タハヤまでの道中
移動手段はどぉなりますか?
「あのぉ…移動はどぉするんですか?」
「はい、馬車の予定ですけど…」
よし!!ココはワタシが会談後、毎晩頑張って作ったアレの出番だな!!
「ふっふっふっ…それなら良いモノが有るんですよ!!実験も兼ねて使ってみましょぉよ!!」
「…何を作ったんですか?」
ギィシャさんは、なんか訝しげな表情でワタシを見るんだけど…
「おぢさまの家でワタシが作って遊んでたアレを改良したモノです!!」
「あれ?改良って…大丈夫なんですか?」
「だから、実験も兼ねて…なんですよ?」
「死にませんか?」
「大丈夫だと思う…」
「なんか不安ですね。」
「最初は全部そぉですよ!!」
なんとか押し切り…最後は脅したけど…なんとか全員が乗れる箱を取り付ける事が出来たみんなが乗ると…
「おぉ〜!!浮いてるぞ!?」
「何これ!?スゴい!!」
と、かなり好評なんだけど…大体三十センチくらいかな?これでお馬さんの負担が減れば…
「さ、行ってみましょぉ!!」
「「「「「おおぉー!!」」」」」
って…みんなノリが良いなぁ…
結果的に大成功だったよ。カーブでも回り過ぎない様に付けた噴射口もしっかり機能してたし、何より揺れがほとんど無い!!それに魔法石をかなり使った分しっかり機能してくれてる。ホバークラフトの要領…なんだけど…うん、これはこれで使えるね。
「コレはなかなかに快適ですね。どんな人が開発したんだか…」
「開発者は一生を何度も遊んで暮らせるだろぉなぁ…」
「コレなら馬も一頭で大丈夫だし、速さも早駆けくらいに出せるわよ!!」
「あとは…馬の調子次第だな。」
と、みんなにも大好評だ。良かった良かった。但し…浮いてるのはみんなの魔法力に依存してる。最終的には御者さん一人でも大丈夫にしたいんだけどなぁ…大気中に魔法力が有れば良いんだけどなぁ…
「ねぇ、ギィシャさん、魔法力ってどこにあるんでしょぉか?」
「そりゃぁ胸の辺りだと思いますが…」
「その理論だと生き物はみんな魔法力が有るって事ですよね?」
「…まぁそぉなるかな?」
「より魔法力の強い動物って…」
「そりゃぁ…魔獣だろぉな。」
「魔獣を飼い慣らせないかなぁ…」
「そりゃぁ無理ってもんでしょ。」
「そっかぁ…夢が無いなぁ…おっきぃもふもふ期待したのになぁ…」
「おっきぃもふもふって…アイツ等肉食だから飼い慣らさても食費だけでお手上げだよ?」
「ですよねぇ…」
と、話しながら移動して一日半…カタムネに着いた。あと暫く進んでカイゲン伯爵邸を目指す。
カイゲン伯爵は如何にもカタブツって感じの人で、協力はしてくれると思うけど…どぉなるかな?ま、今はまだ居ないんだけどね。…
そぉこぉしてると門まで来た。今回は騎士団っぽく振る舞わなきゃね。
「こんにちは、こちらカイゲン伯爵閣下のお屋敷で間違い無いでしょうか?」
と、門番さんに話しかける。
「如何にも、して、そこもとは?」
「はい。シュウキュウ王国騎士団現指導教官を努めます桐生彩奈と申します。」
「して、御用向きは?」
「はい、こちらの書状をご確認下さい。カイゲン伯爵閣下には女王陛下より知らされる事かと思いますので、代官の方にでも見て頂ければ重畳かと。」
「うむ、確かにお預かり致した。コレをサバスティール様に。」
「はっ!!」
と、門番さんが中に走って行く。
「食休みをされて行きますか?」
「そぉですねぇ…」
ワタシは馬車の方を見遣ると…みんなご飯を食べたいみたいだね…仕方無いなぁ…
「ソレではお言葉に甘えて…」
「ではしばしお待ちを門を無人に出来ませんので。」
「はい。」
と、少しすると、若い男性がさっき走って行った門番さんと出て来た。
「初めましてキリュウ・アヤナ様、私はカイゲン・サバスティールと申します。この家の次男です。宜しければ詳しい話を聞きたいのですが、こんな所で立ち話も有りません、どおか中にお入り下さい。」
うわっ!?めっちゃ丁寧ぢゃん!?
「はいっ!!お心遣い感謝致します。では、お言葉に甘えます。」
ワタシが目配せをすると、御者さん以外は馬車から降りて、馬車は裏の厩舎に案内される。
ワタシ達はサバスティールさんに案内されて、食堂へ、ワタシとギィシャさんはサバスティールさんと執務室へ入る。
「さ、おかけ下さい。改めましてシュウキュウ・アヤナ王女殿下、カイゲン・サバスティールに御座います。以後お見知り置きを。」
と、片膝を着いて頭を下げられた。バレてたか…
「はい、しかし…今はハンター兼騎士団指導教官の桐生彩奈ですわ。」
ワタシはニッコリ微笑んでお茶を一口飲ませて貰う。うん、毒は無いな。ワタシの舌は無味無臭の毒すら看破するんだよね。
「はい。しかし…話には聞いていましたが…本当にアヤカ殿下と瓜二つなのですね。」
「良く間違われております。」
「ソレで…タハヤが攻められて…と云うのは…」
「報告を受けただけですので…我々が先遣部隊として参った次第です。」
「そぉですか…そちらの方は?」
「今回の副官で、ワタシの見張り役ですね。」
「なるほど、聞きしに勝るお転婆な方なのですね。」
「ちょっ!?」
ギィシャさんを左手で制しワタシが口を開く。
「多分その認識で間違い有りませんわ。」
ニッコリ微笑んで応える。お転婆ねぇ…ソレで済めば楽なんだろぉけどね。
「ソレで、我等は何をすれば良いのでしょう?」
「そぉですね…後発の人達の陣を張る場所の確保、コレが一番かと思いますが…最悪を想定して、タハヤとの境付近の住民の保護、難民の保護…そんな所ですね。今回の作戦に国民の保護が入ってないのが心苦しく…」
ワタシはココで涙を流す。これで情に流されれば…
「なるほど…出来る限りの支援をお約束致しましょぉ。」
釣れた!!あとは…
「サバスティール殿!!何卒…何卒…犠牲が最小限で済む様…」
サバスティールさんの手を握り、その手を額に当て、声を震わせ泣いてあげる。しかも、その労力に対する報酬の交渉は一切行っていないのだ!!
「はい、必ずや成し遂げる方向に!!」
相手の情に訴えかけて手玉に取る哀車の術…ま、ワタシみたいな美少女に泣かれちゃ誰しも引っかかるか…
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