お姫様!?
新章突入
翌日、更衣室で着替えて組合の待合室に入る。何かみんながワタシを見てる。何だろ?まぁ、気にする事は無い。
するとアイリーさんに呼ばれた。
「なんですか?」
「コレとコレは、とあるハンターから彩奈ちゃんにって預かってたの。」
渡されたのは魔法の袋が二つ。こんな見た目だが、大量の荷物が入る。
とあるハンターね…あの二人からの選別かな?
まったく、ワタシに甘いんだから…コレ等はかなりの高級品だとワタシは知っているのに…
もう、必要無いからか。持ってりゃ良いのに。
今のワタシの服装は厚手の道着みたいな感じでズボンではなく袴だ、しかも膝から下は厚手の生地で脛当てみたいにしてある。
特注品で動き易い。
アイリーさんから二人の思い出を貰い。いざ狩りへ。
あれ?
お薬とか持ってかなきゃだよね?
薬屋さんに立ち寄り傷薬等を購入。今までは怪我とかしなかったし、してもエレーナさんが居たからなぁ…
お昼ご飯もついでに買ったし、水筒も満タンだ!!
改めて狩りに行く。
いつも来るこの森はかなり広い。広大とも云える。
ここで狩りするだけで一生安泰ってくらいには獲物も多い。
そして、今回はいつもと違う。一人なんだから、って気合いを入れたら街道の方が騒がしい。
覗き見ると馬車が襲われて居る。
何か武装した人達で対抗してるけど…うん、クマさんには…通じないかな?
やっぱり…長モノもあるけど活用出来てない…しょうがないなぁ。
よし!!後ろから首落とすか…
わーわーわー!!
何か騒いでるけど関係無い。
すらっ…チン。
うん凄まじいなこの刀…
クマさん何か斬られた事に気付いて無いもん…
「あのぉ…大丈夫ですかぁ!?」
クマさんの右横から出て行きながら、間延びした感じで声掛けをする。
「お嬢ちゃん!!危ないぞ!!」
クマさんがワタシに気付き左手を降り降ろ…せない。
クマさんは頸椎が切断されているから!!だから少し動いただけで神経が混乱して
…ばたん…最終的に倒れて動けないしそのまま血抜きになる。
護衛っぽい人達はワタシに誰何の声を上げ斬りかかる準備をしている。
「貴様!!怪しいヤツ!!何者だ!!」
「貴様!!動くな!!」
おーおー、クマさん倒れて強気だね。
「うるさいなぁ…命の恩人に剣を向けるとかどんな親に育てられたの?」
「何をワケの解らぬ事を、怪しいヤツめ!!」
なんだかなぁ…助けて損した気分…
「何を騒いでいるのですか!!」
「あ、姫!!出てはなりません!!」
「今、怪しい女が現れて危険です!!」
「何が危険なモンですか!?こんな綺麗な女性を捕まえて!!しかもクマの魔獣から私達を、お助け下さったのに!!貴方達が錯乱してどぉしますか!!」
馬車から降りて来たのは十二歳か十三歳くらいのワタシと背丈の変わらない、ワタシとソックリな女の子…おっぱい…同じくらい?がっくりと四つん這いになる。
いいモンいいモン!!ぺったん娘はステータスだモン!!
気持ちを切り替え、少女と向き直る。
「危ないところをお助け下さり誠にありがとう御座います。」
綺麗なカーテシー?だっけ?で挨拶をされた。
「あ…いやぁ半分仕事みたいなモノだからね…気にしないで。」
ワタシはにっこり微笑んで言う。
「貴様!!姫様に対して無礼千万!!」
護衛さんの一人が斬り掛かって来る。
その剣がワタシに当たる寸前、ぱきんと音を立てて折れた…って云うか斬れた。ワタシが居合で斬ったのだが…
斬り掛かって来た護衛さんは取り乱しまくる。
「何だ?…この魔女め!!」
今度は殴り掛かる。
ワタシ悪者?
「お待ちなさい!!」
美少女が叫ぶも護衛さんは止まらない。
ワタシは躱し様に兵士の手を取り、足を引っ掛け手を下に引き上に上げる。
すると護衛さんは綺麗にくるんと回り背中を地面にしこたま打ち付ける。頭もかなりの勢いで打ち付けてるな…いたそぉ!!
少女は額に手を当て、あちゃー!!って感じになる。
「貴様!!この魔女め!!」
他の護衛さん達がワタシに剣を向ける。
なんだろね、正当防衛もダメなの?
助けたら剣を向けられて、泣くぞ!?
「だぁかぁらぁ!!お止めなさい!!
私達はコチラの方に救われたのですよ!!それをよってたかって、悪漢の如く罵るとは、恥を知りなさい!!」
「しかし、こんな得体の知れないヤツ…」
「人攫いで姫を狙っているかも知れません!!」
何だその斜め上の発想は!?
「こんな怪しいヤツは斬るに限ります!!」
流石に頭が痛い…
「あのね、ワタシはハンターでこの森を狩場にしてて、街道が騒がしいから見に来たら、クマさんに襲われてる馬車が見えたから様子を見て、あのままぢゃ死人が出そぉだったから、クマさんの首を斬っただけでしょ!?それをよりによって、人攫いだの魔女だのたと…」
「貴様を斬る前に剣が折れたり、ソイツが宙を舞ったり…どぉ説明するのだ!?」
「剣はワタシが斬っただけだし…宙を舞ったのもワタシが投げただけよ?見えなかったの?」
「何をワケの解らぬ事を!!」
うわぁ…コイツ等まぢか!?
あんな程度が理解出来ないとか…この少女だけが理解しているよぉに見える。
なんなのこの状況!?ぱぱぁ!!助けてよぉ〜!!
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