そこはオーク王国?
農家に仮眠を取らせてもらい、朝にはカルテドに着いた僕は家にリュックを取りに行く。
まだ起きだしてない姉妹のドアを開けて「メシルさんが、私は元気よ、あなた達も元気に頑張るのよと言っていたぞ」
聞こえたかどうか分からないが、母さんが後ろで「お帰り早いのね」と言っていたから大丈夫だろう。
父さんは無言だったのは当たり前だ。
ポール子息の屋敷で「朝早くすいません、急ぎです。ジェシーと旅に出ます」と言って入れてもらった。
急いでる僕はジェシーにお任せで、ボラジュに到着した。ジェシーの頑張りでお昼過ぎに到着、猫の宿の裏庭で。
「ジェシー、ここは汚いけどのんびり休めるから帰りまで疲れを取るんだよ。世話はテレサさんがしてくれるから帰りに会おう」
振り返るとテレサさんがいる。
思うんだけの僕の知り合いは後ろに立ってゲンコツを落とす人が多いいな。まさに今ゲンコツが降ってくる。「痛いなあ、まだ悪口言ってないのに」
「先にしてもいいでしょ、久しぶりねユーリ。どう姉さんは元気にしてた」
痛い頭をさすり「元気だよ、もうすぐ赤ちゃんが生まれるよ。生まれたら見に来てと言ってたよ」
「まあ、そうなのおめでたなのね。私もなのよ」
なぬ、お腹お見る。まだ膨らんでない。
「まだ目立たないわよ。つい最近分かったんだから」
この世界に産婦人科があるはずもない、妊娠検査薬もない。
僕の記憶では、ドラマでは3ヶ月ぐらいでみんなに報告してるのが多いけどそれもよりも早く分かるはずだから、2ヶ月前後だとお腹はあの通りぺったんこ。
「やあね、お腹見てもまだ先なのよ、夏になる前、春と夏の間ぐらいだと思うよ」
「おめでとう、次は男の子ですね。名前はユーナがいいです」
「何性別を決めて名前まで決めてるのよ、それも女の子の名前だし」
「急いでるので、また来ます。ジェシーをよろしく」
「何処に行くのよ、泊らないの?」
「マルネ村に行きます、討伐クエをしたいので」
「分かったわ、お土産を忘れないでよ」
「頑張ります」
テレサさんが井戸の水を汲もうとしたので、代わりにした。
「まだ大丈夫よ」
「気を付けてよ、ソラちゃんの弟なんだから」
僕は荷物を持って走る、ギルドに。
掲示板に向かう僕の前を急いで掲示板の依頼書に何か書き込んでいる。いつものお姉さん。
後ろから覗き込むと書き直している。
「その報酬、書き直していませんか?」
後ろを見たがどんどん書き直していくお姉さん。
もしかして僕のせいかな。
お姉さんの手を止めて直してない依頼書を見る。
「オークの討伐クエ、1体大銅貨2枚、何体でも可。書き直してましたよね」
「いいえ、そんなことしてないわよ。報酬は1体大銅貨2枚よ」
書き直した方を見ると大銅貨1枚になっている。
大袈裟にため息をつく「はぁ~」
「いいですよ大銅貨1枚でも、他の人に悪いから、直しといてくださいよ」
僕は依頼書を取って渡す。
「お願いします」
「ありがとう」
お姉さんは更に書き直して処理をしに行った。
僕は少しでも経費が減ればとクエを受けてるだけなのでそんなに報酬の金額は気にしていない。
「気を付けるのよ、去年よりも多くいるみたいだから」
「分かりました。ワームも増えてるんですか?」
「増えているらしいのだけど、新しい武器が役にたっているらしいわよ」
いい響きだ。新しい・・・名刀。
この街で名刀探したかな、覚えてないな。
「行ってきます」
「まずい、マルネ村に入れなくなる急がないと」
リュックにオーク肉を詰めていつもの様に走る。
崖を登り村を目指す、近くていいよな。
ボラジュからマルネ村に向かわずに崖の下でオークを10体倒してマルネ村に向かって走っている。
見張りのおじさんが見えた。
「セーフ?」
「セーフだ」
間に合った。セーフは僕がおじさんに教えた。
「どうしたんだ、今着いた様には見えないが」
おじさんは今着いたのかと言おうとしたが、僕を見れば崖の下のから来たのが分かる。
「今回は短い期間しかいれないんだ。7日間しかいられないんだ、よろしく。はいオーク肉」
「いいのか、何か理由があるんだろ」
「お金は全部使ったから、その穴埋めなんだ」
「おい全部て、あんなに稼いだのに何に使ったんだ」
僕は考える一番の消費は貴族様の子供達のお昼だよな。
「僕が学園に通ってるのは話したよね」
「ああ聞いた、平民なのに何で僕がとか言っていた」
「そうそう、それで学園の貴族の子息に令嬢にお昼を奢って、お金のほとんどを使った」
「その、平民は奢る決まりでもあるのか」
「その辺は経緯は今度話すよ、僕眠いから行くね」
「ゆっくり休んで頑張れよ。オーク肉、ありがとう」
「またね~」
とぼとぼと歩いてギルドの買い取り所に向かう。
「ギルマス、眠いです」
「久しぶりだなユーリ、どうした?」
「眠いので早く買い取りをして下さい、9体分です」
台に載せられたオーク肉を確認していくギルマス。
「9体と半分以上あるぞ」
「おまけにどうぞ」
「いつもすまないな、4.5銀貨だな」
ふむ、銀貨4枚に大銅貨5枚だ。
