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河原で大会

今日もキャンプファイヤー。


僕は横になりながら干し肉をかじる。美味しい。


魔物も近くにいないのか、騒がしくて近づいて来ないのかどちらだろう。


安全ならそれでいいけど。


「キャー」


悲鳴が聞こえた。


声のする方に急いで行く、聞こえたみんなが集まっている。


川に誰かが落ちた様だ。


この川は流れが中央では速いそして深い。


「誰か落ちたぞ」


「あそこだ」


「流されてる」


見ているが助けに行く者はいない。


ああそうか、これ僕に決定だ。急いで着ている物を脱いで下はズボン。


流れている先の方にある大岩に走る。


大岩からなら中央に行き易く、まだ流れて来てないので追いつける。


「誰か~、ごほ、」


タイミングを計り走って中央まで飛ぶ。そこから流れに合わせて近づく。


沈みかけそう手を掴み首に手を回す。


「いいですか、僕が貴女の下に移動しますのでその状態のまま僕の首に両手を回して外れない様にしてください」


何とか流れに逆らわずに浮いていれたけど川から出る為の行動をしないと。


「いきますよ」


「はい」


僕が背負う様になって泳ぎだす。


流れに逆らうと疲れるので、少しずつ岸を目指す。


緩やかな岸の方に来れたのでもう大丈夫だ。


足が付いたので、お姫様抱っこに変えて岸に歩く。


「もう大丈夫です、お怪我はありませんか?」


「ありがとう、ユーリ」


髪が濡れてて分かりづらいが、リリー嬢かな。


「リリー嬢でしょうか?」


「まあ、分かりませんの、リリーですわ」


合っていたか、女の子は髪が長いからほどけていると別人に見える。


川から上がりどうするか迷う、おんぶと抱っこどちらが適しているんだ。


それとも一緒に歩く、おんぶだ。おんぶなら走ってキャンプ地に戻れる。


「おんぶは知ってますか?」


「子供の頃に父様がしてくれましたわ」


今は子供に入らないのか・・


「それで、みんなの所に戻るのに僕におんぶをさせて貰えませんか、走るのが速いので早く着けると思うんです」


「まあ、そうですか、ではお願いします」


僕は屈んで背中に乗ってもらう。女性は軽くていいな。


「走りますので、首に手を回した下さい」


「はい」


それでは、全速力でキャンプに走るか。


「行きます~」


川の横を走る森の中だと暗くて危ない、月明かり?があるので足元は見えないが周りが少し見える。


「キャー、キャー」


誰かの悲鳴が耳元で聞こえる。リリー嬢?


