アヤカの魔法!?
あの三人組はどぉするのかな?
ワタシ達七人と一柱が走る先には、オオカミさんとクマさんが喰い合っていた。
「うわぁ…こんな感じになってたんだ…」
気配だけではこの状況は予想出来なかったよ…
「ふむ、本当に居るとは驚きだな…」
「だな…ココからなら唸り声とか聞こえるけど…」
「にしても…あの数は大変ですよね?」
「待つのが得策か?」
と、四人の筋肉さん達が話していると、
「待たずに私が動きを封じますのでその隙に皆さんで血抜きをお願い致します。」
ってアヤカが言い出した。
「確かにその方が効率が良いわね。」
「では行きますよ。長い時間は抑えられませんから、せいぜい百数える間と思って下さいまし。」
「解ったよ。」
「行きますよ…はい!!」
アヤカの気合いの入った掛け声でワタシとアイリスちゃんが飛び出した。それに数舜遅れて筋肉さん達も来た。
ワタシ達に気付いたオオカミさん十頭とクマさん三頭はコッチに標的を定めたけど、アヤカの重力魔法には抗い切れず、動けなくなっていた。
あとは再動脈を斬る簡単なお仕事です。合計十三頭の頸動脈を六人で手分けをして斬って行く。
キキョーちゃんはもしもの時の為にアヤカを護衛してくれてるよ。
簡単なお仕事はモノの一分足らずで終わった…
オオカミさんとクマさんは血を吹き出しながらその場に寝そべる。って云うか、その骸を晒す。
さて…ココからが話し合いだよね?
この獲物の取り分をどぉするか…ワタシ達はホントなら不要なんだけど…あの二組意見に従おぉ…
「…こんな楽な狩りって有りなのか?」
「…普通にはあり得ないよな?」
「あの娘達だけで余裕だっただろ?」
「取り分の主張とかしたら…」
って聞こえてますけどね。
「アイリスちゃん、馬車を呼んで来て。」
「解った!!」
って、アイリスちゃんに走って貰って、ワタシは四人と交渉に入る。
「あの…今回の狩りの取り分なんですけど…」
と、四人に近寄ると、
「オレ達は貰えないかな?」
「キミ達だけで充分だった様だし…」
「オレ達も一緒の意見だ。」
「キミ達が持ってってくれ。」
と、意外にも紳士な答えが…
「あの…ワタシ達には無用の長物なんですが…」
と、全員で譲り合いをしてたらアヤカが、
「お姉様、皆さんの顔を潰してはいけませんよ?」
「いや…それは解ってるけど…」
「ならば、私が決めても良いですか?」
「任せるわ。」
「今回の一番手柄はキミだから文句は無いよ。」
筋肉さん達の内の一人の意見に全員が頷いた。
「では、私が分けますね。そちらの四人で狼をそれぞれ二頭ずつお持ち下さい。残りはこちらで頂きます。よろしいですか?」
と、言い放った。
「んな!?」
「イヤイヤ、それは貰い過ぎってモンだぞ?」
と、すかさずクレームが入った。
アヤカは落ち着いて、
「そんな事は有りませんよ?本来ならば私達には無用の長物ですので全部そちらで引き取って貰いたいくらいですが、お互いの妥協点としての提案です。」
と、キッパリ言った。
「解った、お嬢さん達の裁量に任せたんだ、それで納得しよぉ。」
「だな…」
と、話が纏まり、それぞれの魔法の袋に仕舞って行く。
ワタシの獲物用の魔法の袋には…クマさん三頭、オオカミさん二頭を入れた。
「ねぇアヤカ…」
「どぉされましたか?」
「ワタシの魔法の袋にはもぉ入らないから、もし次が有ったら四人に全部持って貰ってね?」
「解りました。」
と、小声で話し合った。
ホント、ワタシ達には無用の長物なんだけどなぁ…
少し待つとアイリスちゃんと馬車が来た。
あの三人組は…乗ってる乗ってる。
「ん?なんだ!?やっぱり魔獣なんて居なかったんだろ?」
「魔獣が居たらこんな早く片付くワケ無いって…」
「ホントに居たらオレ達の出番だったのになぁ…」
って…アホですか?
「キミ達程度が何十人居ても魔獣は狩れないと思うけどな…」
って筋肉さんが挑発している。
「んな!?なんだと!?」
と、三人組の一人がいきりたつと、
「揉め事を起こすんなら降りてくれるか?ま、こんなトコで降りたら魔獣の餌になるけどな。」
って御者さんから殺気が出る。
なかなかに強いね。
「きょ…今日の所は見逃してやらぁ!!」
って声が震えてますよ?
「さ、魔獣が居なくなったんなら乗った乗った!!」
「はぁい!!」
御者さんに急かされ、ワタシ達は馬車に乗った。
そこからはナンパも無く、二人組二組と和気藹々(わきあいあい)と馬車旅を満喫して、昼頃にイサキに着いた。
「おじさんありがとぉ!!」
「ありがとうございました。」
「ありがとぉ!!」
と、ワタシ達は御者さんに挨拶をした。
「おぉ、こっからも気を付けてな?」
「はぁい!!」
って、御者さんと別れ、時刻表を確認する。イタオオ行きは…あっちの馬車か、
「こんにちわぁ!!あとどのくらいでイタオオ行きは出ますか?」
「はいこんにちわ、あと…半刻くらいだな。メシ喰う時間は有るぞ。」
「ありがとう御座います。」
と、馬車付き場を離れ、
「取り敢えずご飯にする?」
「そぉですね。あ…私、屋台のモノを食べてみたいです。」
「私もぉ!!」
「よぉし!!ぢゃぁ買い込んで馬車付き場の近くで食べよっか?」
「「はい!!」」
って事で屋台巡りをして、兵糧を仕入れる。魔法の袋にも買い足す。
「串焼き六本くださぁい!!」
「はいよぉ!!」
串焼き良し!!
「肉まん六個くださぁい!!」
「ほいきたぁ!!」
肉まん良し!!
「お好み六枚くださぁい!!」
「まいどぉ!!」
ってな具合にワタシ達の胃袋に入らないくらいの量を買い込んで、馬車付き場の近くのベンチで…
「「「いっただきまぁす!!」」」
って三人で食べた。
たまにはこんな食事も良いよね?
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