ワタシの疑惑!?
おぢさまに会えないの!?
その日、夕食までアヤカはバルコーさんにべったりしてた…良いんだよ?バルコーさんなら護衛としても最高ランクだし、男としても申し分無いし…でもね…姉としては少し寂しいかな…
「…で今に至るってワケです。」
なんかギィシャさんがワタシに話しかけてたけど…
「えっ?何がどぉなったんですか?」
「へっ?聞いてて下さいよ…四人になってから漁港が在るトコまで行こぉってなって船を動かしてたらいきなり魔獣みたいに大きな魚に襲われたけど、ワタシの闇で牽制して、それで、バルコー殿とミルキー嬢の水の魔法で何とか逃げ延びたんです。」
「そのくらいは出来て当然ですよ。ギィシャさん達なら!!」
「えっ!?あの…その程度の反応なんですか?」
「貴方達の実力を知らなければ心配もしますけどね…」
「そぉですか…なんか落ち込みそぉですよ…」
「そのくらいで落ち込まないで下さいよ。」
と、話していたら、
「お?アヤナちゃんぢゃん?ん?そっちの彼は彼氏か何か?」
って…ギレンさんが声をかけて来た。
「ん?あ、ギレンさん、彼は仲間ですよ?」
「へぇ…アヤナちゃんのお仲間さんか、オレはギレンってぇんだ。よろしく。」
「私はギィシャと云います。御者をしてました。」
「御者!?それがまたなんでアヤナちゃんと組む事に!?」
「ワタシが誘ったんですよ。最初は渋ってましたけど。」
「へぇ…誘った理由は?」
「適切な状況判断能力ですよ。危険は少ないに越した事は無いですからね。」
「あ〜、解るなぁ…アホな行動をしないヤツが一人は必要だもんな!!」
「そぉなんですよ!!彼が歯止め役なんですよね。」
「でも、強さも必要だろ?ギィシャさんはどんだけ強いんだ?」
「一対一ならクマさんを余裕で倒せる程度には強いですよ。」
「は?クマを!?」
「あ?あぁ…クマ程度ならな…」
「クマ程度!?イヤイヤ…そんなの不可能だろ!?」
「もぉ一人の仲間も普通にクマさんを倒せますし、あの女の人も魔法を使えばクマさんを倒せますよ?」
「はぁ!?んなバカな!?クマなんか英雄とかだぞ!?」
「まぁ…そのくらいは出来なきゃワタシの仲間は務まらないよ?」
「はっ!!可愛い顔してとんだ大嘘吐きだったって事だな!!痛いを通り越して滑稽ぢゃねぇか!!」
「可愛いは良いけど…大嘘吐きは無いんぢゃ無いかなぁ?」
「嘘吐きぢゃなきゃなんだよ!?」
「正直者だね。」
「はっ!!クマを倒したってのを信じろってぇのか!?」
「そぉだよ?」
「だから、どんな魔獣でも人間が一人で倒すなんて無理なんだよ!!」
「えっ!?そぉなんですか!?」
って、アイリスちゃんが問いかけた。
「あ?あぁ…魔獣なんてホントに数人で倒すのが普通なんだよ。」
「ぢゃぁ…私達は普通ぢゃ無いんだ…」
「私…達?」
「私も一対一でクマをやっつけましたから…」
「はっ!?ソレは普通のクマだったんだよ?」
「そぉなの?」
「あのね?普通のクマさんは十バランも大きさ無いからね?」
「はっ!?そんな大きさのクマをどぉやって倒すんだよ!?」
「首や心臓を狙えば良いんだよ。」
「普通狙えねぇよ!!」
と、わいわいしてたら、アレンさんウレンさんエレンさんが顔を出した。
「ギレン、何を喚いてんだ?」
エレンさんが声をかけて来た。
「あぁ、アヤナちゃん達は一人でもクマを倒せるとか言ってんだよ…」
「はぁ!?まず無理だろ…」
「だよな!?一対一なら余裕とか言ってるし…」
「そんなの…ソレこそ八つ裂きカトシくらいなら出来るかも知れんが…」
と、四人は何やら話しているので、私達は宿に向かう事にした。
宿はアヤカとバルコーさんで取ってくれてたので助かったよ。
ホフマンさんが船を係留して、最後に船着き場から出て来て、その静かな存在感を主張する。
「ホフマンさん、こっちだよぉ!!」
ワタシが伸びをして手を振ると気付いたみたいで、駆け寄って来る。
「お待たせして申し訳ございません。」
「良いから良いから。さ、明日からの計画を立てましょ?」
「解りました。」
ワタシ達は全員宿に入り、計画を話し合う事にしたんだけど…
「アヤナちゃん、逃げるとか卑怯だろ?」
と、ギレンさんが追って来た。
「何がですか?」
「さっきのクマの話だよ!!」
「ホントの事を言っても信じてくれない人には何を言っても無駄なので…」
「ホントの事って…やっぱ信じられないからさぁ…」
「ホフマンさん、彼の相手をお願いします。」
「はっ!!畏まりました!!」
と、ホフマンさんが返事をする。
「へっ?」
と、間抜けな声と表情を、浮かべ、ワタシを見送った。
その後、彼等がどぉなったかは知らない…
ただ…ホフマンさんの身体に返り血が着いていた事だけは理解出来た…
「オレは…このままノコヤミを目指す方が良いと思うんだが…」
「船は置き去りですか?」
「仕方無いだろ?そっちの方が早く仕事が終わるからな…」
「まぁそぉですけど…」
「と、なると山越えですな。」
「山越えかぁ…アヤカとアイリスちゃんは大丈夫!?」
「なんとかなると思いますよ。」
「東大陸でも山越えしましたからね。」
「ま、山越えとは云いましても、街道もあるし、馬車も…あ…」
ミルキーさんが声を詰まらせる。
「どぉしました?」
「馬車…オタオイ公爵に預けたまんまでした!!」
「「「「「「「あっ…」」」」」」」
見事に全員馬車の事を忘れていた反応だった…
仕方無く馬車を取りに行く事に決まり、これまで通り陸路と海路でイタオオを目指す事になった。
この話し合いが無駄だったよね…
何か設定上で質問等ありましたら感想欄にお願いします。
質問はユーザー名を伏せて後書きでお応えします。
罵詈雑言でも構いません。




