非公式会談!?
頑張って有利な交渉をしたいよね?
森を抜け、門が見える位置までやって来た。
「陛下さんはまだ来てないみたいだね?」
「一国の王なんだからそんな易々とは行かないですわ。」
「約束は守る様に見えたんだけどなぁ…」
と、アヤカと話していたら、キキョーちゃんが、
「しっ!!誰か来たよ!!」
と、門の方を見据える…よぉ〜く見ると…
「あ、馬車だね…」
「うん…馬車だよおねぇちゃん」
「馬車だな…」
「馬車ですわね…」
なんで馬車!?しかも何やら豪華な装飾も施されてるし…って馬車から誰かが降りて来る…
「あ、陛下さんだ。」
「そぉなんですか!?」
「うん、間違い無いよ!!」
ワタシ達は陛下さんの所に歩を進めた。
暫く歩くと、陛下さんの顔もハッキリと見えて来た。
「こんばんわ、わざわざの御足労感謝致します。」
ワタシは陛下さんの前まで来て、カーテシーで挨拶をした。アヤカも同じ挨拶をしている。
「コレは御丁寧に、こちらこそ遠い所をわざわざありがとう御座います。」
陛下さんは右手を心臓に当てて頭を下げて来た。横柄な態度を取らなかったのは…ワタシ達を立てての事か…それとも…
「報告にありましたが、陛下と呼ばれていた事から国王陛下とお見受け致しますが…?」
「はい、東大陸魔人の国、クシコ王国国王、クシコ・トコカエと申します。」
「コレはご丁寧に、シュウキュウ王国第一王女のシュウキュウ・アヤナと申します。以後お見知り置きを。」
「同じく第二王女のシュウキュウ・アヤカと申します。」
「なんと!?本当に王女殿下で!?」
「はい、如何致しましたか?」
「いえ…人間にしてみたら魔人は恐ろしいモノと思います。その中枢にいきなり王女殿下が来られるとは思いませんでして…」
「あら?手紙に書いてませんでしたか?」
「はい、代理が来るものと…」
「そんな失礼な事は出来ませんわよ。」
「それは恐れ入ります。」
「それに、わたくし共にしてみれば魔人の皆さんも脅威ではありませんもの。」
そぉ言ったワタシ達を訝しげに見て、
「なるほど、あの黒衣の少女が見当たらない事はそぉ云う事ですね。」
何を納得したのかしたり顔をする陛下さん。何を納得したんだろ?
「ソレでは今後に付いて話し合いをしたいのですが…」
「や、そぉですな。しかしその前に、手紙で拝見して、あの少女に聞きましたが、今回二百の男を送って頂いたとの事でしたが…」
「はい、何の罪も無い一般人を…とは行きませんので、死刑を待つ者達を要請通りに二百人。」
「そぉですか…こちらからの手紙も届いて無かったと?」
「手紙が有ったならわたくし共はこんな形で来てませんでしょうね。」
「本当に申し訳ない。どの様に話を聞いているかは存じませんが、数年間男性を百人派遣して貰えないかと…種人として…充分なおもてなしと、給与、立場も私の名で保証するからと手紙には書いていたのですが…」
「そぉですか…まぁ今回は死刑囚でしたし、何なりと使い潰して頂いて結構ですわよ。」
「はぁ…解りました。では本題ですが…」
「その前に!!私の村の死んだ人達を返して下さい!!」
いきなりアイリスちゃんが叫んだ。
「アイリスちゃん、その話は後からする話ですよ。今はまだ堪えて下さい。」
ワタシがアイリスちゃんに注意したら、陛下さんは何の事かと興味を示して来た。
「村の人達…かな?」
「はい!!魔人にみんな食べられました!!」
「なんだと!?ソレは本当ですか!?」
陛下さんは驚きワタシを見遣る。
「残念ながら本当です。その食べた張本人はとあるハンターに因って討ち取られましたし、もぉ一人も討ち取られ、一人は非公式ですが女王陛下と面会し、東大陸に情報を流したハズなのですが…」
「私には何も情報は上がって来てません…」
「知らぬ存ぜぬで済ませられる話では無いので、最後に話し合うつもりでしたけど…」
「いや、ソレこそ一番重要な話です。そちらの国民に被害を出したとあっては、ソレを無視しての話は出来ません。」
「そぉですか…貴方の意思とは違う形での遭遇だったのですね。先遣部隊とは言ってましたが…」
「海兵隊ですね。コレは国際問題として粛清対象になりますから、海兵の上層部は全員処刑致します。死者は戻りませんがコレで満足頂けないのであれば、この首も差し出してでもお嬢さんに許しを乞います。」
「貴方の首を貰ってもあの人達は戻りませんから…ソレは要りません。二度とこんな事が無い様にお願いします。」
「この命に変えましても。」
と、アイリスちゃんの蟠りも一段落したかな?
しかし、思いも寄らない対応だよね。
「では本題に入らせて頂きます。まず…魔人に食べられた村人達の補填ですが、金額に換算してお知らせ致します。コレはよろしいですか?」
「断る理由も権利も無い。」
「そぉですか…では国交に関しては…」
「ソレには一つ提案が有ります。」
「どの様な?」
「技術的なモノの輸出入や、法整備に関してですね。コレはこの場で答えを出せるモノでは有りませんので…但し、互いの国民を傷付けない…この点だけは譲れません。」
「どちらかと云うと、そちら側からの攻撃に懸念致しますけど?」
「だからです。こちらからの捕食や強姦等があった場合、四親等までの全てを極刑に処します。その代わり、自我の芽生えていない人間を食べる行為に目を瞑って頂きたい。」
「どこにその線引きをするかにも因ります。」
「牧場の人間としましょう。」
「それ以外の人間には危害を加えないとの事ですか?」
「はい。」
「解りました。それで構いません。」
「あと…こちらの要請時に死刑囚の引き渡しにも応じて頂けると嬉しいのですが…」
「それは、その時の状況に因ります。特に女性の場合は死刑になる方が少ないので確約は出来ませんが、そちらの尽力に因り考えます。」
「それで結構です。」
と、話が着いた
「そぉそぉ、今回の不祥事に関しての補償は少し多めに処刑させて頂きます。関わった者の三親等までは処罰させて頂きます。」
「それを誠意として受け取りますわ。」
「ソレでは明日にでも書面を作っておきますので、明日の夜、あの黒衣の少女に来て頂けると助かります。」
「解りました。」
事件はその時に起きた。
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