出来た~
「そんな、これが完成品なのか、僕のかき氷は」
「あの駄目なんですかこれでは、図面通りに出来ていて完成したのですが」
僕は目の前の基盤みたいな物から出る線を見て「風が出るような物になるのかと期待していたんです」
「そうですか、私達の仕事は終わりました」
それだけ言うと魔道具の図面研究者はいなくなった。
「ここからは、私達の担当です。私達は魔道具の研究チームですが、実際の応用は街の工房で受付て魔道具として登録する事になります。私達は王都のお城としての使いみちがあるかを研究してます」
今の段階で氷が出来ないのを分かってしまったので、僕は予備を借りて何が出来るか考える。
前世が科学の進んだ世界にいたので直ぐに気が付いた。
おじいちゃん、真似でいいでしょうか、これは魔道具の第二弾になります。
アイデアは2個あります。1個は贅沢品だけどみんなが欲しくなる。
もう1個は、ある特定の人が欲しくなる物です。
魔道具は贅沢品なので購入が限られます。
真似でも作ることにします。僕以外に気が付くとしても時間がかかります。
まずは研究チームの皆さんの研究で僕の考えてる魔道具の有効な形を考える。
「ユーリ君、どうです、冷たくなっていますよ」
台の上の研究を手で確認する。
簡単な実験をしている。出ている線に鉄を付けて冷えるか確認をしていて冷えて来た。
「いい感じですね。もう1個付けて確認したいです。お願いします」
「はい、皆さん、今度は2個で確認します。最高温度と持続できる温度のデータの計測をお願いします」
各台で同じ事をしてデータを取っている。流石研究者だ、データの数を増やして誤差の確認もする。
2個が終わって3個に、3個が終われば4個と数を増やしていった。
「どう使えそうなデータは取れた?」
データを見せて貰い。僕の考えてる魔導具が作れるのが分かった。
「どうだユーリ、上手くいっているかい?」
魔道具が作れるのが分かり、侯爵様の屋敷に帰って来た。
研究チームのお陰で後はどの様にな物にするか、僕だけで考える。
「早ければ明日には商品の試作品までいけそうです」
「そうか、どんな物を作るつもりだ」
「明日に夕刻にこないだの部屋で皆さんに驚いて貰います。今は秘密です」
「国王様と殿下にもお見せしていいのか?」
「侯爵様はどう思いますか?、その瞬間にいるのと後でそんな物が有るのかと、同じ知るなら僕ならその瞬間にいたいです」
「そうだな、その瞬間か楽しみだな」
国王様の執務室に国王様と両殿下がテーブルの前でビールを飲んでいる。
僕がお願いして普段通りの飲み方をして貰っている。
「あまり飲まないで下さい。どうですか美味しいですか?」
両陛下が「「冷えていて美味しい、いつものビールだ」」2人の意見は同じようだ。
国王様の「飲み慣れている、いつものビールだ」
侯爵様も同じ意見の様で頷いて国王様の横でこちらを見る。
「少しお待ち下さい」
壁際に置いてあるテーブルの魔導道具からトレイにビールを載せる。国王様の前のテーブルにビールを置く。
「どうぞ、先程のビールと同じです。お飲み下さい」
みなさんはどこが変わったのかと上から見たり横から見たりした後に手に取る
「これは、持った瞬間に冷たいのが分かる、中のビールも冷えているのか」
兄殿下が他のみんなの言いたい事をおっしゃった。
弟殿下が「飲んでみましょう、冷えてるはずです」
皆さんは、頷いて飲みだした。
「上手い、冷えてるとのど越しが良い」
「美味しいです。国王様、今の暑い時期に冷えたビール、凄い贅沢です」
「まさかあの図面からこの様な魔道具が作れるとは見事だ、ユーリ」
「出来た魔道具を見せて貰えるかな」
僕は考える、後何日かしたらこの試作品よりも販売出来る商品が出来る。
準男爵は僕には無理で、間違えた答えを国王様は出した。
準男爵は断るが、今は断ってはいけない。それが試作品でも見せよう。
「お見せしますが、これは今の段階で直ぐに効果を確認する為の物で、最終段階の完成品ではありません」
僕は、壁際のキャスタ付きのワゴンを押して来て、木箱の前の布を取る。
木箱はビールのジョキが横に4個並ぶ様になっていて、各ジョキの上にL型の棒が横の仕掛けでジョキに入る、出るが出来る様な仕掛けになっている。
棒が入っている時に魔道具のスイッチを入れるとL型の棒が中の液体を冷やす仕組みになっている。
分かる様にみんなに実演してみると、弟殿下が真似をしてみた。
箱の横の棒が入る、出るを決めるのでそこを動かしている。
「この棒で液体を冷やすのか、液体が少ないと棒に当たらないな」
「そうです、長い棒にすればいいので、そこは気にしなくていいと思います。問題は衛生面が難しいです。棒の部分の掃除が大変なのと効率よく冷やせないので時間が掛るんです」
「そうか、直ぐには次のビールが飲めないのか、それでも冷えた物が飲めるのはいい事だ。ユーリこれを僕にくれないか?」
「はい、どうぞ」
弟殿下に欲しいと言われれば嫌ですとは言えない、それにこれは試作品、完成品は数日後には出来る予定だ。
「やけに、簡単に譲るなユーリ。何か考えがあるのか?」
国王様にバレたかな試作品だと。
「分かりますか、今のは試作品です。冷えた飲み物がどんな風に出来ているのか分かる様に急いで作りました。国王様も今回の図面でどんな物が出来るのか知りたいと思いまして」