「どうかされましたか?」


速度を緩めず先を急ぐ。


「速いです、怖いです」


なぬ、速くて快適なのに。ここは暗黒で行きましょう。


「リリー嬢、怖ければ目を瞑って下さい。直ぐに着きますから」


「分かりました」


ん、前方に人影が多数、みんな探してくれてるんだな。


「何とか川から出られました、野営の場所に戻って下さい」


「おお、ユーリありがとう。リリー様を助けてくれて。私が変わろう」


「急ぎますので、付いて来て下さい」


僕は申し出を断り先を急ぐ。


「おい待ってくれ、そんなに速く走れない」


僕は顔だけ後ろに向けて「風邪をひくと悪いので先に行きます~」


フレディ子息を置いて更に加速する。


キャンプファイヤーが見えてきた。


キャンプファイヤーの前に立つて貰い。近くの小屋にリリー嬢が横になれる所をアジス嬢に頼んだ。


「いま、小屋の用意が出来ます。みなさんが敷物を貸してくれるので、その中に裸でいて下さい。服はフレディ子息が乾かしてくれるはずです」


「分かりました、ありがとうユーリ」


迎えに来たアジス嬢にリリー嬢を任せて一休み。


自分の服を着て下は履いたままで火の前に立つ。男はこれでいいのだ寒くても我慢。


「ユーリ、速いぞ。はあ、はあ、はあ」


戻って来たフレディ子息は息が荒い。


「リリー嬢は、他の令嬢に見て貰ってます」


「そうか、寒かったであろうな。よく助けてくれた。僕は近くにいなかったんだ」


「水に中に光る者が見えたらしくて覗いたら落ちてしまわれたようです」


アジス嬢が来て。


「はい、リリー様の服。乾かしてあげるんでしょ」


フレデイ子息が服を受け取る。


「ありがとう、乾いたら持って行くと伝えてくれ」


「分かりました、こっちは任せて」


フレディ子息はリリー嬢の服を僕はズボンを乾かす。


「寒くないのかな?」


「敷物をみんなが貸してくれていますので温かいはずです」


「そうか」





「ズボンを乾かさなくてもよかったかも、走って来れば乾いたよ絶対に」


オークを倒して先に進む。この通路はシュラさんの所に繋がっている。


この通路はオークがよくいる。前回よりも更に減ったのか、シュラさんが見える位置でオークと戦っている。


「ユーリ、そこで何してるのよ、ラム酒は?」


解体が終わり、リュックに詰め込んでシュラさんの前に来た。


「ラム酒はありません、ここに来る予定がなかったから持って来てないよ」


「来る時は、か・な・ら・ず・持って来てと言ってるでしょ」


ご不満のドラゴンのシュラさん。


「次持ってくるよ、どの位の飲みたいのさ~」


考え込み白いドラゴン、可愛いが興味がラム酒だけだからな。


僕が来る様になってあまり寝てないよな。


「樽がいいわね、ユーリも前に持って来たでしょ。4個位あると次の日も飲めそうね」


お金ないんだよね。まあいいか、何か考えよう。


「分かったよ大樽で4個ね」


「言ってみるもんね~」


「入口までお願い」


「どうぞどうぞ、乗って下さいな」


何でか、話し方が変わった。





僕の前に立ってお辞儀するリリー嬢。


「昨日はありがとうございました。お陰様で助かりました」


「どうですか、疲れは取れましたか?」


「はい、このとおり元気です」


僕は頷いて「それはよかったです、大会に間に合いましたね」


リリー嬢は可愛く小首を傾けて「大会ですか?」


「そうです今日は大会が行われます」


「大会てなんだ」「何をするんだ」


大会の言葉に近くにいたみんなが集まって来る。





お昼を食べ終わったみんなが河原に集まる。


司会、進行はカタル子息だ。


ルールは簡単なのでお任せした。


「では、右がリリー様率いるAチーム。真ん中の印の方を向いて、綱を間に交互に並んで下さい。右側のリリー様が印を掴みます、次に左側の人はリリー様の次の印を掴みます。今と同じ様に後ろの人も印を交互に掴んでいってください。エミリー様率いるBチームは左側で、真ん中に向かってAチームの様にして交互に並んで準備して下さい」


両チームの準備が出来た。


「これから始めますが、横に動かないで下さい。怪我をしますから、動きは前と後ろだけです。真ん中の印がどちらかの陣地に入ったら終わりです。自分達の陣地に綱を引っ張って下さい。では始めます、準備はいいですか?」


「「「「「は~い」」」」」「「「「「「いいですわ~」」」」」」「「「「「負けませんよ」」」」」


「はじめ~」


ついに始まった綱引き大会。チームは6チームで女子3、男子3チーム。


最初のリリー嬢率いるAチームが勝った。


練習を兼ねて総当たり戦をしている。


僕はどこのチームでもない。みんなからは「ユーリがいたチームが勝つ」と言われ観戦する事にした。


みんなが綱引きをしている間にハンバーグの準備をしている。


男女の優勝チームにはハンバーグが1個おまけで3個になる。


今日は時間があるのでよくこねて、より美味しくなる様にする。


「コネコネコネコネコネコネコネコネ猫猫猫猫猫・・・・・猫」


猫か、小4の時飼っていた。夏にお爺ちゃんの居る新潟に行って帰ってきたら逃げたと、名前はタマ。


中学位にタマを見かけた、魚屋の木箱の上で寝ていた。


太っているがタマだった。しかも弟の友達の魚屋さんだ。


返して欲しいとは思わなかったが、魚屋さんかいい所に行ったなと思った。


うちは肉食家族なので、魚はあまり買わない。おめでとうタマ一杯食ったんだねと思った。


「コネコネコネコネコネコネコネコネコネコネ・・・・今度は言えた」


準備は終わり、大会を見に行く。


男子の決勝戦は終わっていた。女子は最初の練習の時と同じ組み合わせだ。


Aチーム対Bチームの試合が始まって両チーム最初は均衡していたが、まあ結果は見なくてもあの人がいるチームが負けるはずはない。


「勝った人達来て下さい~」


やはり一番はエミリー嬢だ、後ろも変わらない。同じチームになったのか、まあいい、いつもの3人だ。


ポール子息はいなそうだな。


「おめでとうございます、エミリー嬢」


「ユーリ、ありがとう。なるべく大きのでお願いします。頑張ったのでお腹が空きました」


「わかりました、ではこれとこれとこれが大きいですね」


温まるんですに載せると急いで自分の敷物に戻って行った。2人にも大きいのを選んで載せた。


「ユーリ、ありがとう。美味しく頂きます」


「ユーリ、ありがとう。後で確認に来て下さいね」


「分かりました、配り終わったら見に行きます」


優勝した男子チームは女子チームに先を譲った様だ。貴族様は偉いな。


女子の優勝チームに配るのが終わると男子チームが来た。4人目にスコット子息が並んでいた。


「おめでとうございます。お勝ちになったんですね」


「あたり前だ、僕のチームは強い」


「すいません、早く行ってください」


「何だと、平民」


自分の場所に戻って行った。


優勝チームの最後の生徒はフレディ子息だったが、悲しそうに3個のハンバーグを見てるので。


「どうぞ、余ると思うで」


「ありがとう」


あの人はどれだけリリー嬢を好きなんだ。分からん恋愛の神も・・・


後は手早く配っていく。みんなに配り終わったが、一杯余ってしまう。


「まだ余ってます、欲しい方は並んで下さい」


後ろに置いてある丸まっているハンバーグの種を取り、振り返ると目の前に温まるんですに3個のハンバーグが美味しそうに焼けていた。


「えっと。もう焼けてますので食べれますよ」


「ユーリ、並んでます。わたし」


そうだよね。エミリー嬢の後ろを見ると常連さんが並んでいた、今度はポール子息も並んでる。


まあいいか、後ろに凄い数の人が並んでるので手早く載せていく。





「え~、みなさん大変すばらしい小屋を作りましたね。では帰ります」


まあ、いつもどおりだ。


頑張ったみんなは小屋を18個建てた。ツリーハウスは2個。河原に水浴び用に作った小屋2個。


河原から見ると小さな村が出来てる。


暇つぶしにしては、やりすぎた様な気もするが生徒が75人もいればこの位出来るのかと思った。


暇が潰れて良かった。


3年生は合宿の後に5日間の休みがあるらしい。もしかして精神的に疲れるからかと考えた。


僕は自作でロープを作るのを学んで、これいつか何かに役にたつかもと思った。


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