決闘ですか!?
男って…
組合に戻って来ました!!
アイリーさんとおじ様はまだお仕事してます。
アイリーさんに纏わり着く羽虫がうっとぉしぃだろぉなぁ…
ソレでお仕事を片付けていくさまは、キャリアウーマンだ!!
流石アイリーさんは慣れている。
ワタシ?周りにハエが集ってるけど…触るのも、話すのも、目を合わせるのもイヤだ!!汚されそぉ…
「いい加減にコッチ向けや小娘!!」
はぁ…小娘かぁ…誰に言ってるんだろ?ワタシは辺りを見回した。
「テメェだどチビ!!」
机を叩きワタシに凄む。
どチビだと!?
ごすっ!!
横から拳が飛んで来て凄んでいたヤツを殴り飛ばした。
「ごめんね。怖い思いさせて、オレはサオマ、キミは?この辺ぢゃ見ない顔だけどどこかから流れて来たのかな?」
なんだこの爽やかな筋肉は?こんなヤツ程クズなのが世の常だよね。
「あの…ワタシに絡まないでくれますか?そぉしないと、死にますよ?」
「は!?死ぬ?誰がだい?」
「迷惑な筋肉羽虫が一匹死んでも誰も気にしないでしょ?」
「ほぉ!?強気だね、お嬢ちゃん?まぁ良い、大人しく股開け!!」
にこやかに最悪な事言ってるな…
「ワタシに勝てたら考えて上げる。」
「良し、勝負してやろぉ…」
「ぢゃぁ…勝負の内容は…」
「腕相撲だ!!」
男はワタシに言い放つ。
うわっ!?最悪を通り越して最低だ!!絶対負けない勝負にしやがった!!
「あははははっ!!流石頭まで筋肉なヤツは言う事がちがうなぁ!!か弱い女の子相手に勝負が腕相撲とか!!」
ワタシは思わず、大声で言った。
「サオマ〜、女の子相手に腕相撲で勝負とか…どんだけクズだよ!?」
脇から一人のおっちゃんが出て来た。
「聞いてたぜ?女の子に股開かせようってのに勝負が腕相撲かぁ?アホ過ぎて笑えるぞ!?」
おっちゃんが言うと周りから嘲笑が溢れる。
しかもそれ以外受け付けねぇみたいな言い方だったから更に笑わせている。
仕方ない…
「腕相撲とかワタシぢゃぁ勝ち目ないから…もっと公平に魔法と武器を使わない闘いでってのは?」
今度はワタシが笑われた。なんで?
「イヤイヤ、お嬢ちゃん!!コイツはこんなだが此処ではかなりの実力者だぞ!?」
「構わないわ、死なない程度で止めてあげるから。」
ワタシはケンカを売った。
完全にナメられたと思い爽やか羽虫は立ち上がる。
「後悔するなよ?」
「あなたの顔が腫れ上がるから?」
「思い上がるなよ?」
ワタシはまたしても挑発すると、裏の解体場に歩き出した。
その場は自然と賭けが始まる。
「おいおい、みんなサオマだと賭けになんねぇぞ!?」
「ぢゃぁワタシが全部受けるわ、ワタシの全財産をワタシに賭ける!!」
「大丈夫か!?」
「大丈夫よ。」
ワタシはカバンと刀を胴元に預ける。
サオマとワタシが前に出るとかなりの盛り上がりを見せる。
レフェリー役の筋肉が前に出て、
「はじめ!!」
と声を掛ける。
相手のなんたらは鎧を着込んでいる。普通に考えてワタシのが不利だが…
開始からチョコマカ動き全く相手を寄せ付けないワタシに、ワタシを捕まえ様とするなんたら、既に汗だくで触りたく無い。
壁際に追い詰められた…両手で掴み掛かるなんたらを、横に回り込み躱す。
そのまま背後に周り背中を押す様に蹴る。
そのまま壁に頭を打ち付けるなんたら。
おぉ、キレそぉだな。お尻ぺんぺん、あっかんべぇ!!
「このクソアマぁ!!」
ワタシに向かって来るけど…何か変!?
右足だ!!地面の上を蹴り上げるのか?
「おらぁ!!」
案の定、土を蹴り上げワタシの目を潰しに来たが甘いよ?
土を躱し蹴り上げた足を取り、身体全体を使い右周りに回り足を砕く!!
小さく軽いワタシでも全身の力を使えば可能なのだ!!
[旋風]って技だけど、ドラゴンスクリューって言う方が解り易いかな?
のたうち回るなんたらの頭を踏み。
「はいワタシの勝ちね?」
周りはまさかのワタシの勝利に喝采を、負けたなんたらにはバッシングをそして、賭けはワタシの一人勝ち!!ココ大事一番大事!!
「こらクソ虫!!二度とワタシの前に顔を出すなよ!?」
舌っ足らずな声ぢゃ可愛いだけぢゃん!?
ふえぇん…泣かないよ?
おねぇたんにしか泣き顔見せないんだから!!
「ねぇ、おぢさん!!ワタシの勝ち分は幾ら?」
「お、おぉ、賭け金の一割はオレの取り分だから…銀貨で九十だ。」
「何だ…そんなもんか…」
今まで稼いだ額から見ると少なく感じる…
「テメェ、クソアマぁ!、卑怯だぞ!!」
はぁ?何言ってんだコイツ?
「うるせぇぞサオマ!!損させやがって!!」
「こんな恥知らずは死んで詫びろ!!」
あらあら…損したみんながこぞって焼き入れしてる…ワタシは関係ないからね!!
「ぢゃ!!ワタシはコレで!!」
したっと手を上げてその場を去る。
組合の待合室に戻ると、まだ何人かは居たが、アイリーさんの仕事の邪魔をする不届き者は居なかった。
「彩奈ちゃん!!何か裏が騒がしいけど…何かあったの?」
「ん?えっと…あったと言えばあったかなぁ!?」
「何があったの?」
「何か賭けをしたみたい…」
「そか。もうすぐ終わるから待っててね。その前に着替えておいで。」
「はぁい!!」
更衣室にて可愛い女の子に変身する。イヤイヤ、さっきまでの格好でも充分可愛いよ!?
更に可愛くなっただけだよ!!
更衣室から出ると注目の的になった。
当たり前だ。ムサい筋肉が八割以上の場所に可憐なワタシ、場違い感ハンパない。
今日も色々あったなぁ…
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