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ご招待

「着いたぞ~陸がもうすぐだ」


クラーケンに船を壊されてから2日後の夜に港の灯りが見えた。


夕方頃には港が見えていたが、手漕ぎなのでなかなか進まない。


7隻の小船は次々と港に向かう。港町と似たような作りで港町の左から入り右に曲がると港だ。


「西の大陸に着いた」


キョロキョロと周りを見るが文化の違いとか何か違いが有るか見ても変わらない。


「お~い、どうした。そんな小船で」


「ああ、危険海域でクラーケンに船をやられた」


「それは災難だな、皆無事なのか?」


「ああ、何とか全員助かった」


小船なので海面近くから上がれる所に先頭の船が停泊して船から降りて階段を登っていく。


船を降りて階段を登ると港の倉庫の上から遠くのお城が見える。


ここは街なんだ、誰かが治めている街なのか、国王様のいる街のどちらかだ。


僕と一緒の船に乗っていた人達は何処かに行ってしまった。


船長は今回の航海の説明をしているようだ。


ここで解散でいいんだろう。一緒の船の人達は慣れているのかもしれないな。


船長にお礼を行って僕も港からギルドを探しに行く。


街の中を歩いている人はローランド王国と違う様だ。冒険者みたいな人が多い。装備が色々有るみたいで防具もその人の個性でやデザインを気に入って着ている様だ。


僕にどの装備がいいかと聞かれたら多すぎて分からないと答えるだろう。


言葉が同じなのは港に着く時の船長と港の人が話しているので分かった。


言葉が違うかもと考えてもいなかった。西の大陸に来る前に言葉と文化がローランドと比べてどうなのか来る前に調べ来ないといけなかったな。冒険者の初心者にもなってないな。


お店の看板は同じだ・・・なんでこんなに違う物がないんだ。装備とか人の体格とかは全然違うが、街の外観や看板、言葉、価値観とかは違うだろうが慣れれば何とかなりそうだ。


