。」
「まぁ、もしかしてあの[どらいやぁ]を製造している?」
「あ、はい。ご存知でしたか?」
「はい、ザキヤミ商会で販売されてますから。そんな商会の会長様がどんな御用ですか?取引出来るモノは無いかと思いますが…」
「そんな事ありませんよ。紙を作って欲しいんです。」
「はい?」
「ワタシの必要な大きさの紙が欲しいんです。」
「大きさ…ですか?数量的にはどのくらいになりますか?」
「数千万枚は必要になるかと…」
「…数千万枚ですか!?」
「はい。」
「少々お待ち下さい!!会長に相談します!!」
受け付けのお姉さんは、枚数を聞いて大慌てで奥に消えて行った。
数分後、
「桐生彩奈様!!会長がお会いになるそぉですので、どぉぞこちらに!!」
「はぁい。」
と、お姉さんに着いて行くと、三階か…ま、この大きさの建物ならね。
そして会長室と書かれたプレートの有る扉をお姉さんが、こんこんこん、と叩き、扉を開けてワタシに入る様に促す。
「失礼しますわ。」
少し上品に声をかける。
「よくぞいらして下さいました。どぉぞこちらにおかけ下さい。現在最強のハンター殿。」
なんて会長さんが言うから、
「えっ!?」
って、お姉さんが疑いの眼差しでワタシを見る。
「リーシャは仕事に戻って下さい。」
「あ、は、はい!!」
あ、お姉さんってリーシャさんって云うんだ。
そのリーシャさんが去ってワタシは中に入り、扉を閉めた。
「よぉこそ、ザキヤミ製紙場へ、第一王女アヤナ殿下。どぉぞおかけ下さい。」
「お言葉に甘えますわ。」
しっかり情報は掴んでるみたいだね。流石一流ってトコか…
「その事は秘密にお願い致しますわ。」
「はい、解ってますよ。…と、さて早速ですが商売の話をしましょう。数千万枚の大きさ指定の紙が必要との事ですが…」
「はい、但し、今こちらで作っている紙とは少々違う感じなのですが…」
「はい…」
ワタシは大学ノートくらいの大きさを示した。
「もしかして、特別な加工とかも必要で?」
「そぉですね…しかし、ソコはワタシの方で行いますよ。」
「門外漢には教えられないと?」
「いいえ、その内金貨や銀貨の取引が無くなり、紙のお金が出来ます。そぉなった時、その製法を知る人はなるべく少なくしておきたいのです。」
「なるほど…国家事業にも関わって来ると言う事ですね?」
「はい。その可能性が有る…その程度の話ですけどね…」
「解りました。お引き受け致しましょぉ!!」
「ありがとうございます。」
ワタシはお礼を言ったけど、
「お礼は要りません、コレは取り引き…商売ですので。」
「解りました。専用の装置はワタシ達で作ります。ですので、紙の整形部分、そこだけ設計して下さい。それだけで作れるとおもいます。」
「ほぉ…ソレは心強い…ですが、ソコはこちらも秘密の技術が有りますから…」
「解りました。でしたらその分の費用はわたくしに出させて下さいまし。」
「なるほど…解りました。費用のみ受け取りましょぉ…」
ワタシ達はがっしり握手をして、また後日、会う事を約束して別れた。
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お時間がありましたらもう一つの作品「(仮)日本古武術の可能性」も合わせてお読みください。




