なろうの検索にガチャが欲しいと思う今日この頃
なろうのランキングの傾向については日々様々な意見が交わされてますが、私も読み手として、そして拙いながらも書き手の一人として、いろいろと思うところはあります。
なにぶん、最近ランキングには少々食傷気味なものでして。
さらっと読むだけの人が多くて、そういう作品にポイントが集中しやすいという理屈もわかるんですけどね。順当といえば順当です。
でも個人的には、大量に乱読してると、さすがに類型的すぎるものばかりが続けばゲンナリともしてきます。人間って刺激に順応していく生き物ですから、同じ刺激が続けば反応も鈍くなります。
完全オリジナルとまではいかなくとも、多少なりとも違った視点、違った切り口の話も読みたいな、と思うわけです。まあ私の嗜好が些かズレているというのも否めませんが、そうしたものもそこそこ埋もれてたりするのもまた事実ではあります。
ポイントによるランキングというのは、大多数のユーザーの趣味嗜好についての最大公約数的な『フィルター』でもあります。ある意味、無難なものしか残れません。
出版社さんが無難なものを求めるのは必然かもしれませんが、個々のユーザーが求めるものは大筋では似通っていても、細部では違っています。ユーザーにとってそのフィルターが概ね妥当であっても、最適解とは限らないのです。
なろう本体は、ユーザーから見れば超巨大な文芸サークルみたいなものです。(運営さん側や出版社さんから見たら、また別の見解になるでしょうけれど)
であるならば、ウケない物語書いたっていいじゃない。クセのある物語を探したっていいじゃない。とか思うんですけどねえ。商業じゃないんだから、他人の意見じゃなく、あくまで自分がいいと思うものを追求できる場です。母数が大きいので、同好の士もいるでしょう。私が精一杯書いた変な作品でも、ごく少数とはいえ読んでくださる人もいます。ありがとうございます。
もちろん流行とテンプレに乗っかったものを書いたり読むのも当然アリです。規約とガイドラインに抵触しない限りにおいて、そして常識と良識の範囲において、読むのも書くのも自由であり自己責任です。
まあ、書籍化を目指したい書き手の人はそうも言ってられないんでしょうけどね。メジャーを目指すなら、割り切りと覚悟が必要っぽいです。
……一方で、自己満足のマイナー路線でいいやと完全に開き直り、他者の評価を一切気にせず己が道を突き進むという選択でも、相当の割り切りと覚悟が必要になります。こっちは断言できます。(私はこっちの方向に傾きつつも、そこまで徹底した割り切りまではできてませんが)
ランキングについてはさておき。
無難でないものを探すため、最近では私は作者さんのブックマークや、キーワードかジャンルで検索するほうが多くなりました。
検索に並ぶタイトルには流行のスタイルの作品が多々ありますが、それでもフィルターがない分、その中に琴線に触れるものがポツポツと混じってます。
私が最近ブックマークを入れたもののいくつかは、「悪役令嬢」で検索して出てきたものです。ちょうどそっち系の変異種を書いてて、今どんな感じなんだろうと調べてみたのもあるんですが。
「悪役令嬢」キーワードは当然ながら「異世界〔恋愛〕」ジャンルのものが多く、一般には大人気ながら、私の趣味とは少々ズレています。相性が悪いと言ってもいいかもしれません。それでもたまに「おぉ?」と思うようなのもあります。だいたい20~50件に1本くらいの比率でしょうか。
ただ、何か探そうにも、いかんせん数が多い。「悪役令嬢」だと検索範囲をキーワードのみに限定しても、今これを書いてる時点で10,084件。年明け早々に1万件突破しまして、新作だけでも1日に5~20件くらいのペースで増えてます。短編と完結のみに絞っても5,463件。
タイトルだけでも全件に目を通すのは不可能ですね。
検索結果の並び替えでランキングフィルターと無関係なのは「新着更新順」と「新着投稿順」しかありません。「文字数の多い順」はちょっと毛色が違っててあんまり使えないかも。
デフォルトの新着更新順だと20ページ目(最短でも3クリック)までめくってようやく3日前の更新です。探せるのはせいぜい数日から半月程度の間に更新されたものまでとなると、まともに見ていったら古いものにはなかなか辿り着けません。
検索というのは、探すものの条件がはっきりしているときには非常に有用です。作者名とかタイトル名とかで検索する場合ですね。
けれど、「まだ知らない何か」なんていう漠然としたものを探すのには不向きです。
それで思ったんですよ。「検索にもガチャがあるといいのにな」って。ようやく本題です。まわりくどくてすみません。
要は、順序はまったくのランダム、無作為で、ただ条件に該当する作品をリストアップするだけの形式。
どうせ全部見きれないのなら、直近のものだけじゃなくてランダムでもいいのでは? と思った次第です。
外部サイトは見てないのでわかりませんが、そういうのがすでにどこかにあっても不思議はないかもですね。
紙の分厚い辞書をテキトーに開いて、そこにある単語を見てみる、ってのやったことありませんか? 私は学生の頃によくやってました。ネット時代だとピンとこないかもしれませんが。
目的もなくただ漠然と辞書を開いてみると、知らない単語が載ってる。「おぉ? こんな言葉もあるのか」と驚くこともしばしばありました。これがなかなか楽しかったです。
頭から順次だと(現実問題としては)到底辿り着けなくても、ランダムでなら偶然アクセスできる(かもしれない)情報というのもあるのです。
なろうでも同じ事ができれば、埋もれた作品に触れる機会も増えるんじゃないでしょかね。
人それぞれ好みがちがうので、(言い方は悪いですが)当たり外れというものもあります。
当たり外れの確率は新着順でもランダム順でもまったく同じです。全体で見れば順序が違うだけで、拾ってくるものは同じですから。
つまり、ランダムでも高確率で外れに遭遇することになります。
しかし、これをガチャだと捉えたらどうでしょう。ノーマルばっかり引くけど、たまにレアとかウルトラレアなどの当たりが出ればラッキーみたいな感じで。楽しみ方の幅が広がりそーな気がしませんか?
もちろん、ガチャでもずっと続けてればいずれは飽きがくるでしょうけれど、選択肢が多い分には困ることはないかなと思います。
……「ランダム検索で総合ポイント500k越えのウルトラレアが出たぜ!」みたいにユーザー間で競い合うような遊びもアリかもしれませんが。あるいは、出たものはすべて読むべし、というルールを自身に課すのもアリかな、なんて思ったり。
検索ガチャ、欲しくなりませんか?
お読みいただきありがとうございました。
※誤字脱字のほか、表現の足りないところや後から思いついたところなど、ところどころ随時加筆修正してたりします。ご了承ください。