公爵の実力!?
初めて叱った相手が将来の息子…
「…ふむ、ならば、そこの爵位の無いハンターの少女が、家族の息子が気に入らないと行き過ぎた稽古のせいで怪我をし、抗議に来たら邪魔者扱いをしたのみならず貴殿等をコケにしたので無礼討ちにしよぉとしたら反撃された…そぉ言うのかな?」
「はい、オタオイ公爵閣下!!この様な者をいつまでも騎士団の指導官になどしておくのが間違いなのです!!」
「…ふむ…一理あるが…しかし、彼女を選んだのは女王陛下なのだが…」
「女王陛下も人間であります。間違いを犯す事も有るやも知れませんし、この小娘に誑かされたやも知れません。」
「なるほど…貴様は女王陛下がどこの馬の骨とも知れぬ小娘に誑かされる無能と言いたいのか?」
「あ…いやそんな事は…そこの小娘が狡猾だと言っているのです。」
「ほぉ?ソレは有能な人物とも云えぬか?」
「ソレは極論と云うモノです。いや、有能なのかも知れませんが騎士団には相応しく無いと断言致します!!」
「ほぉ?ジウリア卿の嫡子の間違いを指摘し、怒鳴り付ける程の少女を相応しく無いと云うのか?」
「貴族に歯向かうなど言語道断と言いたいのです。」
うん、なんか話が長くなりそぉなんだけど…
「あの…オタオイ公爵閣下、宜しいでしょぉか?」
「ん?なんだい?」
「話が長くなりそぉなんで、お風呂行って良いですか?」
ワタシの我関せずな態度が気に入らないのか、ネホノマウ子爵がワタシに…
「きさまぁ!!その態度を改めろ!!」
と怒鳴り剣を抜いた!!
バカだなぁ…ワタシと挨拶も交わしてたハズなのに顔を忘れるとか…
「ネホノマウ子爵?ソレが何を意味しているか解らないワケでは無いですよね?」
オタオイ公爵が冷たく言い放つ。
「ふん!!女王の弟だからと図に乗る貴様も気に入らなかったんだ!!纏めて斬り捨ててやる!!なぁに、そこの指導官と相打ちしたと報告しておいてやる!!」
って完全な悪役になっちゃってるよ…頼むから気付いてよ!!
「仕方無い…ココは私に任せて下さいね?ソレは貸して貰えますか?」
ってオタオイ公爵がネホノマウ子爵に向き合い、ワタシの木刀を欲しているので渡す。
「木刀などとふざけおってぇ!!」
勝負は一瞬だった…
フェンシングの様な構えのオタオイ公爵に剣を張り上げ斬りかかろぉとした瞬間、両肩に突きを瞬時に入れて剣を落とさせ、そこからめった討ちにしている…
「女王陛下に対する暴言は許せませんよ?この木刀が折れるか貴方の命が折れるか競い合いましょぉ!!」
って目の色が変わって狂気染みてない!?
我が叔父ながらとんだどえすだなぁ…
「ほらほらほら!!」
がすがすがす!!
あ、ネホノマウ子爵はもぉ白目剥いてるよ?
「ちょっ!!それ以上は洒落になりませんよ!!」
ワタシはオタオイ公爵の手首を蹴り上げ木刀を取り戻す。
「あれ?いつの間に?」
「今の間にです。怒りのあまり周りが見えてなかったのでは無いですか?いくら強くても周りにちゃんと気を回しましょ?」
「そぉか…集中すると周りが見えなくなるのは自覚はしてるんだが…なかなか直せないのだ…」
「一対一ならソレでも良いんですけどね…ま、それより本気で殺しかねませんでしたが?」
「そりゃそぉでしょぉ、我々を殺すと宣言したのですから。王族に牙を剥くのは御法度なんですよ?」
「いや…ソレは知ってますけど…だからって撲殺はどぉかと…」
「練兵場で真剣を抜いたのですよ?普通に死罪ですよ。」
「ソレでも…すでに死にそぉですし、この人達は女王陛下に沙汰を下して貰うべきかと…」
「そぉですか?ならそぉしてみましょう。」
と言い、オタオイ公爵が手を挙げると何処からか騎士さん達が出て来てドアーホ子爵達を拘束し出す。
「こらぁ!!何故我等を拘束しているのだ!?拘束すべきはあの小娘だぁ!!」
と、ドアーホ子爵が叫ぶけど…
「我々はオタオイ公爵閣下の騎士ですので、主の命に従っているのですよ?」
と、取り付く島もなく、騎士さん達は手際良く仕事をする。
「憶えてろよ!!この小娘がぁ!!」
ソレ以外にも耳が汚れるレベルの罵詈雑言がワタシに浴びせられる…言葉での強姦レベルだな…耳が腐るよぉ〜!!ぱぱぁ!!助けてよぉ〜!!
