王女として!?
久々のおぢさま登場!!
「アヤナ、愛してるぞ。」
と、おぢさまに口付けされ、満場の拍手喝采に鳩が飛び立つ。
ワタシがジウリア男爵家に嫁ぐ日だ。この幸せが少しでも長く続きます様に!!
「今日は一段と綺麗だな。」
くちびるを離しての第一声がそれだった。
何ソレ!?そんな風に思ってくれてたの!?うんうん、可愛いトコもあるんだねぇ…良いよ、ちゃんとベッドで可愛がってくれるならワタシはおぢさま…ううん、旦那様の為なら何でもするからね。
大丈夫!!おぢさま…旦那様の敵は全部謎の死を遂げるから!!
うん、何の証拠も残さないよ!!
ワタシは決意と共に破瓜の痛みを…痛みを…痛みが無い!?えっ!?なんで!?ワタシ初めてなのに!?
「うそぉ!?」
がばっ!!
「きゃっ!?」
「姫様!?どぉしましたか!?」
「おねぇちゃん!?どぉしたの!?」
「えっ!?あれ?ここは!?アヤカ!?アイリスちゃん!?ミルキーさん!?」
「お姉様…ホントにどぉなされたので?」
「えっ!?あれ?おぢさまは!?」
「何をおっしゃっておられるのです?」
「いや…結婚式してて…」
「お姉様…まさか夢を見られてましたか?」
「夢?あ…そっか…ワタシ…うん!!きっと正夢だよ!!そぉに違い無い!!うん!!」
一人納得して立ち上がる。
みんなはポカンとしてワタシを見てる。
「いやぁ…幸せな夢見てて…あの幸せを掴むため頑張るよ!!」
「そ、そぉですか…お姉様になら何でも出来ると思いますけど…」
「うん!!なんとしてもあの夢だけは正夢にしてみせるよ!!」
ワタシは決意も新たに朝の支度をする。
あ〜あ…夢ぢゃ無かったら良かったのに…
そして朝ご飯を食べて、
「ギィシャさんはいつ頃来るんでしょぉか?」
「朝食を食べてからでしょぉから、あと一刻くらいでしょぉか?」
ミルキーさんの答えにガックリ来る。お昼前くらいかな?
とか考えてたら、
カラカラカラ…
一台の馬車がやって来た。王家の紋章の付いた豪華な馬車だ…って、ワタシ達が乗って来た馬車で、御者席には燕尾服姿のギィシャさん。
やば!?みんなの服装は…ハンター然としたちょっと汚れた感じ…うん!!着替えて来よぉ!!
「アヤカ!!アイリスちゃん!!ミルキーさんもホフマンさんもバルコーさんも!!ギィシャさんに倣った格好しましょぉ!!」
「…確かに…アレに乗るのに相応しい服装は必要だな…」
バルコーさんの言葉にワタシ達は宿に入り、お風呂の脱衣所を借りてワタシ達姉妹はドレスに、ミルキーさんは騎士服にお着替えした。
男性二人は…
「ぷっ…あははは!!」
ホントに笑ってごめんなさい!!バルコーさんのコワモテにそんなキチっとした服装とか…何処のマフィアのゴッドファーザーなんですか!?って感じだった…
「お姉様?」
アヤカの深く暗い笑みに底知れぬ殺気が…そしていつの間にかアヤカの加重魔法…
「あ…アヤカ?落ち着こぉね?バルコーさんも笑ってごめんなさい。似合い過ぎててつい…」
「あぁ…オレは気にして無い、アヤカ姫もその辺にしてあげて下さい。」
「バルコー様が言うなら…」
と、ワタシは呪縛から逃れられた。うん、普通には自力で脱出は不可能だね。ワタシも膝を折らなかった事を褒めて欲しい。
宿の前に泊まった王家の馬車にみんなが注目している。
そりゃそぉだよね…こんな普通の宿屋さんの前に豪華な馬車、キリリとした御者さん、乗るのはどんな人だ?と好奇の目があちこちから…
あ…あれエレンさん達だ…
