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待ってました

「そうだったんですか、自習とは待機の意味だったんですね」


「まあ、クラスで自習していて呼び出しがあれば大森林に向かうんだ。この時期から休みになるまでの間に大森林では、魔物が大量発生する、それを3年生が実戦として数十人の生徒で討伐するんだ」


「それはいつ頃説明を受けたんですか?」


「説明は受けてないよ、毎年の事だから説明をしてないんだ」


それは貴族の常識なんだろうか、誰でも知ってるみたいに話してるぞ、僕のクラスの誰かさんは。


最初のお昼の時間は、呼ばれた生徒がいないからラウンジで人数が少なく感じたんだな。


「それに冬の社交界では毎年大森林の討伐の話が話題になる。今年の冬は魔物は多かったとか来年はどうだろうか、怪我人は出たのかと」


「ありがとう、全然知らなかったよ」


僕がお礼を言うと自分の席に戻っていった。


この学園は少し変だな、生徒が情報取得を頑張っている?それとも貴族には情報取得能力が必要で説明を省いて自分で情報を集める様に仕向けている?


職員室に行ってスパイ活動でもしている生徒がいるのか。


「・・・・・・・・・・・・・・以下の4名は南門に集合。急いでください」


クラスから呼ばれたであろう4名が自分の装備を確認して走っていく。


クラスにいれば放送で呼ばれるのか。


怪我人が数名出たが命にかかわる様な重傷者は出なかった。


始めの頃に呼ばれた生徒は先生から見て戦闘力のある生徒が呼ばれたらしい。


コボルト、ゴブリン、ベア、ワイルドベア、ジャイアントベアが大森林には生息している。


最初の日が、一番魔物が多かったが様で魔法軍団が倒したのであろう、次の日が僕を含めた生徒が32体の魔物を倒した。


毎日誰かが呼び出されていた。


3年生が大森林の魔物の生息数を減らし合宿が始まる。


休み前の合宿まで40日位ある。




「ユーリ、手紙が来てるわよ」


学園から帰って来た僕に母さんが、手紙を渡す。


「誰から来たの?」


「侯爵家の人が持って来たのよ」


ついに来た、ドラゴンの情報が自分の部屋に行こうとしたら襟をつかまれて。


「あと、本も渡されたのよ、はい」


どうして一緒に渡さないのかな。


「ありがとう」


本を受け取り手紙を読むために部屋に行く。





ベットの上で考える。


手紙には血液と剣のお礼が丁寧な言葉で書かれていた。


ドラゴンの事で今現在どこにいるのか、分かる者がいなかった。


王家で伝えられている話では7種類のドラゴンが実在していた事。


7体のドラゴンが確認されたのは、それぞれ違う年に少数の者が見た。


ローランド王国では3.4体がいる可能性がある事。


他のドラゴンは、海の向こうのガーベラス王国にいる又は、昔確認されたことがある。


これが重要だ。カルテドの東にあるメルーン、メルーンから北の街道沿いに山脈に続く道がある。


その道の遥か先にある山がドラドラ山と呼ばれていて、その山頂にドラゴンがいると地元の村では言われていた。


今、休みの旅先が決定しました。


国王様、すごい褒美です。何もしてないのにいいのかな。それにもし海の向こうに行けるなら全てのドラゴンと友達になれるかもしれない。


それにそんなすごい冒険が出来るなんて幸せだ。


どうする、わくわくが止まらない。


この世界の海を見たこと無いけど、恐ろしい魔物が海にはいるよな、蛇の魔物カー何とかにタコのクラケーン、海に引きずり込みむ人魚、後はクジラの魔物でジャイアントクジラ、クジラの名前は僕が命名。


