華麗なる暗殺者!?
この娘何者?
確かこのサイに似た武器はスティレットだったかな?
ワタシには使い易い部類なんだよね。
刃が無いから…
良し!!もぉ慣れ親しんだサイと呼ぼぉ!!
さて中に入りますか…
やっぱ、ぱぱが居ないと不安だなぁ…
少し進むと啜り泣く声と、野太い笑い声が響いて来る。
野太いのが人攫いっぽいヤツ等で、啜り泣いてるのが攫われた人達だよね?
少し進むと灯りが…
裸にされた女の子に臭そおな筋肉達磨が覆い被さって…あれってまさか…
そぉ思った瞬間から自分の身体が自分のモノぢゃ無い様な…ぱぱに教えられた様に身体が動いた。
女の子を組み伏せてる筋肉達磨その一を耳からサイをツッコミ反対側の耳まで貫く。
更に奥で笑ってる背中を向けている、筋肉達磨その二の心臓を後ろから刺す。
ソレに反応して来た、筋肉達磨その三は、剣を振り下ろして来たが右で逆手に持ったサイでいなし、左の夾竹桃の枝を目に刺す。
なんだこの鮮やかな暗殺者は!?
ぱぱはワタシをどぉ鍛えたんだ!?
外の連中は自分の意思でやったけど…
中の三人はワタシの意志がやったの?
何をしたかは客観的には解ったけど主観的には…
ソレより女の子を助けなきゃ!!
組み敷かれていた女の子を何とか起き上がらせコチラに視線を向けさせる。
目の焦点が狂ってる?
何か危うい虚な目。
ワタシは彼女の頬を叩き正気に戻そぉと試みるも、まだぼやっとしている。
彼女にボロ切れを掛け、奥に進む。
奥は檻の様になっており、その奥に何人かが閉じ込められている。
その手前に筋肉達磨が二人居た。
もぉ勘弁してよ!!
ホントおウチに帰ったらぱぱに言い付けてやるんだから!!
さっきの筋肉達磨三人のトコに戻りナイフが有ったので回収させて貰いまた奥に行く。
回収したナイフを檻の前の筋肉達磨その、四に投げ付け右肩と左目に刺さる。
そのまま飛び出し無傷な筋肉達磨その五の心臓にサイを突き刺す!!
直後!!その四が殴り付けて来た!!
ごっ!!
何とかサイを利用し、防御は出来たが…
流石に吹っ飛ぶ!!
「いっつぅ…」
三十キロ無いくらいの体重だから手負い筋肉達磨の一発で充分吹き飛べるのだ。
悪かったな!!
喰っても伸びないし太らないんだよ!!
そんな事より流石に痛い!!
もぉ一本持ってたナイフを檻の中に投げ入れる!!
意図が通じれば良いけど…
「クソアマが!!テメェは死ぬまでオレのオモチャにしてやるぁ〜!!」
「断る!!ロマンスグレーなナイスミドルぢゃ無いとイヤだ!!」
筋肉達磨その四が左脚で前蹴りをして来たので相手の左に周り込み左肩にサイを刺す!!
苦悶の表情はするが、まだ諦めない。
だから足にもサイを刺してやる!!
片膝を突いて丁度首筋が狙える。
ぷすっ!!
サイを首筋に刺した。
コレで筋肉達磨八人殲滅完了だ。
なんだよこの暗殺美少女は!?
ぱぱの教育って普通に日本ぢゃ受け入れられないからね!!
VRのグロいリアルな感じのあんなゲームばっかさせられてたから殺人に忌避感が無くなってたのは今回は幸いだったけど…
檻に投げ入れたナイフで中の人達は自分達を縛ってる縄を切り合い、脱出の準備をしている。
コチラの意図は通じていたみたいで良かった。
「ねぇ!!コレの出口は!?」
中の人達に聞いたら、
「ココの縄を切れば…ほら、出られたよ!!お嬢ちゃんありがとう!!すっごく強いね!!ハンターの人?」
中に居た一人が檻の縄を切り、出口を作った!!
「ハンター?何ソレ?」
「ハンターは、魔獣や犯罪者を捕まえたり殺したりする仕事の人達だよ?知らなかった?」
「知らなかった…初めて聞いたよ…」
「他のコイツ等は?外の見張りとか…」
「ん?筋肉達磨?八人殲滅したよ?」
「八人!?そんなに居たんだ…」
捕らえられてた女性達は解放され好き好きな事を話していた。
そこから出口に向かう途中に居た少女も引き連れて外に出る。
ワタシは自分のバッグを肩に掛けてから聞いた…
「そぉそぉ!!ココってドコですか?」
ワタシは迷子で近くの森で迷ってて、小屋を見付けたが筋肉達磨が居た為後を着けてココに来たと伝えた。
すると、意味不明な返答があった
「ココはシュウキュウ王国のイタオオ公爵領内のノコヤミ男爵領の山の中だよ。」
うん、全く知らない地名ばかりだ。国名から何から何までワタシの知識には何も無い。
「全く解んない…」
「キミはドコの出身?」
「日本って国なんだけど…」
「にほん?聞かない国だねぇ…」
「こんな田舎ぢゃ無く王都に行けばなんか解るかもね。」
筋肉達磨に捕まってた人達が口々にワタシを心配してくれている。
捕まってた人達は十三歳から二十五歳くらいの綺麗な女性ばかりだった。犯されてた一人だけは、元々筋肉達磨達が連れてた女性らしい。
彼女は既に心が壊れており、男性との情事にしか反応しないよぉだ。
ワタシはみんなに連れられて、ノコヤミ村に入った。
女性達のススメでハンター組合に登録する事にした。
カランコロン
乾いたベルが鳴る
中には数人のヤサグレたヤツ等がコチラを見ていた。
「よぉお嬢ちゃん!!オレ達にサービスしに来たのかい!?」
下卑た笑いを上げながらチンピラ達が何か言っていた。
ソレを無視し、カウンターの女性の所に行った。
「シカトしてんぢゃねぇよ!!」
叫びコチラに椅子を投げ付けて来た。
ソレにワザと当たり、チンピラを睨み付け、カウンターの女性に聞いた。
「あんなチンピラが居るココってギャングか何かの事務所なの?」
「んだとコノクソアマが!!ナメた口きいてんぢゃねぇぞ!?」
言うが早いか後ろから殴りかかって来た!!
ワタシは右に回転しながら避け、そのまま後ろ回し蹴りで、頭を蹴り抜き、チンピラを昏倒させた。ヒラヒラなミニスカートだと云うのも忘れて…
どんなサービスだよ!?
「ジテツ!!」
「このクソアマ!!何しやがる!!」
「何しやがるも何も…何もしてない美少女に椅子を投げ付け殴りかかって来た〝犯罪者〝をとっちめただけだけど?」
「んのアマぁ!!」
云うが早いか、右手でナイフを抜いてワタシに突き立てる様に腕を伸ばした!!
しっかりいなし、右わきで相手のナイフを持った腕を捉え後ろの柱に頭から激突させる!!
勿論昏倒する。
もお一人のチンピラは剣を構えて振り下ろし、斬り掛かって来る!!
ソレを白刃取りし金的を喰らわせる!!
女のワタシには解らない男の痛みである。
カウンターの女性に向き直り、
「ココってギャングか何かの事務所?」
ワタシは再び聞いた。
VRは余りリアルぢゃ無い方が良いかもね…