「さ、お姉様から行って下さいまし、この中ではお姉様が一番のお偉いさんなんですから。」
「うそっ!?」
「ホントですよ?さ、ホフマンさん、ミルキーさん、エスコートをお願いします。」
「「はっ!!」」
って、アヤカの仕切りでワタシから馬車に乗る事になった…
「えっ!?アレ、アヤナちゃんぢゃね!?」
「はぁ?んなバカ…ホントだ…なんでだ!?」
なんて声も聞こえて来る。
「後ろの二人の女の子も一緒に居た…」
「…って、あのエスコートしてるのって、オレ達を殴り付けた…」
「な…なんなんだこりゃ!?夢か何かか!?」
「…つか、アレ…王家の紋章ぢゃね?」
「って事は…あの名前を教えて貰って無かった二人って王女殿下だったとか!?」
「ぢゃぁアヤカちゃんて近衞騎士とかか!?」
「だったらエスコートする側ぢゃね?」
「まさか三人とも王女殿下だったとかか!?」
「オレ達…不敬罪とか無いよな?」
「知らなかった事だし…」
「ドツかれてるからそれ以上は無いんぢゃ無いか!?お忍びだったし…」
「今度会う事があったら気を付けよぉな…」
「うん…」
とかひそひそ声がしっかり聞こえるし…
う〜…王女様の振りとかキツいよぉ〜!!
あ…ワタシのままって女王様だったよ…忘れてたぁ…!!
って、馬車に乗り込んで、出発する。
街を出るまでみんながみんな頭を下げて来る…
「お姉様、コレが本来のお姉様のお立場なのですよ?ご理解下さいましたか?」
「イヤ!!ワタシはそんなのイヤだよ!!もっとこぉ…自由奔放にしてたいよぉ〜!!」
「アヤナ姫様、申し訳御座いませんが、あまり自由奔放には出来ませんよ?今後は更に…」
「なんで!?」
「魔人の王様にアレだけ脅しをして友好関係を結ばせた立役者が第一王女だったとか…世間が知ったらどれほどの騒ぎになるか…」
「えっ!?ソレは謎の黒装束の美少女とアヤカの手柄でしょ!?」
「交渉の時はお姉様がしっかりと交渉されてましたよね?」
「非公式だから!!ね!?」
「あの時のおねぇちゃんカッコよかったなぁ…」
あれ?これって逃げ道無くない?
「いやぁ、女王としての貫禄さえ付けば押しも押されぬ女王様の完成ですわよ?」
しまったぁ!!交渉も全部アヤカにやらせるべきだったぁ!!アヤカの罠だったんだぁ〜!!
警戒すべきは良く出来た妹だったんだ…
「あ、アヤカのお手紙のお陰で全てが進んだんだからアヤカの手柄のが大きいわよ!?ワタシはあの交渉の席で勝手に喋ったに過ぎないんだもん!!」
「あら、イヤですわ、お姉様って…謙遜も行き過ぎるとイヤミでしかありませんのに。ね、アイリス。」
「うん、お手紙だけで交渉出来たお姉様もスゴいけど、あんな凛々しいおねぇちゃんも凄かったなぁ…私は成人したら近衞騎士になるんだけど、どっちの近衞になるのかなぁ?」
「アイリスの好きな方で良いのですよ?」
「二人共大好きだから決められないよぉ?」
アイリスちゃんも困惑しているな?だったら…
「ねぇアイリスちゃん、ワタシに護衛って必要有ると思う?」
「文七おじぃちゃん以外が相手なら要らないと思う…」
「だったらアヤカを護ってあげて欲しいなぁ…」
「私にはバルコー様が隣に居てくだされば護衛なんて無くても平気ですわ?」
「いやいや…」
「いやいや…」
と、手柄の譲り合いから何処に話が飛んでんだか…
その日は途中のハルツノって村でお昼、ちょっと遅いかもだけど、途中に何も無いから仕方無いんだよね。
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