わがまま!?
なんとか更新が戻って来ました。
午前中いっぱい、旦那に甘えまくり、お仕事の邪魔をしてしまった罪悪感を抱えていたら、
「まぁ、なんだ、ワシもアヤナと似た様なモンだ。ある意味では助かった。ありがとぉ。」
って、なんだよ?ワタシと似た様なモンって…
ワタシがキョトンとしていると、
「仲間の死と云うモノが初めてでな、少しヘコんでたんだ…皆には内緒だぞ?」
って、いたずらっぽくウインクしながら笑顔を見せてくれた。多分コレは半分以上ウソだ。ワタシを気遣ってくれてるってワタシには解ってるんだからね!!でも気付かないフリをするのも妻の務めだよね。
「うん。」
と、ほっぺにちうをする。
その日の午後、軍員のみんなが集まった。
ワタシは王女としてソコに居る。
元ハンターだけあって、仲間の死を身近に感じていたからか、ワタシみたいに心が乱れたなんて人は居ない様に見える。ワタシも見習わなきゃね…仲間の死と云う覚悟、自分も命懸けなんだって云う覚悟…その二つをしっかり持たなきゃ…
「…と、云うワケで、まだまだ軍としての仕事は残っている。我々の存在意義は、悪魔や魔神に対抗しうる隊である事だ。今回の戦闘を胸に今後も励んで貰いたい!!」
「「「「「はい!!」」」」」
と、バルコーさんが言うと、力強く頼り甲斐のある声が響く。なんか安心出来て嬉しくなる。
「次に、第一王女殿下からのお言葉がある。」
と、旦那に挨拶を要求される。
ワタシは中央に来てみんなを見廻し、
「取り敢えず、楽な体勢を取って下さい。」
そぉ言って、みんなに楽な体勢を取って貰う。
「この度のみなさんの働き、国を代表して御礼申し上げます。そして、亡くなられた方々の事、この胸に刻み、感謝を忘れず、また今、ここに居るみなさんの今後の活躍と無事をお祈り致します。」
と、教官では無く王女として挨拶した。
みんな黙ってしまった…やっちゃった!?
って思った瞬間拍手が鳴り始めた。
ワタシは一礼して中央から退いた。
そんな感じで、軍員との遣り取りは終わり、全員で雑談が始まった。
ワタシはソコに混ざりたい気持ちを抑えて、自分の部屋に戻った。ワタシは部屋に置かれているインクと軍服の下に巻いているサラシに亡くなった二十二人の名前を書いていった。
一人一人の名前と顔を思い出しながら、涙を我慢して書き上げる。
書き上げてからワタシは天を仰ぎ泣き出した。ワタシがもっと強かったら…いや、違う!!もっとみんなを鍛えられてたら…いや、コレも違う!!みんなもぉ人としての殻を破ってる!!どぉする!?
「よし!!コレで行こぉ!!」
ワタシは今後の方針を決めて、旦那に相談すべく軍服に身を包み旦那の執務室に行く。丁度その時、こんこんこんと扉が叩かれた。誰だろ?
がちゃりと扉を開けたらアヤカとアヤネが居た。
「二人共どぉしたの?」
 
ワタシは問いかけたけど、軍服姿のワタシを見てアヤカが表情を引き締めたのが解った。
「お姉様、お話があります。」
お姉様!?何かあったのかな?
「どぉしたの?中に入って話そ。」
ワタシは二人を部屋に招き入れた。
椅子に座るなりアヤカは口を開いた。
「お姉様にお願いが有ります。」
「うん、アヤカのお願いなら…」
「はい、もぉ軍には関わらないで下さい!!」
なんですとぉ!?
「最悪、現地には行かないで欲しいんです!!」
って、なんでだ!?
「いきなりどぉしたの!?」
「だって…昨日のお姉様かなり追い詰められた感じがしたのでお母様にお話を伺ったのです。そぉしたら二十二人もお亡くなりになり、お姉様も大怪我をされたそぉぢゃ無いですか!!」
アヤカは普段からは想像出来ない程に声を荒げてワタシに怒鳴っている。その剣幕にか声にかアヤネが縮み上がって、今にも泣き出しそぉだ。
「アヤカ、言いたい事は解ったけど、少し落ち着こぉか。アヤネが怖がってるわよ。」
ワタシの言葉に、アヤカは少し落ち着いた…
「アヤカの言いたい事は良く解るわ。ワタシも逆の立場だったら同じ事を言うかも知れない…でもコレだけは解って欲しい…ワタシが前線に出るのは…」
「出るのは?」
「ワタシの大切な人を守る為なんだよ?」
「大切な人って誰ですか!!ジウリア卿ですか!?ユマお姉様ですか!?」
ワタシは首を横に振り、否定する。
「違うわ。少なくとも軍として行動している以上、二人も死ぬ事が有っても不思議ぢゃ無いわよ。勿論ワタシを含めてね。」
「だったら…だったら尚更…」
「ワタシが守りたい人はトモタ家のお母様やアイリー殿、ノコヤミ村でお世話になった人達…ソレと、…オタオイ公爵夫妻に大公夫妻、お母様とお父様、最悪、可愛い妹達だけは絶対に守り通したい…その為の選択肢で一番確実なのが前線で戦う事なの…」
「そんなの私達は望んでません!!ずっと側に居て欲しいのです!!」
「そぉね…ワタシもずっと側に居たい…最悪、アヤカの魔法とワタシとアイリスちゃんが協力すればなんとかなる事の方が多いわ。」
「でしたら…でしたら側に居て下さい!!」
「ソレはダメなの…今回魔神と戦って解ったの…もしアレが来たら、アヤカとアヤネを守り通せない…アヤカとアヤネには辛い事を押し付けるけど、前線でアレを叩くのが一番だって気付いた…アヤカ…理性では解ってると思うけど、ワタシも王族の一人なの。王族が我関せずって事はしちゃいけないの。幸いかどぉかわ解ん無いけど、ワタシが最悪死んだとしても、ワタシは女王になる気も無いし、十何年も居なかった王女だから、国としての損失も最小限で済むわ。」
「そんな…」
「ソレが事実よ。とは云え、ワタシも死ぬつもりなんて毛頭無いわよ?出来れば子供も産みたいし、アヤカ女王の助けにもなりたいんだから!!」
「ならば…」
「だからこそワタシは王女として、次期女王の姉として前線に赴く義務が有るの。アヤカとアヤネの気持ちは解るけどね…ソコを踏み越えて行かなきゃならない…ソレがこれまでこの国に居なかったワタシの責務なの。」
アヤカはココまで話を聞いて堪らずに泣き出している。ソレに釣られてか、アヤネも泣いている。この涙を無視して部屋を出るなんてワタシには出来なかった。二人を抱き締め、
「ワタシも本心ぢゃ人が沢山死ぬ前線になんて出たく無い…でも、ワタシにはその選択肢が選べないの…二人に寂しい思いばかりさせてごめんね。」
アヤカと話す事に因り、ワタシは改めて、自分の事しか考えて無かったわがままな姉だったのだと気付かされた。
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お時間がありましたらもう一つの作品「(仮)日本古武術の可能性」も合わせてお読みください。
 




