牢屋の出来事!?
牢屋に入れられる王女様っていったい…
新たなブックマークありがとぉございます。
叔父様が出て行ってから一時間くらい経った頃、詰所内が俄かにざわめき出した。
「…………下、この様な所に入ってはなりません!!悪人しか居ませんので!!」
と、誰かを押し留める声が響いて来た。
「お退きなさい!!この先に私が用があるのです!!」
と、引く気の無い女性の声が…って言うかままの声がする。
「早く鍵を開けてくれないかな?」
と、ぱぱの声も…二人で公務放ったらかして来てくれたんだ…どんだけ二人して親バカなんだ!?
ガチャリ…
牢屋に、続く扉の鍵の開く金属音が響き、
「彩奈ちゃん!!彩奈ちゃんどこですか!!」
と、ままの慌てた声が響く。
「お迎えが来たみたいなので、鍵を開けて頂けますか?」
と、女性衛士に言うと、
「えっ!?お迎えが?そんなワケ無いでしょ?ソレに鍵を開けたら何をするか解らない人を解き放つワケには行かないわよ!!」
お堅いなぁ…でもそこが益々気に入ったよ!!
「そぉですか…そぉですね。良かったら貴女のお名前を教えて頂けますか?」
「私?バーク・アイナですが?」
「そぉですか…解りました。そのお名前忘れませんわ。」
と、話していても、ワタシにままは気付いていない。でも、ワタシを探しているままとぱぱの声は聞こえて来ている。
「では、バーク・アイナさん、わたくしの名前を叫んでいる方々を案内して頂けますか?」
「えっ?あの声の主があなたを探してるの?」
「はい。他に彩奈って人がココに居ないならわたくしを探しておりますわ。」
と伝えたけど、
「私が目を離した瞬間に脱獄とかするつもりぢゃ無いの?」
「そんなつもりがあるのでしたら最初から着いては来ておりませんわ。」
「解ん無いわよ?脱獄して私を困らせるつもりかも…伯爵の配下の人に暴力を振るう様な人だもの…」
うん、そぉ言われると反論出来ないけど…
「では、わたくしが大声を出しますがよろしいですか?」
と、問えば、
「いいわ。声を出すぐらいは自由ですから…」
「ありがとぉございます。」
許可が出たんだから、遠慮は要らないよね?
「おかぁさまぁ〜!!おとぉさまぁ〜こちらですわぁ〜!!」
と、有らん限りの大声を出して、ままとぱぱを呼んだ。
「自分で許可しててなんだけど、スゴく大きな声ね…」
「はい、鍛えておりますから。」
と、にこやかに答えてあげる。
と、その時、
「彩奈ちゃん!?彩奈ちゃんなのね!?この奥よ!!早く鍵をお開けなさい!!」
「しかし…この奥は貴族やソレに連なる方々に害を及ぼした政治犯や凶悪犯の労でして…」
「しのごの言わないで早くお開けなさい!!私の彩奈ちゃんが居るのよ!!」
いや、ワタシは既に貴女の手を離れて、ジウリア・タキリーの手垢着きまくり、ちん垢着きまくりなんですけどね?
多分ままは鬼の形相をしてるんだろなぁ…
「所長、早く開けてくれないかな?大事な娘なんだ。」
「は…はい…どぉなっても知りませんよ?」
所長と言われた人がそぉ答えたあと、かちゃりと金属音が鳴り、ままが高価そぉなドレスを着たまま、ワタシの所に駆けて来る。
「彩奈ちゃん!!彩奈ちゃんドコなの!?」
と、声をかけられ、ワタシも答えてあげる。
「お母様!!お父様!!ココですわ。」
今度はちゃんと声量を抑えて声を出す。
「彩奈ちゃん!!あぁ…彩奈ちゃん…なんてみすぼらしい所に…」
って、座り込んで泣き始めた。
「お母様、お気を病まないで下さいまし、わたくしが身分を明かさなかったのも原因の一つですから…とは云いましても、ギスギス商会の後ろ盾がキチット伯爵だったと云うのも原因の一つでは有りますが…わたくしに毒を盛って来られましたし、言い逃れはさせませんわ。」
「うん、うん、彩奈ちゃんの好きになさいな。」
と、泣き崩れているままを、ワタシは牢屋越しに抱き締める。
「バーク・アイナさん、扉を開けて頂いてよろしいですか?お迎えが参りましたので、帰らねばなりませんの。」
いきなりのワケの解らない展開に、バーク・アイナさんは、
「あ…いや…しかし…そちらの方がどなたか解りませんので…私には…その…ソレにこの件の裁判もまだですので…」
堅い!!どんだけ堅牢な城塞なんだこの人は!?
「だったらこの場で簡易裁判をしよぉでは無いですかな?」
と、なんで?なんでゴヒ・リオン辺境伯閣下が!?
「えっ!?まさか!?ゴヒ・リオン辺境伯閣下!?」
って、バーク・アイナさんが驚いている。
「あの…何故ゴヒ・リオン辺境伯閣下がこちらに?」
ワタシの問いに、ゴヒ・リオン辺境伯閣下は、
「なに、その二人が城を出るのを見かけてな、理由を聞いたらキリュウ・アヤナが暴行の容疑で逮捕されたと聞いてな…ソレで出向いたのだよ。」
と、説明してくれた。なら、ココで取る選択は…
「解りました。存分にお裁き下さいませ。」
の一択しかないよね?
「ハンターにして、キリュウ技術研究所商会長、キリュウ・アヤナを正当防衛と見做し、無罪とする。即刻解き放て。」
「はっ!!」
と、ゴヒ・リオン辺境伯閣下の裁きでワタシは無罪になった。
お偉いさんとのコネはあるに越した事は無いよね。
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お時間がありましたらもう一つの作品「(仮)日本古武術の可能性」も合わせてお読みください。




