偏執愛者!?
名前は出てたけど…イタオオのオタオイ公爵さんてどんな人なんでしょ?
「それで…オタオイ公爵って、どんな人なんですか?」
ワタシはギィシャさんに教えて貰う。
「とても素晴らしい方なんだけど、権力欲皆無で、公爵って立場すら嫌がって、普段は畑仕事をすら…そんな困った方ですよ。」
「えっ!?貴族が畑仕事!?」
「そんな事する暇は無い程仕事が有るんだけど、執事さん達に丸投げして色んな野菜を育てる事に没頭してるんですよ。」
「困ったちゃん?」
「そぉなるのかな?もぉ二十五になるのに結婚もまだですし…メイドさんには多少手を出しているみたいですけどね。」
「その情報は要りませんよ…」
「コレは失礼。」
「にしても若いんですね。」
「姫には叔父に当たりますけどね。」
「えっ!?って事はままの弟?」
「そぉですよ。」
「う〜みゅ…親戚付き合いってどぉすりゃ良いんだろ?何か手土産は…」
「いや…必要無いと思いますよ?」
「なんで?」
「地位としては姫の方が上位になりますから…」
「そぉなの?」
「はい。」
なるほど、ワタシのがお偉いさんなのか…王族として育ったハズだけど、それより畑仕事が良いのか…農機具とか無いよね?手作業?農耕馬?牛?どっちにしてもキツいお仕事だよね?その辺を考えるのはこの件が終わってからにしよ。
と、話して考えてたらお城みたいに大きなお屋敷に着いた。
「さ、降りますよ。先に私とバルコー殿、後から姫様が降りて下さいね?」
「解りました。」
さて、気合い入れて叔父さんに会いに行きますか!!
ギィシャさんと、バルコーさんが先に馬車を降りる。そして頭を下げる。
それをきっかけにワタシも馬車を降りる。
「オタオイ公爵閣下にはお初お目にかかります。第一王女の彩奈と申します。」
綺麗に王女らしく礼が出来たかな?
「コレは丁寧に、最近まで行方不明だったと聞きましたが、御壮健そぉで何より。さ、立ち話もなんですから中へお入り下さい。」
「ありがとう御座います。」
促されるままに中に入り、うん…見なかった事にしよぉ…真っ正面にままとアヤカとアヤネの肖像画…ディモンぱぱは除外されてる。身内に対する溺愛ぶりが…
「すごいだろぉ?ココにアヤナ姫の肖像画も飾られる予定だよ。」
「んな!?」
偏執的な愛情なのか!?
「ボクはどぉにも姉上が理想の女性みたいなんだよなぁ…その血を引くキミ達も愛おしくて…堪らないんだ…」
うん、コレは歪んだ愛情だよね?なんとかしてあげたいんだけど…
「そぉですか、嬉しい限りですわ。」
そんなに会う機会も無いだろぉからほっとくか…
そんな事も有りながら、応接室らしき部屋に通され、お茶を振る舞われる。
はぁ.やっぱ緑茶は心が落ち着くなぁ…
「さて、時間があまり無いとの事だったけど、どんな話があって来たのかな?」
「はい、十五日後に魔人の王が港に来ます。」
「なんだって!?魔人の王!?何をしに!?」
「友好条約の締結が目的と書いてはいますが…不測の事態もあるでしょぉ…公爵閣下には…会談場所の選定とその周りの警護をお願いしたく。」
「それだけかい?」
「と、申されますと?」
「会談場所の選定と警護だけなのか…と云う事だよ。」
「はい、取り敢えずは…」
「お兄ちゃんと呼びたいとかそんな事は!?」
「いえ、特には…」
「そ…そんな…ボクがこんなに姪っ子達を愛しているのに…」
うん、この人にはそっちがメインなんだね?アヤカが会いに来なかったワケだ…アヤカはお兄ちゃんって呼ばされてるのかなぁ?
「あの…アヤカは閣下を何とお呼びしているのですか?」
「ん?あぁ…ちゃんと叔父様って呼んでくれてるよ。」
「なのにワタシはお兄ちゃんって呼ばなきゃダメ何ですか?」
「そぉだね。アヤナ殿下はもぉ結婚適齢期だからかな?それとも幼い頃を知らないからか…」
「なんか複雑なんですけど…」
「そぉかい?ぢゃぁお兄ちゃんって呼んでくれ。」
「それだけは絶対にイヤです。」
きっぱりお断りしましたよ。
「そぉか…まぁ仕方無いかな?そぉそぉ、アヤナ殿下はかなりのお転婆さんで、騎士団員すら敵わないって手紙にもあったけど、どのくらいなんだ?」
「お転婆さんって…そぉですね…クマさんの魔獣くらいなら楽勝って程度ですね。」
「おぉ…それは中々の強さだね。それなら護衛は要らないのかな?」
「ワタシ一人ならですけど…」
「今回は二人連れてるけど?」
「護衛と云うより、魔人が来たとの事でしたので、相応に強いこの二人に頼んで着いて来て貰いました。」
「へぇ…二人共そんなに強いのかい?」
「えぇ、ワタシの鍛練に付き合える程に強いですよ。」
「アヤナ殿下の方が強いのかい?」
「う〜ん…本気で戦った事が無いので…ハッキリとは…三ヶ月前ならワタシの方が強かったですけど…」
ワタシが言うと、バルコーさんが続けた。
「アヤナ殿下が本気になったら我々二人がかりでも死なない様にするのが精一杯ですよ。」
なんて言い出した。
「ちょっ!?バルコーさん!?」
「そりゃスゴい!!どこでそんなに鍛えたんだい?」
「えっ!?あ…うん…育った環境…でしょぉか?」
「育った環境か…ま、それ以上は藪を突くまい。さて、もぉ夕方だが…泊まって行かれるか?」
「そぉですね。ではお言葉に甘えて。」
と、お泊まりをする事になったんだけど…なんでワタシは画家さんを目の前に微笑んでるんだ!?
「うんうん、素晴らしい!!ボクの可愛い姪っ子なんだ!!しっかり書いてくれよ!!」
偏執愛者め!!絵は下書きだけはすぐに書け、その後お風呂を頂きフカフカのベッドで横に…
「なんで叔父様がそこに?」
「可愛い姪っ子と寝たいんだけど…?」
「今日初めてお目にかかった方と一夜を過ごす趣味は有りませんが…?」
「連れない事を…それに、婚姻相手以外に寝顔を晒したくも有りません。」
「家族だよ?」
「いいえ、血縁とは云え、気持ちが追いつきません。」
「そぉか…あまり無理強いをして嫌われては元も子もない…今夜は引き下がるよ。」
「いえ、絶対しないで下さい!!」
「それは約束出来ないかもね。」
と出て行ってくれた。
ワタシの貞操はおぢさまのモノなんだから!!
翌朝お屋敷を出るまで全く気が抜けなかったよ…
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