失脚!?
ままに丸投げ。
「あの…お母様…サバスティール殿が男爵とは?」
「えぇ、それだけの功績とするべきなんですよ、彩奈ちゃんから見てもしっかりとしてたんでしょ?」
「はい、避難民保護に関しましては…」
「そぉなると、彼等の領主に据えるには他の人を充てがうよりも、その功を持つ彼が適任なのよ?」
「そぉなのですね。」
ワタシの喋り方に違和感が…ままにもワタシにも…そして…
「そんな喋り方おねぇちゃんぢゃ無いよ?」
「だよねぇ…ウチもなんかコワいよ?」
「おねぇたん何かあったの?」
「これではお姉様の個性が…」
と、妹達とペット(神使の狐)にまで違和感を与えちゃってるのね…
「彩奈ちゃん…お願いだからいつもの様に…ね?」
「あら?お母様がこぉなる様に仕向けたのでは御座いませんか?」
「た…確かにそぉなんだけど…」
「わたくし、お母様の望む通りになりましてよ?」
「彩奈ちゃん、ごめんなさい。対外的には今の調子で良いから、家族と居る時だけでも…ね?」
「そぉですか?お母様が仰るならはそぉなる様努めてみますが…」
ふっふっふ…ワタシにあんな仕打ちをしたんだもん!!しっかり反省してもらいますよ?
「いやぁ〜!!彩奈ちゃんが彩奈ちゃんぢゃ無くなってるぅ〜!!」
「お姉様!!お願いします!!どぉか正気にお戻り下さいまし!!」
「おねぇたんがぁ〜!!」
ってアヤネに泣かれちゃぁねぇ…
「アヤネ、ごめんなさいね。お母様に無理矢理こぉなる様に教育されてしまったの…わたくしもツラいのですよ。」
ちらっ!!ままを見遣るとこの世の終わりみたいな表情をしている。
そしてままはメイド長さんを呼び出し、何やら話している。
多分元通りの喋り方にさせるつもりなんだろね。
「アヤナ殿下!!」
「はい。」
いきなりメイド長さんがワタシに泣きながらすがり付いて来たよ!?
「どぉか、どぉか元の喋り方にお戻り下さい!!」
「?何故ですか?貴女がこの様に話す様にと厳しく仰ってらしたでは無いですか?」
「お願いします!!私はまだお暇をいただくワケには…!!」
なるほど…ままは脅しに入ったか…こりはやり過ぎたかな?
「何故ですか?わたくしにも理解出来る様に仰って下さいまし?」
「モノが憶えられない出来損ないとか言った事や棒で叩いたりした事はしっかりと謝罪致しますから!!」
おや?墓穴を掘ったかな?
その後もワタシに対しての罵詈雑言を全て謝罪したけど…ままの目付きが…コレはちょっと…何をどぉ取りなしてもダメかな?
「へぇ…貴女は私の可愛い彩奈ちゃんにそんな事を言っていたのですね?卑しい育ちのクソ娘のクセに王家に入ったゴキブリですか…面白い事を言っていたのですね?」
あ〜あ…ままの堪忍袋の緒を一刀両断しちゃった…メリダさんはコワいはコワいけどそんな事はしなかったし、ちゃんと礼を持って厳しくしてくれてたもんなぁ…愛情の過多やなんかの差だね。
「い、いえその…アヤナ殿下の事を思ってですね…」
「私の可愛い彩奈ちゃんをゴキブリと言ったのですね?」
「私の敬愛するお姉様がそんな扱いを受けていたのですか?」
「おねぇたん…かわいそぉ…」
「おねぇちゃん…平気?」
「彩奈ちゃん…流石にキレても良いんだよ?」
みんながワタシに優しい言葉をかけてくれる。
ワタシは首を横に振り、
「わたくしの一存で他者の未来を閉ざす事は出来ません。どんな方でもシュウキュウ王国の掛け替えの無い大切な人財なのですから…」
ワタシはハラリと涙を一筋流し、
「それからキキョー様、わたくしが堪えなくては、お母様、お父様、アヤカやアヤネにアイリスさん、こんな不出来なわたくしを妻として迎えると仰られたジウリア卿にも責が及びましょう…それだけは出来ないのです。」
もぉ一筋の涙を流して見せる。
それを見たみんなの怒り方の凄まじい事…特にキキョーちゃん!!ココで大きくならないで!!