「ギルドの看板も同じだ」


ギルドを見つけたのでドアを開けて中に入る。


建物の中はそんなに違いはないが、冒険者が一杯いる。


混んでいるのが普通なのかな。


ギルドカードを・・・・・・・・ない。僕の持ち物は冷えるんですかだけだ。お金はポケットに入ってない。


どうすればいいんだ、考えろ・・・考えても何もできない。


聞いてみるかなギルドに登録するのにいくらかかるか。


「すいません、ギルドに登録するのは有料ですか?」


笑顔の眩しい・・・特に今は眩しすぎる。


「はい、銅貨1枚で登録できます。登録しますか?」


「出世払いはありますか?」


「ありません」


出世払いが分かるのか。お金がない。


「お金がない人はどうすればいいんですか?」


「何か仕事でもして来たら、市場とかなら何かあるかもよ」


優しいのか、見捨てられてるのか分からない対応だ。まあ優しいんだろう、今はどん底だから悪く取ってしまいそうだ。


「ありがとう、また来ます」


「はい、お待ちしてます」


最後はお店の店員さんみたいだったな。





「そこ片付けといて」


「分かりました」


何とか市場のお掃除の仕事をしているが賃金が安いのでお金が貯まらない。


食べるのがやっとだ。


お店の掃除に品出しを少し手伝うだけ、他に仕事なし。小銅貨2枚だ、いたんだ食べ物が少し買えるぐらいだ。


街の外には行ってない、外に出たら街に入れない可能性もあるので街の中で生計を立てないといけないが、今は食べるのにも苦労している。寝る所は街のはずれにある空き地だ。


少し寒いが我慢して寝ている。僕の他にも大人の人が3人いるが、話した事がない。話しかけようとしたら


嫌そうに離れて行ったので、声をかけるのは諦めた。


お店の仕事を手伝う様になって、この街の物価が高いのに驚いた。


ギルドに何回か掲示板を見に行ったが、討伐クエが沢山あるが報酬が安い。


受付のおねえさんのレティさんに聞いたら『魔物が多いから報酬が少ないのよ、討伐しても直ぐに代わりの魔物が現れるから安くしないと依頼できないのよ』と教えてくれた。


ここに来てからどの位経ったのか分からなくなった。最初は数えていたけど意味がないのに気が付いた。


「終わりました、他はありませんか?」


「今日はもういいよ、また明日来ておくれ」


小銅貨2枚貰って、お礼を言ってぶらぶらする事にした。


色々売られている、屋台でサンドイッチが売られていたのにビックリしたが、誰かが挟んで見たんだろうな。


お城は、屋敷だった。この街を治める伯爵様の屋敷。この街の外にコロシアムがあるらしい。


どの様に使われているか、教えてくれた人は分からないと言っていた。


奴隷制度もあるけど借金が払えない人と犯罪者しか奴隷になる事が無い。


お金は借りない・・・・・・計画的には、お金だった。思い出したお金は計画的にだ。


計画出来るほどお金がありません。


仕事がないな、僕と同じ様な事をしている子供がいるが8歳ぐらいだ。僕は13歳・・まあいいか。





気分転換に港に来た、ここからだと街の外が少し見える。


「大きい船だ、もしかして港町から来たのかな。クラーケンに襲われたけど、確か見たいと思っていたけど感動は無かったな。亀は感動したな、友達になるなら亀だな。そうあれは港町で偶然に餌をあげた亀なのだ、大ききなったな・・・なり過ぎだ。これで友達だな」


