航海
港に停泊している船の前に来ている。
「この船に乗れば西の大陸にいけるのかな」
小さい倉庫を探していて、大きい船の横を歩いている。
倉庫は何処も大きくて、小さい倉庫が分からない。
他にも港があるのかな、周りを見ても倉庫の小さいのはないんだけどな。
「おい小僧、こっちだ」
露店に来てくれたおじさんだ。
おじさんに付いて行った倉庫はとても大きいけど港の倉庫のなかでは一番地小さかった。
小さい倉庫と呼んでいいのかな・・・・一番小さいにしてほしいね。
倉庫の中は荷物で一杯だ。荷物の間の通路を通ると広い空間に30人位の人がいる。
「みなさん、西の大陸まで船長を務めるカーズです。西の大陸まで5日で到着します。途中に危険な海域を通らないと西の大陸には着けません。船長の私の指示に従うと約束してください。みなさんを西の大陸まで安全にお連れする為です。乗務員は白い服に白い帽子を身に付けています、分からない事など気軽に声をかけて下さい」
船長の挨拶が終わり、白い服の女の人が話し出す。
「お支払いが終わった方から、こちらのドアから船に向かってください。倉庫の前に停泊しているのが皆様の乗る船です、では前の人から順にお支払いください」
前の人達が支払いを済ませると出ていく。
みんな男の人だ。船に乗る女の人はいないみたいだ。
「君で最後だよ。お金はあるの?」
「はい、銀貨5枚です。直ぐに出航するんですか?」
女の人に船賃の銀貨5枚を渡す。
「君が乗ればすぐに出るよ」
「そうですか、では全力で行きます」
急いで外に出るとお船さんが待っていました。この船が僕を西の大陸まで運んでくれるのか。
「とう~」
ジャンプで嬉しさを表現したら怒られた。「揺れるのはいいが、他の人が落ちると危険だから今みたいな事はしない様に」と言われてしまった。
航海の説明を甲板で話し終わると出航した。
左右に7人の人が漕いでいる。船長の指示で左右の漕ぐ力を調整して、港から右に曲がった。
海に出る為の最後の門を今通りました。
「パチパチパチ」
拍手だ、感動しているのは僕だけかもしれないけど、いいのだ誰でも最初は感動するんだ。
2日が過ぎた、船は帆の角度を変えて上手い具合に風を捉えている。
僕は船の速度を速くする為に協力中だ。
手を前に出して「フー、フー、フー」
船尾で海に風を当てて速くするイメージを魔法の練習でしている。
「ハァ~、ハァ~」
新魔法をここで練習。
亀よ来い、早く来い・・・・誘導魔法
亀よ来い、早く来い・・・・移動魔法
亀よ来い、早く来い・・・・お願い魔法
見たいな近くで、お友達には何をあげればいいんだろう。
亀の魔物は何食べるのかな・・・・異世界の亀は大きくて、あれは普通の亀?魔物の亀?
「お魚が跳ねた、魔物にやられないで元気に育てよ」
お昼でも食べるかな、食事付きだったので食堂に行く。
船の中は客室が4部屋有って、10人前後に分かれて使用している。
甲板にある操舵室の裏側のドアを開けると階段が有って降りた通路の両側に部屋が並んでいる。
一番奥から客室になっていて、中央の部屋が食堂になっている。
食堂は広くないので、空いてる時に食事をする様に言われている。
入口近くの台の上に料理が乗っていて、自分で添えてテーブルで食べる。
毎日ほぼ同じメニューだ、シチューにパン。お皿に添えて空いている・・・・みんな空いているけど、入口の近くに座る。
「早起きだと、時間がずれていいな。いつも誰もいない」
早起きなので食事の時間んがみんなとずれている。
「おい坊主、屋台で売っていた様な料理はここでは出来ないのか?」
ビックリした。誰もいなかったのに、振り向くとドアが開いていて今来たんだと気が付く。
「料理するのに火を使うから危ないです、後材料がないと思います」
「そうか、材料だけでも見に行ってみないか食料庫と厨房が隣なんだ。食べ終わってからでいいから」
「それでは、見に行きます。待って下さい」
僕の言葉い嬉しそうな顔をして僕の前に座る。
「どうしてあんなに料理が美味しく作れるんだ?」
食べながら話す。
「うちは宿屋と酒場をしていて、父さんが料理好きで美味しい物を作る事にこだわっているんです。それで色々な調味料の組み合わせを教えて貰いソースは色々出来る様になりました。食材の下ごしらえは、基本を教えて貰ったので応用すればいいので意外と簡単なんです」
パンを食べて、スープを飲む。
「そうか、お父さんに習ったのか。それであんなに美味しく出来るのか」
頷いて、食事を続ける。
「実はつぼ焼きから、毎日買いに行っていたんだよ。覚えてないか?」
「ありがとうございます。名前と顔を覚えるのが苦手なので覚えてません」
「そうだよな、人気あったからな。行列の出来る屋台なんて初めて見たよ」
「食べ終わりました、珍しいからだと思いますよ」
席を立ち片付けておじさんい付いて行く。
「珍しいけど、美味しくなければあそこまでならないよ」
「そうですね」
