売り込み!?
たった三日で量産化が可能になるとか…
フィクションのなせる力技ですね。
「おぉ〜!!たった三日でこんな量産化出来るとは!!皆さん魔法使いですか!?」
ワタシはドライヤーの外側やスライドスイッチや三枚羽や回転魔具までもが完璧に出来上がっている。あとはソレを手作業で組み立てるだけ…
こんなあっさり機械化とか…コイツ等まぢで優秀なんだねぇ…
「コレは回転魔具の改造機だよね?中身はどぉなってるの?」
ワタシの質問にリナゲ・シハラクさんは、
「さぁ?そんなの作った本人しか解りませんよ…回転魔具がどんな仕組みで動いてるのかすら知りませんしね…」
ってあっさり答えられた。
材料の粘土が入って、ガチャガチャと音がして、出て来たら、真ん中に四角い穴の空いたボールベアリング見たいなのが出て来て、ソレに魔法力を流すと、外側と内側が逆方向に回転するんだもん…すごいよねぇ…
「作った本人…もしかして、ハルノちゃんが作ったの?」
「はい、会長が量産化を念頭に入れてるからって…」
「そぉなんだ…」
うん、コレは天才にしか出来ない所業だね!!ココまで秘密主義で作るとは…
そっか!!この魔具作りの基礎講座だけでも受けて見たら色々出来ないかなぁ?色んなモノを組み合わせて複雑な家電品が作れたり…やってみる価値はあるよね?
「ねぇ、シハラクさん、回転魔具ぢゃ無いにしろ、コレの作り方の基礎って…知りたく無い?」
「めっちゃ知りたいです。」
「だよねぇ…よし!!ハルノちゃんに色々教えて貰おぉ!!明日朝一で押しかけよぉ!!」
と、ワタシが言うと、
「「「「「おぉ〜!!」」」」」
って変態技術者達が大声で賛同しやがった…いや…流石にみんなでは行かないよ?
「ちょっと!!みんなは行かないよ!?」
ワタシの言葉にみんな明らかに落胆した。
「今みんなでやってるドライヤーの工場候補地や量産人員ヲ確保しなきゃだもん!!ココでの生産も進めなきゃだし、する事はいっぱいあるんだよ?ワタシもする事あるから、明日押しかけるのは講義の了承を貰う為だよ?」
「「「「「えぇ〜!?」」」」」
みんなぶぅ〜ぶぅ〜ぶぅ〜言い出した…全くこやつ等は…
「ぶぅぶぅ言わないの!!ちゃきちゃき働けぇ!!」
って事で、まずは工場予定地探しに半数を割き、残りは生産をして貰う。
他所に技術提供だけして…ってのも考えたけど、ソレだと売値が高くなるからね。ソレに、日本で使ってたドライヤーみたいに色んな機能は排除して風が出るだけのモノだから安価で良いのだ!!
取り敢えず、ワタシは原価と工場で一日何個作れて、人件費がいくら、工場の土地や建物の値段とか考えて、ギリギリ儲けが出る金額を算出する。
ま、銀貨で一枚くらいが妥当な感じかな?五万個売れたらトントンだね。
と、ワタシはザキヤミ商会に本商品を持ち込んでプレゼンをする事にした。その後にギスギス商会にも行くんだけどね。
「ほぉ?コレがこの前話していた魔具ですか…」
「うん、ドライヤーって言うんだけど…どぉかな?」
「使ってみても?」
「もちろん!!」
と、許可を出したら風が出るのを確認して、自分の顔に当ててみる。
重さもそんなに無いし、大丈夫だと思うんだけどなぁ…
「一度髪を濡らしてからやってみましょぉ。」
って、ヅカーセンさんは自分の髪を水の魔法で濡らして、試し出した。
「ちょっ!!流石にそんな濡れたまま使っちゃダメですよ!!ちゃんと水気は拭き取ってからですって…」
ワタシの反応に、
「えっ!?あ…はい…」
って、水が滴ってる状態からぢゃね…ペタって張り付いたまんま使おぉとするし…
「ソレぢゃ効果は半減以下ですよ!!仕方無い。ワタシがしてあげます!!」
と、ワタシはドライヤーを分捕り、乾かしてあげる。
「こぉやって少しずつですねぇ…使い方を間違うと無意味になりますから…」
「なるほど…」
乾かす事数分、
「ほら乾きましたよ。」
と、ワタシが言うと、ヅカーセンさんは自らの頭を触って、
「おぉ〜…ホントに乾いてる!!これはまた…なんと云うか…素晴らしい!!朝の寝癖を取って、乾く間もなく油を着ける事が無くなりますぞ!!是非私共と契約を!!」
「いや…ギスギス商会にも売り込みますんで…ザキヤミ商会さんはツハイダ商会さんの無い地域でお願いします…」
「ふむ…解りました。その様に致しましょぉ…」
「その代わり、ザキヤミ商会にはギスギス商会より安価で卸しますから。」
「解りました。ではその様に…」
その後、二人でギスギス商会に行く。
「こんにちはぁ!!」
「いらっしゃいませ、本日は何をお探しでしょうか?」
と、女性店員さんが出て来た。メイド服かぁ…お城や旦那の家のとはまた違った感じだね。今のワタシは薄い青のヒラヒラのミニスカートに、白の半袖ワイシャツだからその差ははっきり出てる。
「商会長さんにお会いしたいんですけど…」
ワタシが応えると、
「御約束は御座いますか?」
って聞かれる。ま、そりゃそぉだよね。こんな美少女がいきなり商会長に会わせろとか…はい解りました!!は無いか…
「会っておかないと後悔する事になりますよ?」
ワタシが黙ってたら、ヅカーセンさんが横から声をかけてくれる。
「失礼ですが、貴方様は?」
と、女性店員さんに聞かれ、
「ザキヤミ商会のヅカーセンと申します。リキャー殿は居られるのかな?」
ザキヤミ商会と聞いて女性店員さんの目付きが変わった。
ま、そぉだよね。ザキヤミ商会はこの一年内で、おぱんつ・パイ包み・ミニスカートのヒット商品で急成長した商会だ。価格帯もかなりお安く提供しているから尚の事良い。そんな商会の会長さんが、会わないと損をすると言い切った相手だ。答えは当然…
「お引き取り下さい。当商会はドコの馬の骨とも知らない者との取り引きは致しませんので…」
…あれぇ?おかしいぞぉ?なんでこぉなるぅ?
「本気ですかな?」
「はい、そんな小娘と取り引きしたとあっては当商会の看板に傷が付くどころか壊されてしまう恐れがありますので…」
ヅカーセンさんがチャンスを上げたにも関わらず一刀両断しやがった!?まぢかよ!?
「解りました。二度とお目にかかる事も無いでしょぉ…失礼します。」
ワタシはそぉ言うと踵を返してギスギス商会を後にした。
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お時間がありましたらもう一つの作品「(仮)日本古武術の可能性」も合わせてお読みください。