「やっと静かになったぁ…うぅ〜耳が腐れ落ちるかと思ったよ…」
「ははは、アヤナ姫には少々堪えられない罵詈雑言でしたな。」
「言葉の強姦って感じだったからもぉ忘れたい!!」
「どぉしたら忘れられますか?」
「そぉね…そぉだ!!はいコレ!!」
と、ワタシが渡したのは木刀…
「コレ…ですか?」
「うん、殺すくらいのつもりでかかって来て下さい。ワタシもそのつもりでやりますから。」
と、ワタシは腕に鉄甲を付ける。腕に当たる部分には綿入りで衝撃を身体に通し難い構造だよ。
「ボクがコレを持つと…姫の武器は?」
「最悪この身体が有ればなんとかなりますよ。」
「そぉですか…では…」
ぶんぶんぶん!!
「…遠慮しませんよ?」
「普通、言い終わってから攻撃しないかなぁ?」
ばんぱんぱん!!
「お互い様ですよ!!」
ぶぁっ!!
オタオイ公爵の面討ちを右に躱し…回り込みながら左後ろ回し蹴りで横っ腹を…
がっ!!
蹴り抜けない左腕で防がれたか!!でも!!そのまま左足が宙にあるままに右脚で左裏膝を蹴り、膝カックンさせる。ダメージを与えるのでは無く、バランスを崩させる為の技だよ!!
案の定ワタシの居る方の足に体重が乗ってたみたいで、少しだけど崩れた!!その少しが崩れれば…ワタシは左手でオタオイ公爵の左袖を取り引っ張る!!
「うおっ!?」
軽いワタシに引っ張られ体が崩れた事に驚きの声を上げる。
そして立て直す様に踏ん張り慣性に逆らっているけど…ソレが命取り!!伸び上がって右手を伸ばして首後ろの襟を取り引き下げる。五十センチ…一バランくらい身長差があるから仕方無いよね?
「ほげっ!!」
オタオイ公爵はそのまま後ろに倒れる。
そして、ワタシの左掌がオタオイ公爵の鼻先に出される!!
「このままその整った顔を潰して良いですか?」
「いや、勘弁して欲しいんだけど?」
「ぢゃぁ、ワタシの勝ちで良いですか?」
「…この状況で負けてないとか言い張る程恥知らずぢゃないから。」
ワタシはオタオイ公爵に右手を出して立つお手伝いをする。
「いやいや、まさかボクの本気の打ち込みを全部躱すとは思わなかったよ。」
「ワタシも全部ギリギリでしたよ。今も冷や汗が止まりません。」
しっかり相手を立てる事も忘れない。
「ギリギリねぇ…ま、そぉ云う事にしておこぉか。」
バレバレぢゃん。
「しかし…思っていたよりめちゃめちゃ強いんですね。ワタシが相手の強さを読み間違う事ってなかなか無いんですけど…」
「そぉなのかい?ボクは農作業が好きで、ソレで自然と鍛えられてるのかな?」
嘘だね。しっかり基礎を毎日やってる人の剣筋でしたよ?
「ま、ワタシもそぉ云う事にしておきます。」
と、オタオイ公爵…叔父様と手を繋いで練兵場を後にした。
この人個人の強さはホフマンさんより少し劣るくらい…騎士団に居たらかなり強い方だよね?
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質問はユーザー名を伏せて後書きでお応えします。
罵詈雑言でも構いません。