「カードに入れて下さい」
カードを受け取り処理が終わると「眠そうだな、子供なんだからよく寝ろよ」
「は~い」
トボトボと歩き出す。急いでリュックを買いに行く。
「6個下さい、カードです」
会話も少なく支払いが終わると宿に向かう。
「おいユーリ、ドアの前で眠るな。今着いたのか?」
あれ寝てたのドアに手が掛かっているが、体はだらしなく地面とドアに寄りかかっている様だ。
この体勢辛い。宿屋のおじさんに立たせてもらい中に入る。
「おい歩けるか、奥が空いてるぞ。いつもの部屋だ」
「大丈夫、少し寝たみたい」
「清算は明日するね」
「分かった、よく休めよ」
知り合いのみんなによく寝ろと言われた様な気がする・・・・・ベットの上だ。
滝の裏の洞窟、大樽があるが使わない予定だ。今回はリュック作戦だ、大樽に詰め替えするぐらいならリュックのままでいいのだ。
「久しぶりにリストバンドを外すか、結構重いかも知れないなこれ。全部外そう」
体のお腹の部分、足の太もも、足首とこれで全部。
「1年ぐらい付けてたな、体全体が軽い。この重りの重さどの位あるんだ」
名刀お姉さんを持つと、軽いこんなに軽いのか。名刀お姉さんは両手剣なのに。
「名刀が軽いのか、僕に筋力が付いたのか分からないぞ」
脱いだ重り入りのバンドを見て「先人の知恵の効果だ」
100均でも1キロのリストバンドが売ってたけどあれ軽すぎるんだよな。
2キロで200円で売るとか考えないのかな。
「まずい、オークを倒さないと作戦が」
リュックを背負い走り出す右に行こう。滝の洞窟から右に向かう。
滝から河原の横の先は森で、森の中はオーク王国?
「まずいよこれ、崖から上がって来れないと思うけど、カルテドの市場のお客位はいそうだ」
信じられない程いるオークの大群、昨日よく無事に10体も暗い中で戦えた。
「リュック200個で足りるか分からない位いるよね」
作戦が必要だそれも1人で戦う作戦が、そもそも人間が魔物1000体相手にするておかしいぞ。
トータルならいつか倒すかもしれないけど、ここから見えるオークに、向かって行ける人はいないよな。
あの魔法軍団でもきつそうだ。どうする、逃げるが勝ちの言葉があるけどそれは平和な人の発想だな。
騎士団だってワームと戦って怪我しても向かって行くんだから僕にも出来る。
姑息な手を考えよう。
大声で「お前の母ちゃん出べそ、この後忘れた。かかって来んかオーク」
凄い数来たな。名刀お姉さんを握っている手に汗をかく。
「母さんさようならオークを道ずれにします」
向かって来たオークを全力斬り、集中してオークの動きを見て次々に倒す。
5体まで倒したが、その後は集団すぎて無理そうだ。
そこで、僕は横に飛ぶ。
「ざぶーん」これは僕の声、実際は「ドボン」
僕の作戦はオークを呼んで倒せるだけ倒す、危なくなる前に川に飛び込み反対岸にそこで迎え撃つ作戦。
名付けて川渡れるかなオーク作戦。僕より速く泳げるはずがない。
新潟のおじさんは若い時に佐渡まで泳いだらしい、僕はそこで帰りも泳いで来ないと認めないと言ったら、俺を殺す気かと言われた。佐渡までどの位あるんだろう、面倒なので確認した事が無い。
ネットで直ぐに分かるはずだが、どうでもいい。佐渡金山にまだ金が有るのかが気になる。
そうだ、あの幽霊の出た家の時にスイミングスクールに通っていた。電車賃が勿体ないので一駅歩いた。
あれ、子供だけだと無料じゃないはずだよな。無料なら15分ぐらい歩かなくてすんだんだな。
色々考えていた僕の前にオークがたどり着いた様だ。
「待っていたぞ、あまり遅いと予定が狂うだろ」
説教の後に攻撃に移る。本当は川岸から川の中にオークが居る状態で戦いたいがお肉が流れて行くのが困る。
忘れていたがこちら側のオークには気づかれていない様だ。
「あれ、お疲れですね。魔物は川を渡った事が無い?」
おおいいぞ、運がいい。
お疲れのところ悪いがどんどん倒していく。この作戦を5回ぐらいしてだいぶ倒したと喜んだが解体をしてない。
「全部で8個のリュックにどんどん詰め込むぞ」
川岸で倒すのいいかも、解体もしやすい。残った部位もまとめて焼こう、普段はしないけどまだまだ倒すから。
詰め込んだリュックを崖の上に運ぶ、草原を見てここから村まで道があれば荷車で来れるのにと思う。
「おじさんおはよう」
「おはよう、早いな。いつ崖下に行ったんだ」
「日が昇る前かな、疲れが取れたので起きたら直ぐに行ったんだ」
「どうだった、聞いた話だとオークが増えてるらしいからな」
僕は考える、本当の事を言った方がいいのか、それとも言わない方がいいのか。
「そうだね、少し増えてるかな。危険だから村の人は崖下に行かない方がいいよ」
「そうか、増えてるのか。ああ、この村の者は降りない危ないのが分かっているからな」
「鞄持って来た?」
おじさんは鞄を持ちあげて「そう言ってくれると思って持って来たよ。仲間にも伝えた」
「眠くて言うの忘れてたんだ。後で鞄を持って行くね。そっちのおじさんも後でね」
「ありがとう、よろしく」