冗談も言わないといけません、どんな時でも冗談が言えないと冒険者ではありません。


「大きい船には沢山の人が乗っているな、あれ・・大きい船も西の大陸に行くと言っていたな。この船がそうなのかな」


さて、どうするかな。時間が有り余っている、暇が嫌いだがする事がないよ。


「あら、あなたはお店にいた店員さんね」


僕の事かな、周りを見ると僕以外には女性とその護衛さんみたいな人以外いない。


「あの僕の事ですか?」


「そうよ、お店で温まるんですの説明してくれたでしょ、覚えてないかしら」


ああ、ローランドの小物屋さんで温まるんですの説明を聞いてくれた人だ。


「思い出しました、温まるんですの名前が気になったと言っていた人ですね」


「そうです。お店を出て宿に戻ってからあなたの説明を思い出して、温まるんですがとてもいい物だと思ったのよ、それで買う事に決めたのよ」


「そうですか、ありがとうございます。僕の説明で1個売れたのか~」


「違いますよ、300個買いました。友達の家族とか皆さんにプレゼントしたのよ」


300個も買う人がいるのか、それを皆なに配ったのか。凄いお金持ちだな。


母さん目の前に大口のお客様がいます。


「この街に住んでいるんですか?」


「違います、ここから西の方にある街に住んでいます。この街には友達が住んでいるの」


お金持ちの友達はお金持ち。


そろそろ、空き地に帰ろう、気分転換になったし。


「それでは、僕は行く所があるので失礼します」


「あら、お礼に夕食をご馳走させてくれませんか?」


「え、いえ、気にしないで下さい」


「ゴホン、お嬢様のお誘いは断らないで下さい」


貴族様なんだ、それもお嬢様・・・・30歳ぐらいに見えるけど。


「もうやめてよ、小さい頃から私付きのメイドだから、今もお嬢様と言うのよ」


あるあるか、結婚しても年寄りになってもお嬢様のまま呼ばれるいつまでも。


豪華な馬車がこっちに来る。





「そうなのよ。ユーリ君が説明してくれたから買う気になったのよ」


「そうなのね。そのお陰で、温まるんですは貰えたのね。温かいまま食べれたり目の前で調理出来たりとほんと便利よね」


お2人の女性が温まるんですをほめてくれる。


ローランドで会った女性がシーラさんで、シーラさんの友達のニーナさん。


この屋敷はニーナさんが住んでいる屋敷で、そこに遊びに来たのがシーラさんだ。


遊びに来たシーラさんは、この屋敷で僕にご馳走してくれるらしいが・・・・それでいいのだろうか。


「僕は旅の時に火を起こせないので、役に立ってます。温まるのが早いので料理の時間も短縮出来るので尚更温まるんですを使用しますね」


「シーラに温まるんですを貰った人は便利だから、みんな喜んでいるわね」


「そうなのよ、もっと欲しいと言われるし、お送りしてない人からも欲しいと言われて、ローランドに買いに行ってたのよ」


それで今日帰国したのか、凄い行動力だ。商人みたいだな。


「シーラはいいわよね、自分の船だからいつでも行けるから。でも気を付けてよ、危険海域は大きな魔物が出るから」


「大丈夫よ、迂回してるから危険海域のはじを通るぐらいだもの」


はじを通ると危険が少ない・・・・・僕の乗っていた船は何処を通ったんだ、勿論シーラさんと同じ様な所だよね。


少し早めの夕食は、シチューにパンとサラダをご馳走になった。


「美味しく頂く事が出来ました。ご馳走様でした」


そろそろ帰ろうと思い、挨拶をして席を立ち訪問と食事のお礼を言って部屋のドアの方に歩く出す。


「ユーリ君、気になっていたんだけど、その木箱は何かしら」




「この様に使います。シーラさんが冷やしたいと入れた紅茶です。ニーナさんのラム酒です」


帰る時に聞かれた木箱、冷えるんですと名前を言ったらシーラさんが『何か似た様な名前の魔道具があるわよね、温まるんですと』なので、僕は『冷えるんです』と言った、するとニーナさんが『まあ、今度は冷えるんですね』と言って、僕は『冷えるんです』と答えた。


夜も遅いからと泊って行きなさいと言われたが、まだ夕方ですとは言えないので、泊っていく事にして、今は冷えるんですを試して説明をしている。


「美味しい、冷えると違う味に感じるのね。暑い時にいいわね」


「お酒は、冷えるとのど越しがいいわよ、冷えると癖が少し無くなる感じかしら、冷えるんですが欲しいわね」


2人の視線が痛いです。ここには1個しかない。


「1個しか持ち合わせがないんですけど、どうしますか?」


「ニーナに譲るわ、私は明日船で買い付けに行くから、何処で売ってるのかしら」


「まあいいの、嬉しいわ」


流石だ、聞いた次の日に買いに行くとは、それも船で戻ったばかりなのに。


「確実に売っている所はカルテドのオンデマ商会です、他には出まわるほど知れ渡っていません」


「ローランドより少し遠いわね、でも行くわよ。そこに冷えるんですがあるんだから」


山があるからの別バージョンだな。


「ユーリ君、冷えるんですのお礼がしたいは、おいくらかしら?」


お礼を聞かれるとは珍しいパターンだ。そうだあれの為に。


「それなら、銅貨1枚を頂けませんか?ギルドに登録するのに手数料が銅貨1枚なんです」


「あら、金貨1枚でもいいわよ」


お金持ちの感覚が分からない・・・分からなくていいか、僕貧乏人だから。


「いえ、冷えるんですは一度水没してしまったので、故障と使用期間が減ってしまっている可能性があります。出来ればシーラさんに新品を譲って貰った方がいいです。壊れた時にもう在庫が無いとかだと次に手元に冷えるんですが有るようになるのに大変な日数掛かります」


「そうね、私が帰るまで持てばいいのよ」


「シーラさん、冷えるんですの改良版があるんです。冷えるんですは個人用みたいなサイズですが、改良版は、家庭用の大きさになっています。そちらの説明をしてもいいですか?」


「まあ、家庭用があるのね、説明をお願いします」


家庭用の利用方法と厨房に置いた時の利用方法を説明した。

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