「そうだ、確かにどんな効果が起きるか知りたかった。ユーリ、褒美に何が欲しい。準男爵の話は無しでいいぞ」
考えなくても答えは出ている。
「この魔道具を改良した完成品を僕の権利にして下さい。そして販売の許可も欲しいです」
僕は片膝を付いてお辞儀する。
公爵様が僕を見て笑っている。
「それだけでいいのか、魔道具は製作者に権利があるので褒美とは言えないが」
「それは違います、国王様から権利を頂いた事が褒美です。街の工房で貰う権利とは違います」
「アハハ、面白いなユーリ。国王様、変り者です。国王様の口から権利を頂きたいみたいです」
国王様が大きく頷いて「魔道具・・・・名前は何と付けるつもりだユーリ?」
「はい、それは・・・・・・冷えるんです・・です」
「良い名前だ。魔道具の冷えるんですの権利と販売をユーリ、貴公に許可する」
「ありがたき幸せ、国王様に完成品の冷えるんですを後で程献上したいと思います。急ぎ完成させます。これにてご免」
僕は急いで、ローランド王国最高の工房に走る。
「おい、ユーリ。僕達には完成品はくれないのか?」
城の中なので走れない僕、急ぎ足の僕に付いて来て、冷えるんですが欲しいと言っているので、お願いをする。
「欲しければ、命令して下さい」
「僕達にも下さい」
あれ、これて命令になるのかな、まあいいか。
「命令なので、国王様の後になりますがご用意します」
「おお、約束だぞ、疲れた~」
疲れた~と言ってその場に立ち止まる両殿下。
「冷蔵庫が出来た、冷えるんです1号機だ」
お城の工房の皆さんに手伝って貰い出来た。
冷えるんです1号機は実は冷えるんですの改良版だ。
「よし、国王様に献上だ」
僕は両手に挟んで歩き出す。
「ええ~、持てるんですか、そんなに重いのに」
「そんなに重くないですよ。持ってみますか?」
「それ運ぶのに3人で運びましたよ」
僕は完成までの間に色々と試行錯誤して何とかここまできたが、冷風と温度があまり低く出来ない事を考えて、最低温度を効率よく伝える方法と断熱効果を取り入れるのをお城の工房職人さんの今までの経験と知識を借りる事で冷蔵庫が出来た。風が出ないので冷やす為の工夫で、容器を伝熱効果の良い銀メッキを使った。容器は色々な形とサイズを作った。食品を入れるので衛生面も考えた。全て鉄に銀メッキして伝熱効果と装飾品の様な綺麗な器が出来た。
後ろから、色々な容器が入っている木箱を持ってくれている。
警備の人に木箱を預けて、お城の職人さんは工房に戻って行った。
「これがユーリの完成品の冷えるんですなのか、家具の様な大きさだな」
僕は中の板の固定が出来ているか確認をしている。
後ろには、国王様と両殿下と侯爵様。極秘を知る人たちが見ている。
「こないだの物と違い、大掛かりな物になっているな」
侯爵様が前回の飲みだけしか冷やせない試作品と国王様専用の冷えるんです改と比べている。
個人用なら試作品より少し大きい物を考えてるが、国王様専用なら入れられる数の容量が多くないとダメだ。
「この中に棒が落ちてくる仕掛けがあるのか、ユーリ」
兄殿下が試作品の時の鉄の棒の事を言っている。
「試作品では鉄の棒で冷やしましたが、この国王様専用の冷えるんです改は容器が冷えやすい素材と加工がされているので中に置くだけです。置いた場所が冷える効果の板になっています」
「入れるだけで、後は冷えるのを待つのか」
弟殿下は開けたり閉めたりを繰り返していた。
「ユーリ、よくぞ作り上げた。使わせて貰う、しかしなぜこんなに大きいのだ?」
「国王様には家族が大勢います、来賓の人も多いはずです、冷えるのに時間が掛るので大きい方がいいのと、違う飲み物も色々入れられます。冷えた水なら沢山入れとけばこれからの暑い夏に冷たい水を飲む事が出来ます。国王様専用は大きくて当たり前なのです」
「そうか、私の用途に合わせたサイズ、心遣いに感謝する」
「いえ、僕の方こそ、秘密の図面の応用の許可を頂き感謝しています。冷たい飲み物が飲める、ビールの様に冷たいと更に美味しく感じる物が他にもあるかも知れません、冷えるんですは新しい可能性を試せる物になるはずです」
嫌な予感は当たる、冷たいビールで美味しい物を食べたいと国王様が言いました。
誰でも可能性を試したくなる。冷たいビールと美味しい食べ物。
ここで提案された侯爵様の提案?進言は「美味しい物ならユーリが作れますよ」みたいな事を言った。
国王様と殿下に何をお出しした方がいいのか、分からない。
「食べれない物はありますか?」と聞いたら、「特別に嫌いなものは無い」と王家の皆さん。
考えました、食べたことがないといいな。
「この食べ物はなんだ」
「串カツです。このソースを付けて食べます」
「それは冷えてるサラダです」
「冷たいとサラダも美味しいな」
「鶏の唐揚です、塩を付けて食べて下さい。こちらが味付きの鶏の唐揚げです」
「この変な形の食べ物はどうやって食べるのだ」
「塩が効いてますのでそのまま食べれます」
用意した料理は、串カツ、鶏の唐揚げ、ハンバーグ、サラダ、ポテトフライ、お新香もどきの6種類と冷えたビール。
王家の皆さんは初めての料理にはまってしまって、レシピを買い取ると申し出たので「この料理は誰でも真似できるのでお城の調理長はもう作れると思います」
侯爵様は鶏の唐揚げを気に入り、セシルちゃんも喜ぶだろうと言った。
冷たいビールと美味しい食事の夕食会は終わった。




