おじぃちゃんの二回目!?
すんなり終われば云う事無しですが…
辺りに立ち込めていたイヤな気配は全て石の下に収まった。
「おじぃちゃん、今のは?」
「うむ、九字封印と呼ばれる、ま…一種のおまじないなんぢゃがな…気休め程度に考えていたが、こんな風になるんぢゃのぉ…」
内心驚いてたのか…おまじないって事は…
ワタシは小声で語りかけた。
「ただの気休めだったのにこんなになって内心驚いてる?」
「みんなには秘密ぢゃぞ?」
驚いてたのにドヤるとか…このペテン師め…
ま、何はともあれ収まったのかな?
ワタシ達はその場を後にしよぉと踵を返した瞬間、さっきまでの静かさがウソの様に辺りにあのイヤな気配が立ち込める。
「くははははははぁ〜!!自由だぁ!!やっと自由になったぞぉ!!」
イヤな声が聞こえて振り返ると、そこには…
「んな!?なんと悍ましい姿だ…」
バルコーさんが呟いた。
ソレもそのハズ、身長二メートルくらい…四バラン程の大男…男で良いよね?頭からは角が二本生え、顔は烏?背中には大きな翼が生えていて、身体は修験者みたいな格好だけど、筋骨隆々なのが見て取れ、足は顔と同様鳥の足っぽい…
「鬼と鴉天狗の混血!?」
ワタシは知り得る知識からそんな感じか?ってのを絞り出した。
「ん?あぁ…この姿か?そぉさな…どぉとでも呼ぶが良い。ワシを呼び出した者共は魔神様と崇めておったがの。」
なんだとぉ!?魔神だと!?そんなの…ウソでしょ…ヤダヤダヤダ!!こんなのヤダよ!!
ワタシは四つん這いの挫折ポーズになり、
「もっとカッコ良い外見で居て欲しかった…」
と、本音がポロっとこぼれ落ちた。
「んな!?なんだとぉ!?」
烏に角を生やした顔を赤く…黒い羽毛で覆われてるから解んないけど、魔神は激昂してるみたいだね。
「いや…まぁ確かにカッコ良いかと問われれば否定したい気持ちも解らんぢゃ無いが…ソレでも言って良い事と悪い事が有るだろ…」
と、旦那は呆れながらワタシに注意して来た。
「うん…そぉだね。あの人も好き好んであんな姿に産まれたワケぢゃ無いしね。」
「そぉだぞ。彼に謝れよ…」
バルコーさんに言われ、
「あの…魔神さん、もっとカッコ良い外見で居て欲しかったとか言ってごめんなさい。」
ワタシは挫折ポーズのまま謝罪をしたので、土下座してる様にしか見えない。
「えっ!?あ…いやまぁ…うん、でも故郷ぢゃコレが普通だったし…」
と、魔神も毒気が抜かれたのか多少覇気が薄くなる。
あれ?ちょっと待って?見た目に騙されてたけど…
「ねぇ、呼び出されたって言ってたけど、誰に呼び出されたの?」
「ん?あぁ、お前等に角と翼を付けた様なヤツ等だったが?」
おやぁ?ソレって…
「このお城に居たヤツ等?」
「そぉだぞ。酒に酔ってた時にココに飛ばされた感じでな、その時に焼き印を捺されて…ヤツ等の支配下に置かれたんだよなぁ…まぁ、ワシに命令出来たのは王って呼ばれてたヤツだけだったからな…うむ…今も縛られてる感じは有るな…」
縛られてる感じだけで、完全には縛られては無いって事か…
「で、目覚めた貴方はどぉするつもり?」
「さてなぁ…ヤツ等に言われてたのは自分達以外の知恵ある者共を滅ぼしてくれと言っておったからソレを実行するかの…」
「でも、その命令を出したヤツは死んでるよ?」
「そぉか…ならワシを永い間封じていたヤツでも殺しに行くか?」
「その人も死んぢゃってるよ?」
「なに!?ソレは本当か?」
「うん、ワタシ達は千年も生きらんないもん…」
「ならソイツの子孫は!?」
「居ないよ?」
「そぉか…居たら根絶やしにしたかったが…まぁ良いか…取り敢えず…同族っぽいお前等から死んどけ!!」
どん!!ってあのイヤな気配が爆発する。
勘弁してよ!!なんで殺す方向に行くかなぁ…
でも相手は武器らしいモノは持って無い!!ヤるなら…
さくっ…
魔神のお腹から紅い刀身が生えて来た。もしかしてあの長さは紅葉ちゃん!?
「話に夢中になり過ぎぢゃて。彩奈、素晴らしい言の葉の術ぢゃったぞ。」
しゅん!!と紅葉ちゃんを引き抜き、おじぃちゃんが吹っ飛ばされる!?
「ははははは!!よもやワシを謀るヤツがおったとはな!!ワシを話に集中させ、仲間が不意討ちか!!なかなかどぉして…普通なら今のでヤれてただろぉがなぁ!!狙うなら首を落とすべきぢゃったな!!ま、ワシの羽毛を斬れればの話だがな!!」
魔神はおじぃちゃんにトドメを刺しに行く為にワタシ達に背を向けた!!その瞬間、ワタシは宿地で一気に近付き、その首を…
がいん!!
って、弾くのか!?
と、ワタシが驚いてる間に魔神はおじぃちゃんに迫る!!
「くっ!!」
ワタシぢゃ間に合わないか!!
ぼふっ…
魔神の腕がおじぃちゃんを貫通!?
「おじぃちゃん!!」
ウソでしょ!?おじぃちゃんを二回も見送るの!?即死ぢゃ無いならワタシの回復魔法で…
「ふん、歯応えの無いじじぃだな…柔過ぎだ…」
「こんにゃろぉ〜!!」
刀は無意味!!
ワタシは茜ちゃんを捨て、砂を一掴み取る。
ワタシに振り向いた魔神の懐に潜り込む。
「むっ!?」
一瞬魔神は怯む。その瞬間を見逃さず左膝で金的を討つ!!けど、感触が無い!?でも知った事か!!
ワタシは左手を魔神に押し当て左足を踏み込むと同時に未熟なりに[通鎧]を放つ!!
「がふっ!?」
多少なりともダメージを与えられたか!?
そのまま体当たりして、魔神を横にずらしておじぃちゃんの下に行く。
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お時間がありましたらもう一つの作品「(仮)日本古武術の可能性」も合わせてお読みください。