「ままさん、コレ噛んで捨てて良い?」
って…コワいから!!普通にコワいから!!
「心情的には許可したいけど、ココまで耐えてる彩奈ちゃんの顔は潰せないわ…」
ままは執務室前の騎士さんに…騎士さんも泣いてんぢゃん!?なんでよ!?
そんな騎士さんに何やら告げて戻って来る。
「リンダ、貴女の言動は度を越しています。この場で手討ちにしたい所ですが彩奈ちゃんの手前それも出来ません。沙汰は追って言い渡します。暫く牢に入って反省なさい。」
と、宣言した後、リキータさんが来てメイド長さんを連れて行く。
「どぉか!!どぉか御慈悲をぉ〜!!」
って…手討ちにされて無いのが既に慈悲なんだけどね。
ままはワタシの手袋を外すと口を押さえて涙を浮かべる。
「お…お姉様…最近一緒にお風呂に入って無かったのはコレが原因ですの?」
「おねぇたん、いたそぉ…」
「コレはヒドいです!!」
「彩奈ちゃん、平気なの?」
ワタシの腕には無数の生々しい傷痕が浮かんでいる。あのメイド長に着けられた傷で焼け爛れた火傷痕もある。ひとえにカノンさんを通じ、他のメイドさん達の話を聞いてアレをどぉにかしよぉと目論んだ事が始まりなんだよね。
「ま、みんなに証拠となる傷痕も見せれたし、消しても平気だよね?」
「お姉様!?喋り方が…」
「こんな程度でワタシをどぉこぉ出来るワケ無いぢゃん。」
「って事は…?」
「あのメイド長さんの傍若無人ぶりを聴いて、何とか尻尾を掴めないかと思ってね…ままの娘にコレだけの事をしたんだから法の裁きでどぉなるか…」
と言いながらワタシは全身に回復魔法をかける。すると火傷跡も綺麗な肌に生まれ変わる。
「ふぅ…見られたのが腕だけで良かったよ…」
「彩奈ちゃん?まさか他にも何かされてたの!?」
「そぉだね…内モモには奴隷の焼き印ってのを押し当てられたよ?何回も…すんごい痛かったよ。」
「「何ですってぇ!?」」
って、ままとアヤカが大声を出した。なんなんだろ?
「お…お姉様…ちょっと失礼します!!」
って…スカートの中に入らないで!!
「ちょっ、アヤカ!?何してるの!?」
スカートの中から出て来て、
「お姉様、焼き印を当てられた時、何か言われませんでしたか?何かブツブツ言ってたとかは…」
「無かったよ?」
「良かったぁ…もし、呪文を唱えられていたらお姉様はアレの奴隷にされていたかも知れ無いんですよ?」
「まぢ!?」
「本当よ…良かったぁ…彩奈ちゃんがアレの奴隷になってなくて…もぉ許してはおけません!!即刻あの首を…」
「まま、待って!!」
「どぉしたの?」
「その前に他のメイドさん達や辞めたメイドさん達から聞き取りをして!!大事な事だから!!」
ままは少し考えて、
「そぉ…彩奈ちゃんはその人達の為に?」
「そぉだよ!!ワタシ達を一番身近で支えてくれる人達すら守れないなら王国内の善良な人達を守れるワケ無いもん!!」
「…お姉様…」
「良いわ、ココは彩奈ちゃんの言葉に従いましょぉ…」
って事でワタシの策は身を結んだ。
何か設定上で質問等ありましたら感想欄にお願いします。
質問はユーザー名を伏せて後書きでお応えします。
罵詈雑言でも構いません。




