涙の対面!?
泣き疲れて寝てたアヤカは数日間引き篭もりになってました。
「アヤカ、入るわよ?」
ワタシは扉をこんこんこんと叩いた後、中に居る引き篭もりに声をかける。
「おねぇちゃん?」
「そぉだよ。」
「はい、良いですよ…」
中に入って最初に感じたのは、暗いだった。アヤカはカーテンも閉じて、真っ暗な部屋で落ち込みまくってたんだなぁ…
「…うん、まずはカーテン開けて、窓も開けて空気の入れ替えが大事だね!!大事なお話はそのあとだよ!!」
と、力のない眼をしてるアヤカに有無を言わさずに実行した。
「あのねアヤカ…アヤカが落ち込んでる原因なんだけど…落ち込む必要は無かったみたいだよ?」
「…えっ!?」
あっ、少し眼に力が戻った!!
「アヤカのおばぁちゃんとおぢぃちゃんなんだけど…ホントのおばぁちゃんとおぢぃちゃんが生きてたの…ん〜…ソレも違うな…取り敢えず、本物のおばぁちゃんとおぢぃちゃんに会いに行こぉ!!」
「えっ!?えっ!?えっ!?」
「あ!!おばぁちゃんとおぢぃちゃんの前では彩奈って呼び捨てで呼んでね?こんな格好してるんだから。」
「あ…はい…」
アヤカはワケも解らず頷いて、ワタシに引っ張られるままに、途中、アヤネとアイリスちゃんとキキョーちゃんを拾って医務室に行く。
こんこんこん
「はい、どなたですかぁ?」
って出て来たのはミルキーさん、ワタシ達を見て、察してくれた様で、
「大公閣下、お孫様方がお見えですよ。女王陛下のお嬢様になります。一人は村を滅ぼされ身寄りが無くなり女王陛下が養女として迎えられた方です。」
「あらあらそぉなのね。皆さんお名前は?」
と、おばぁちゃんの方にみんな行ってワイワイしだしたのでワタシはおぢぃちゃんの方に行き、
「はいどぉぞ、お水です、ゆっくり飲んでくださいね。」
と、水差しを差し出す。
「お、コレはすまないね。」
おぢぃちゃんは孫達を見詰めて…少し疎外感を感じてないかな?
「体調はいかがですか?何かお困り事はありませんか?」
「ん?そぉぢゃなぁ…特には無いぞ。」
って…おぢぃちゃんの右手がワタシのお尻に触れる直前に、
「ワタシに触れて良いのは婚約者だけですので、如何に大公閣下の旦那様、前国王陛下と云えど、触れた瞬間血祭りに上げますよ?」
ニッコリ笑って、目だけは血に飢えた獣のそれにして、語り掛けた。
「おぉ…怖いのぉ…可愛いのに勿体ない…」
「でしたらその右手は引っ込めて下さいませ。」
「…は…はい…」
なるほど、精神的には若いんだね。そりゃそぉか…ずっと閉じ込められてたんだもんね…人としての成長はほとんどしてないのかも…
「浮気相手ならその内見付かりますわ。」
「そ…そぉぢゃの気長に待つとするかの。」
「それに、ワタシに手を出しましたら東大陸と戦争になりかねませんから…」
「そぉなのか?」
「お二人を助け出した桐生文七は東大陸の人の国の王、ワタシのおぢぃちゃんなんですから。」
「んな!?そぉか…そりゃぁおいそれとは手を出せん相手ぢゃな…」
ったく、おじぃちゃんにしろおぢぃちゃんにしろなんでこんなスケベなんだろ?おぢさまはワタシ限定でスケベになって欲しいけど…
と、医務室でわいわいしていたら、ままとぱぱが乱入して来た。
「お母様!!お父様!!」
「あら?アヤメなの!?」
「おぉ…アヤメ!!久しぶりぢゃの…」
と、二十余年ぶりの親娘の対面かぁ…涙の再会だね。なんかデジャヴって無いか?
ソレからワタシ達は医務室をあとにして、ミルキーさんだけ医務室の扉の前に残してワタシ達はアヤカの部屋に来た。
「ところで…おねぇちゃんはなんで侍女さんの服をお召しで?」
「えっ!?これ?可愛くない?」
「おねぇちゃんは何を着てもお似合いですし、可愛いです!!しかし、何故侍女さんの服を?」
「うん、可愛いから着たかったんだよね。」
「それだけですか?」
「それだけだよ?」
「はぁ…王族たる者そんな格好をしては…」
「ワタシは潜入とかもするから良いのだぁ!!」
アヤカの言葉に被せて言い切った!!そりゃぁね、アヤカの言う事も解るけど、お仕事に貴賎は無いのだよ!!他人に迷惑をかける仕事以外はね。
「はぁ…なんでこんな無邪気で可愛い人がおねぇちゃんなんだか…」
アヤカの呟きは聞かなかった事にする。
「…でも…おねぇちゃんホントに可愛い!!何でも似合って羨ましいよ!!」
「ん?アイリスちゃんも似合うと思うけど?」
「おねぇちゃんみたいに可愛く着こなせないよぉ?」
「良いから着てみよぉよ!!」
ワタシはその場でメイド服を脱いで、ブラ一枚の姿になり、そのままアイリスちゃんも剥いてメイド服を着せてみた…その瞬間、雷に打たれた様な衝撃を受けた!!
「んな…!?なんて…」
「と…とぉとい…」
「ふわぁ〜お人形さんみたい…」
「へぇ…これは意外だね。ウチの想像よりよっぽど似合ってる…」
高貴な雰囲気と凛々しさを纏った可愛いメイドさんが出来上がる。ワタシよりよっぽどお姫様っぽいよね?クソぉ〜!!スマホがあったら写真撮ってたぞ!!
「おねぇたんすっぽんぽん!!」
ってアヤネに言われて、自分の姿を見てみる…あははは…アイリスちゃんに夢中で気付かなかったや…ワタシは慌てて普段着ドレスを着込んだ。誰も入って来なくて良かったよ…
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