救援!?
致命傷修復からの反撃なるか!?
「ふははははは…所詮は人間よ!!限界まで魔法力を使えば立つのもままならんか!!」
腕に付いたワタシの血を舐めながらソイツはワタシを見下している…
確かにもぉ立つのもキツい…キツいけど出来なくは無い…そんな程度だ…多分今のワタシは体術でアヤカにすら負ける…その程度の力しか入らない…ま、普段通りでも純粋な力比べだけならアヤカと互角な程度なんだけどね…しかし、今はホントにその辺の子供とケンカしても負ける程度の力しか入らない…速さも赤ちゃん並み…そんな程度しか出せない…今のワタシに出来るのは…ハッタリ…それだけだ。
「ふふっ…ふふふふふ…ホントにそぉ思うの?普通なら致命傷だったのにほらこの通り…無傷なのよ?ワタシを出し抜いて不意打ちを成功させたつもりならお目出度いわね。良いわ、勝ち誇ったまま死になさい…」
「んな!?まだやれると言うのか!?人間だろ?それが何故…」
「そぉね…普通の人間なら、いくら回復魔法を使ったと言っても寝そべって減らず口を叩くのが関の山でしょぉね。」
「ま…まさか…」
「ワタシに勝てる要素はアナタ達には何も無くてよ?」
ワタシは力の限り睨み付ける。
「ふっ…ハッタリもそこまでいけば見上げたモンだな…」
ワタシは一歩前に出る。悪魔は一歩退がる…ハッタリがそこそこの効果を持ってる証拠だ。
「あら?ワタシの言葉をハッタリと言う割にはなぁに?その逃げ腰は?逃げられるとでも思ってるの?」
うぐっ…きっつぅ!!一歩前に出ただけでコレなの!?足がガクガクしそぉなんですけど!?
「うぐっ…や…やれぇ!!」
と、ワタシの腹を突き破ったヤツが叫ぶと周りの四体が飛びかかって来た…コレでワタシも終わりなの!?そんなの絶対イヤ!!一瞬だ!!一瞬で良いから動けぇ!!
その時、またあの感覚に襲われた…自分の身体が自分の身体ぢゃ無いかの様な感覚だ。
最初に飛びかかって来たヤツの突き出して来た左手を左手で払い、掴んで右に…相手の左に回り込み全体重を使ってソイツを振り回す。
直線的な動きを円運動に変換、踏ん張れない身体なら踏ん張らなければ良いって感じなの!?
二人で錐揉み状態になって他の三人を巻き込んで目を回して貰う。バットを中心に十回回って走れなくなる…あんな状態にしてあげる。ワタシ?鍛えてるから大丈夫だよ。ワタシがワタシぢゃ無かったのもそこまで…流石にこれ以上は身体が壊れるから止めたのかな?
片膝を着き、片手で身体を支え、残りの一体を睨み付ける。
「うぐ…貴様…本当に人間か!?」
ソイツは後退りながらワタシに問いかける。
ワタシは立ち上がりながら…
「人間よ?かなり鍛えてはいるけど…ただの人間…鍛えた人間は悪魔より強いモノなのよ?」
「…そ、そんなバカなぁ!!」
ギロ!!っと力強く睨まれた…
あ…追い込み過ぎた!?後悔先に立たず…焦ってやり過ぎた!!
ヤバいヤバいヤバい!!
コレはホントにヤバいよ!!ぱぱ…は居ないし、おじぃちゃんも居ない!!頼れるのは…あれ?アイツの顔に張り付いてるのって…闇!?
ワタシは後ろを振り返った…そこには倒れているヤツ等の頭に槍を刺しまくってるギィシャさんが…
「アヤナ姫!!生きてますかい?」
「危うく死ぬトコだったよぉ〜…」
と、全身から力が抜けてその場に女の子座りでへたり込んだ。
「アヤナぁ!!」
って、この声は…おぢさまだぁ!!
「おぢさまぁ〜…」
って、駆け付けてくれたおぢさまに、力無く抱き着くかのが精一杯だった。
「ケガは!?ケガは無いか!?」
「うん、死にかけたけどなんとか大丈夫だよ。」
ワタシの笑顔を見て安心したみたいだけど、穴の空いた騎士服を見て、おぢさまは見た事も無い怖い顔をした。
「少し待ってなさい。」
と、優しくワタシを引き離し、腰の剣を抜き、
「貴様か?貴様がアヤナを攻撃したんだな?」
と顔を闇に覆われたヤツに問い掛けているけど…ソイツは混乱の真っ只中だよ?
おぢさまは剣を上段に構えて…あ、剣に魔法力が伝わってる…その剣を振り下ろす。
「いやぁ!!」
ザシュッ!!
アイツの身体が左右に分かれて倒れる。
剣に着いた緑色の血を払い鞘に戻してワタシを優しく抱き上げてくれた。
「向こうのヤツ等は全滅させられたぞ。コッチはコレだけか?」
「うん、コレで全部だよ?」
「そぉか…アヤナのお陰で敵は全滅だ。二十三…ソレが今回の戦果だ。」
「うん、おぢさまが敵将を討ち取ったんだよ。」
クソっ!!身体が動けばココでほっぺにチウ出来たのに!!微笑むだけで精一杯だよ…
「そぉか?まぁ、そぉ云う事にしておくか…疲れてるのだろう?少し寝たらどぉだ?」
「うん…そぉしたいけど茜ちゃん…ワタシの剣を探さなきゃ…ワタシ以外には持てないから…」
「む?そぉなのか?」
「うん…」
「ギィシャ殿、捜索だけでも頼めるか?」
「はっ、お安い御用です。」
「頼む。」
「畏まりました。」
と、茜ちゃんはギィシャさんに任せるか…
「さ、少し休みなさい。」
「うん…」
そこでワタシは意識を手放した。
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