魔人の住処!?
何事も無く帰れますように!!
ノコヤミを離れ、ワタシ達は王都を目指して馬車に乗っている。最近のワタシ達の乱獲に因りこの辺りの魔獣は激減していた、その為か、山道に入るまでに魔獣との遭遇は無かった…そぉ魔獣とは。
うん、魔獣は居ないよ?でも…なんで馬車が止まってんのよ?この前、盗賊さん達も殲滅させたハズなんだけど…
「ギィシャさん!!何かあったの?」
ワタシは馬車の中から小窓を開けてギィシャさんに訊ねながら外を見た。何も気配は無かったんだけど…
「オレにも解りません…馬が止まったんですよ。」
確かに周りには何も居ない…なのに馬は感じ取って止まったのかも…
ワタシが外に出た時、馬が…
「ひひぃ〜ん!!ぶるるるる…」
と戦慄いた。そっちに気を取られた瞬間悪意が現れた。いや…違うな…ずっと居たんだ!!ソイツはワタシ達を待ち構えていたんだ!!ワタシにすら気配も悪意も感じ取らせもせずに…息を潜め、意識を閉じ…ワタシ達の気配のみを感じる様に…
「やっほ〜!!お嬢ちゃん達ぃ!!」
ってやたらと明るく、フレンドリーに現れた悪意…いったい何なのよ?
「オレ達に何か様なのか?」
油断無くギィシャさんは悪意に訊ねた。
「いやぁ…オレの友達がさぁ…死んぢゃったんだよ…二人も。んで、その痕跡を辿ったらここに辿り着いた…ソレだけの事なんだよね…」
悪意は目を見開き、ワタシ達をその黄色い瞳で俯瞰している。
ワタシにはその瞳に見憶えがある。イヤ、ギィシャさんとバルコーさんにもあるハズだ…しかし、こんないきなり現れるとか…
「ソレがなんでワタシ達はなのかな?」
ヤバい!!今のワタシの格好は如何にもお姫様なドレスだ!!こんなんぢゃ立ち回りは出来てもお尻とか丸見えになるよ!?
「おやぁ?身に憶えが無いとでも?」
「無い…とは言わないよ?でもね…降り掛かる火の粉を払っただけで…恨むのは筋違いなんぢゃ無いかなぁ?」
「ふむ…言われて見ればそぉだな…うん、確かにそぉだ!!いや、目から鱗とはこの事だな!!感謝する!!」
って…悪意は霧散するが、敵意までは無くならない…
「感謝してるなら見逃してくれても良いんですよ?」
「いやいや、ソレは出来ないなぁ…お嬢ちゃんもそぉだろ?食べ物も欲しくなるし、眠気も有るし、良い漢も欲しいだろ?」
「そりゃ人間の三大欲求だもん!!」
「オレ達にもそぉ云うの有るんだよな…喰いたい、寝たい、犯したいって抗えない気持ち…」
「具体的には?」
「何の具体的なのか解らんが…食事の対象は人間、寝るのは人の血の中、犯すのは…人間の美少女!!コレだけは譲れん!!食事は魔獣や鬼でも良い、寝床は死体の布団でも良い…が!!犯すのは美少女に限る!!」
ってドコを力説してるんだ!?コイツは!!
「解ったけど…少し待ってて…ワタシも準備したいから…」
って、頬を染めしなを作る。
「解った!!少しだけ待っててやる!!早く準備してきなさい!!」
敵意も霧散したけど…うん、真ん中の足がキモい程大きく膨らんでるよね?
ワタシが馬車に戻ると、入れ替わりにバルコーさんが出て来る。
追い出す手間が省けたよ。
ワタシは馬車の中でお着替えを始める。
「お姉様?アレは何なのですか!?」
「ただの変態だよ…魔人って云うね。」
「アレが魔人…人間ぢゃ無いんですか?」
「魔人よ。アヤカはどぉする?逃げてくれると楽なんだけど…」
「逃げたら見逃して貰えるんですか?」
「ソレは…無いね。」
「お姉様はアレに殺されるのですか?」
「そんなつもりは無いけど?」
「なら、ココで待ちます。」
「解った。アヤカだけは何としても守り抜くわ。」
って着替え終わり、茜ちゃんを腰に挿し、外に出る。アイリスちゃんも一緒に…
「おまたせぇ!!焦らしてごめんね。」
「いや、その二人が話し相手になってくれて退屈はしなかったよ?でも…お着替え…さっきのドレスのが良かったよぉ!!」
って四つん這いで挫折ポーズとか…なんか憎めない魔人だなぁ…
「魔人にも色んな個性があるんだね?」
「ん?そこは人間も変わらんだろ?」
挫折ポーズで顔をこっちに向けて応えてくれる。ホント憎めないヤツ…
「まぁ…そぉだね。そだ!!貴方達は何処から来てるの?」
「ん?そんなもん隣の大陸からだぞ?知ってるだろ?」
「知らない…みんなは?」
ワタシはバルコーさん達に聞いた。
「初耳だな。」
「知らなかった…」
「そぉなんだぁ…」
みんなも知らなかったみたいだ。
「貴重な情報源ありがとぉ!!アナタ良い魔人なんだね!!ぢゃぁ、またね!!」
って、魔人とお別れしよぉとしたんだけど…
「いやいや!!おかしいだろ!?なんでそぉなるんだ!?オレに犯されろよ!!」
「ヤダよ!!ワタシには心に決めた人が居るんだから!!」
「ソレでもだ!!いや…だからこそだ!!嫌がる美少女を無理矢理…最高ぢゃねぇか!!って事で…ヤらせて貰うぞ?」
クソ!!有耶無耶にしてからの不意討ち作戦が失敗した!?なかなかやるな…
「えぇ〜仲良くなれそぉだったのに…」
「いや…不意討ちするつもりだっただろ?」
「なんで!?なんで解ったの!?」
「顔に書いてるから…」
「書いてないよ!!」
「表情に出てるから…」
「出てない!!ワタシはちゃんとその辺も訓練してるんだから!!」
「ぢゃぁ…その…臭いとかで…」
「ヒドい!!ワタシが臭いって云うの!?そんな臭い女を犯したいの!?アナタは変態さんですか!?」
って、アホな会話になってて、傍観者達は力が抜けている感じだ。
「変態とか…褒めんなよ…」
「褒めてたのか?」
「褒めてましたっけ?」
「変態って褒め言葉なんですね?」
「褒めて無いよ!!」
うん、魔人面白いなぁ…
何か設定上で質問等ありましたら感想欄にお願いします。
質問はユーザー名を伏せて後書きでお応えします。
罵詈雑言でも構いません。