着いた食料庫はお魚、野菜、肉、パンで色々作れるけど航海中なので出来る料理が限られる。
揚げ物は危ない、煮るか焼くしかない。後はサンドイッチだけだ。
「どうだ、何か作れそうか?」
「色々作れますが航海中なので危険が少ない料理なら作ってみてもいいと思います」
「おお、そうか。危険が少ないのなら他の料理と同じだな、船長に頼んでみるよ」
走って行くので、後ろから声をかける「船尾にいますね」
「分かった~」
おじさんが船長の許可が貰えたと笑顔で伝えに来た。
「許可が下りた、すぐに作り始めてくれ」
「まだ早いよ、夜に間に合う様にするからおじさんは自分の仕事をしててよ」
おじさんは上を見て「まだお昼だったな、俺が来なくても作り始めてくれよ。俺は仕事に戻る」
「分かったよ、頑張ってね」
「坊主が、頑張れ」
夜はハンバーグにポテトフライ、野菜スープ。
ポテトフライはとろ火で茹でてフライパンで薄く油をひいて焼いた。
ハンバーグはどんどん焼いて、おじさんに頼んで空いた席の分だけ呼びに行って貰った。
今日は盛り付けを僕がして渡していった。
船長も交代して食べに来た。
「奴が一生懸命に頼んだ料理がこれか、そんなに珍しい感じはしないな」
船長は最後なので、甲板に行く事にした。
「夜空のお星様、まだ着きませんか?飽きてきました。星と呼んでいいのかな、あれは月ではないよな。その辺は感じるのを予想、異世界だけど太陽と月はあるこれでいいのだ」
自分の手と体を見る、今更だけど人間でいいんだよな。
異世界あるあるだな、考えるのが好きだと変な事を考えてしまう。
そう、魔法と魔物以外はほぼ同じでいいのだ。
娯楽がないけどそれはしょうがない。この世界に必要ない、遊んでいる暇が無いのだ。それに娯楽にはまって他の事をしなくなるのはこの世界ではいけない事だ。
お祭り位ならいいけど、個人で出来るのは無くていい。
ゲームをしたくなるけど、徹夜しちゃうんだよね。今から狩りに行くぞ~、ついつい他のメンバーとレアのアイテム狙いで。
寝よう、明日も早い・・・・・僕だけ。
僕の料理担当は昼と夜だ、昼はサンドイッチにした。野菜サンドにツナサンド、もともと毎日同じなのでこの2種類を毎日提供する事にした。
お昼までに用意が出来たので、デリバリーサービスをする。
船長にお昼を届けに操舵室に向かった。
「ここか操舵室か・・・来なければよかった」
小声で呟いたので誰にも聞こえなかった。
「船長にお昼をお持ちしました。食べやすいサンドイッチと飲み物です」
「悪いな、そこに置いてくれ」
「では、失礼します」
船尾に来た僕は。
「操舵する舵があるだけでなにもない、そこにくつろいでいる船長。見たくなかった・・・お父さんの仕事であれを見たら、くつろいでいる父さんが食事してた。仕事はしてなかった」
あそこはつまらない。2度と行きません。
6日目のお昼過ぎに危険海域に入ったと船員が伝えに来た。
7日目のお昼すぎには付く予定だから後1日で西の大陸に着く。
船の揺れが酷くなり、横になっていると荷物が少し動く。
いつもなのか、僕と同じ部屋のお客は荷物を持って平然としている。
すごい揺れがきた、自然の力ではなくて誰かに無理やり力を加えられたような感じがした。
「皆さん、急いで甲板に出てくれ、荷物は置いていってくれもう危ない。小船が用意出来ているからそれに乗ってくれ」
「急げ~」「やべえぞ」「運が悪かった」「命の方が大事だ」
みんな荷物を持たないで出ていく。僕も慌てて皆に続く。
甲板に出ると小船に乗って海に落とされていくのを見た。
「船が沈む時と同じだ」
映画とかで見たシーンがいま現実に置きている。
すごい揺れで最後の小船に乗る事が出来て落とされる。落としてくれた人が海に飛び降りた。その人を皆で船に引きずり上げて、乗ってきた船を見ると・・・・・・・クラーケンが巻き付いていた。
「ギ~シ~、バ~ン、バララ~、ズゴ~ン」
船の真ん中が折れた。船を壊して満足したのかクラケーンが海に沈んでいった。
「助かった~。俺の船が」
横に船長がいた。
「ああ~、名刀お姉さんが~。海の中に」
「何、お姉さんが船にいたのか・・・・女性は乗ってなかったぞ」
「僕の剣の名前です」
「そうか、剣の名前か・・良かった」
良くないよ・・・潜れないほど深いよねここ。
海面から下を覗いたが見えるはずがない。
折れた船も沈んでいった。
助かった事に喜んでいる者と荷物がなくなって悲しんでいる人がいる。
僕は悲しんでいる方だ・・・・・これからの冒険を名刀無しでしないといけないのか、武器屋さんあるかな。
「ゴトン」
船の船体に何か当たったみたいなので確認すると、冷えるんですが浮いていた。船の真ん中の厨房に置いといた冷えるんですが船体が真ん中で割れたので浮いている。
「荷物がこれだけ・・・・干し肉も海の底」
陸で見たいと言っていたクラケーンに襲われた。いつ言ったんだ、覚えてない。
今は感動が出来ない。