それからそれから、ネッシーだ。


「勝てる気がしないから、海岸から見えるのを希望。全て魔物が見れるかな」


学園を卒業してから考えよう、情報が少ないのでガーベラがどんな所か、この国から行く事が出来るのか、先ずはそこを調べないと。




「おやじ、名刀お姉さんを見せに来たぞ」


「何を見せに来たんだ」


「名刀だ、おやじよりも良い剣を打つ姐さんを見つけた、これがそうだ」


僕は名刀お姉さんをカウンターに載せる。


おじさんは手に取り隅々まで見て「今の俺にはここまでの剣は打てねえ」


「ふっ、その名刀お姉さんよりも更に凄い名刀を見た。名刀メタルソード、この世界で一番の名刀だと僕は思った」


「これよりも凄いのがあるのか、俺では届かない凄い奴がいるんだんな」


カウンターにミスリルの剣を載せて「これをおやじにやろう、好きに使ってくれ」


名刀を置き、ミスリルの剣を手に取る。


「ミスリルの剣か、いいのか高価な物だぞ」


「おじさんの役に立ててくれればいい」


ミスリルの剣をもう1本載せる。


「これもあげる、僕には名刀お姉さんがあるから、今は必要ないんだ。名刀を打ってくれまた来る」


「おい、2本もいいのか、二刀流はどうした」


「ふっ、この名刀お姉さんに劣らない名刀があれば二刀流も出来るが、無ければ一刀流を極める努力を今はするだけです」


鍛冶屋を出て市場に向かう。




リカちゃんはお休みだった。


「長く休んでいるから悪いけど他の子を雇う事に決めたんだよ。あの子の家が分かるならもう来なくていいと伝えておくれ、悪いね」


そんなに長く休んでいるのか心配だな。


「いままでありがとうございます。伝えときます」


「お願いだよ」


急いでリカちゃんの家に行く。


「おばさん、いますか?」


ドアをノックして誰か出てくるのを待つ。


「ユーリ、どうしたの。リカは風邪で寝ているのよ」


「おばさん、露店のおばさんが長く休んでいると心配してました」


おばさんは、沈んだ顔で「もう10日も寝ているのに治らないのよ」


「本当に風邪なんですか?」


「熱があって咳も出るから風邪なのだと思うわ」


本当に風邪なら既に治っていてもいいほど日数が経っている。


「薬師に見て貰いましょう、他の病気の可能性があるかもしれません」


「でも、薬師様にお支払い出来るだけのお金がありません」


「いつもの出世払いにしましょう、今はリカちゃんが心配です」


おばさんは、泣いてしまった。心細かったのかもしれない、何日も治らない娘と過ごすのが。


僕は急いで薬師を連れてきた。


「風邪に似ているが違う病気です。もう少し見るのが遅ければ危なかった。この薬を飲ませて下さい。食事は消化の良い野菜が多めのスープがいいです」


リカちゃんの寝ている部屋の隣で説明を聞いている。


おばさんは、ビックリしていたが、これからしなければいけない事を確認していた。


薬師はお大事にと言って帰って行った。支払いは後で伺った時にしますと伝えた。


リカちゃんが治るのに後10日位かかるそうなので、おばさんは仕事を休まなければならないと仕事場に言いに行った。


待っている間に野菜スープを作った。


おばさんが戻ると、食べ物を沢山買って来ておばさんに渡して家に帰った。




リカちゃんの家に行ってから6日が経った。


僕はある建物の前に立っている。


白くて綺麗な建物は建ててから数十年経っているが、本当にそんな昔に建てたのかと疑いたくなるほど綺麗だ。


ドアを開けて中に入ると、中も綺麗なのですぐに使える。


長いカウンターが有るだけで他には何もない。


カウンターの後ろにドアが、開けて入るとそこは厨房になっている。


厨房はそんなに大きくないが、家庭の厨房とは違い色々できる様に調理台と流しが大きいサイズの物が置いてある。


裏庭に出れるドアを開けると井戸と女性用の仕切り板がある。


備え付けの棚も綺麗に掃除してあるのですぐに使える。


2個ある棚の間にドアが付いていて、開けると階段が見える。


階段を登って左が廊下になっていて、階段から左側に扉が並んでいる。廊下の先にまた階段があり登ってドアを開けると屋上に出れる。2階は住居になっている。


「ここ借ります。綺麗ですぐに使えますね」


「ありがとうございます、どの位お使いになるんですか、それによって値引きも出来ます」


「取り敢えず5年でお願いします」


賃貸の事ならこのお姉さんだと、酒場に来る冒険者のおじさんに教えて貰い、不動産屋?のお姉さんにこの店舗兼住居を勧めて貰った。


ちなみに情報量にお酒を奢ったら酔って僕の弱弱しい肩をかしてお姉さんの職場に向かい、どの人と聞いたら、あの姉ちゃんと指差した。


冒険者のおじさんと別れ、勧められた建物の中を見学させてもらっている。


お姉さんはびっくりしていたが「あの本当に5年間ですか?」


「はい、短かったですか、でも飽きたら困るしあんまり長いのも困るんですよ」


「いえ、最初から5年も借りる人はいないので驚いていたんです」


「そうなんだ、それで5年間で幾らでしょうか?」


お姉さんは考えてる、「大銀貨8枚になります」


「それでお願いします」


「いいんですか、大銀貨8枚ですよ」


「手続きをお願いします」


幾らでもいいのだ、払えれば。


「では、お店に戻って手続きをしたいと思います。では、お願いします」


お店に戻って手続きと支払いを済ませて、温まるんですを作っている工房に向かう。





「大きいサイズの温まるんですは出来ますか?この2種類を作って欲しいんです」


僕が書いて来た、説明と形のデザインの図面を受付のお姉さんに見てもらう。


お姉さんはあーだ~こーだ~と言って、う~ん「出来るわね、何個作るの?」


今度は僕が考える、予備もあった方がいい。壊れた時にすぐに作れるとは限らないから。うんそうだな。


「4個づつ作ってください。何時頃に出来ますか?」


「そうね、7日後のこの時間までには出来てると思うわ、それ以降ならいつでも渡せるように準備しとくわね」


「良かった、思ったよりも早く出来る。流石温まるんですを大量に作ってる工房ですね」


「そうなのよ、職人の腕は上がるし利益もすごく出てる。懐があたたまるんですよ」


「お姉さん、凄いですね。駄洒落のセンスが最高だ」


「駄洒落って何よ?」


考えたが、僕には無理だ。布団が吹っ飛んだしか思いつかない、独自の駄洒落はセンスがないと思いつかないのだ。


「気にしないでください、支払いお願いします」


僕はお姉さんに勝てないので、支払いをお願いした。



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