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3年生になる

今日から3年生だ、今から出れば余裕だ。


「ユーリ、まだ早いよ」


シシルが僕が学園に行こうとするとまだ早いと教えてくれた。


「そうか、まだ早いのか、朝食でも食べて時間をつぶすか、シシルありがとう」


あれシシルの後ろからこちらを覗く少女がいる、誰だろう。


「シシル呪われてるよ、後ろに女の子がいるよ」


「失礼な、私の妹のルチルよ今日から受付担当なのよ」


シシルに妹がいたのか、受付担当か・・・ここで働くのか?


「ルチルですよろしく」


礼儀正しい子だ、お辞儀をしたぞ。


「僕はユーリ、独身です。学生でもあります。よろしく」


「ユーリ、独身なのは見ればわかるわよ」


見れば分かるだと。自分をみて、学生服を着た子供だ。


朝食は軽めの野菜スープ、僕の前に座ったルチル。


「お姉ちゃん、これ美味しい」


「そうでしょう、ここの料理は全て美味しいのよ」


この姉妹朝からハンバーグを食べてる。なるほど朝からガッツリ食べるパターンか、それで夜は軽めに食べる。


「ユーリ、そろそろ行ったほうがいいわよ」


母さんが自分の分の朝食を持って現れた。


ここは素直に聞いとこう。


「では、行ってきます」


カップを片し学園に向かう。




珍しく早く着いてしまった。


長い馬車の行列、早く来るとこんなにも長い行列なのか。


生徒が降りるだけなので待ってる時間は、そんなに長くない。


校舎入り口で3年生の掲示板を見て、やはり銅。見なくても分かっていた。


クラスに着いて空いてる席に座る。まだ全員来てないようだ。


後1年で学生も終わりか、3年生は何をするんだろう、僕以外の人は貴族の子供だから卒業が大事なんだよな。


最低でも学園を卒業しないと貴族の子供として認められないとポール子息に教えて貰った。


卒業してすぐに見習いの騎士団に入る者、家で作法などの習い事をしてお嫁に行くまで過ごす者、親の領土を継ぐ者、親の領土を守る者、親の手伝いをする者、大体このどれかに皆はなる。


貴族は冒険者にはほぼならない、だから魔法の使える冒険者があまりいない。


僕は未だに魔法は使えない。


先生が来た、定番になってしまったロー先生、銅クラスの担任なんだな。来年は1年性の銅クラスを担任しているはずだ。


クラスには見知った顔はなかった。


「3年銅の担任カーク・ローだ。3年は自習ばかりだが頑張るように」


先生の説明は終わった、みんなは帰りだした。


3年はチーム分けがない。


先生の説明が短いと知っている生徒が先に帰ったようだ。


僕も帰ろう急がねばならない。




「シュラさん、ラム酒を持って来たので変身をお願いします」


「ユーリ、前に言わなかった。私は変身できないって」


僕はシュラさんを見上げて考える。そんな話聞いたかな。


「それじゃ僕帰ります、さようなら」


「ちょっと、ラム酒は置いていってよ。送ってあげるから」


「自分で走ってもそんなに変わらないんだよね」


「それなら何か欲しい物はない?」


僕はそれならと言い出す。


「ドラゴンのお肉が食べたいです」


僕の目はキラキラしてるはずだ。


「痛いのは嫌って前にも言ったでしょ」


ダメかまあ可愛そうだよな、肉の無いドラゴンなんて。


「いつものでいいよ、先に飲んでよ」


僕は口元に瓶を持っていく。3本を空にして血液を入れてもらった。


僕は大きなタライをお皿の代わりにして、その中にラム酒の残りを全て注ぐ。


「これだけあればだいぶ飲めるでしょ」


「私の体を見てよ、すぐに飲み終わっちゃうわよ」


そうだな、大きいよなシュラさんは。


「それで自分で帰るのユーリ」


「送ってもらうよ、この後行かないといけない場所ができたから」


血液を貰ったら侯爵様に届けないとな、僕が持ってても役に立たない。


シュラさんに送って貰った僕はリカちゃんの家にオーク肉を届けた後に、門番さんに願いしてシュラさんの血液を渡して帰った。



チーム分けの無い三年生、平和。


模擬戦が3年生にはなくて、剣術と魔法の授業を普通にするのかと思ったら、ほぼ自習で雑談していても怒られることはないのでみんなはクラスにいて雑談している。


僕は1人で実技の出来る校庭に来ている。


何をしていても誰も来ないのだから僕の苦手な魔法の練習をする。


苦手なのは自分にあった練習方法が分からない事だ。


イメージの練習は少し楽しい。色々考えるのが面白い。効果が確認できないが、自分なりにこんな効果が起きると想像して練習している。


遠くを見る事が出来る魔法、空に目があり遠くの事が見えて頭に伝わるイメージをして「遠くが見えるルック」


自分が浮かぶイメージで「フライト」


効果はないな。


それなら、エミリー嬢の魔法を真似て「ファイヤー」


アンバー嬢の「ウインド」


スカーレット嬢の「サンダー、ウォーター」


ポール子息の「アイス食べたい」


「室内で練習して、魔法が発動できたら建物が壊れるからな」


毎日練習するのも嫌だな、飽きるよ、それに誰かに見られたら変な人に見えるよな。




剣術の授業も1人、何で自習なんだろう。


この授業はいいな、体力作りができる。まずは、走り込みして筋トレそれが終わると剣の稽古。誰もいないので名刀お姉さんでする。


奥義は封印してあるので、基本の動きを名刀お姉さんでどこまで出来るか確認する。


動きの無駄を無くす為に小さい動きを取り入れて連続攻撃の練習をする。


うん、いい感じだ。筋トレで力のが付いたようだ、何か筋トレマシンが欲しいな。


筋トレに向いた道具がないんだよな。今は道具がないので腕立てをする。


「1.2.3.4・・・・・・・・・・・200」


腕立て200回が終わった。


「腹筋もするか、1.2.3.・・・・・・35」


「腹筋は苦手だ。腹筋も鍛えないと強くなれないのかな、分からない」


学園に来なくても出来るんじゃないのか僕だけの授業。




ラウンジで温めるんですで、オーク肉の入ってないシチューを食べている。


チームは無いが仲の良い者同士でテ-ブルを寄せている。


僕は入り口から離れた壁際で1人で食事をしている。


1年のあの時を思い出す、みんなが1人で食べていたお昼を、ポール子息の行動でみんながチームで食べる様になった。今は形が違うが楽しく食べている。


でも、少し生徒が少なくないかな。


テーブルが空いてるが今日が初めてのラウンジの利用だから予備があるのか生徒がいないのか分からないな。





昨日と同じ様に魔法の練習だ。


「我より放たれるサンダー」


いつもどおりだな。暇なのが嫌なので頑張っているが効果がない。


「セリフを考えるのも疲れました~、それなら無詠唱だ」


無言で見つめる空に何も変わりはない。


「ユーリ、呼ばれている。職員室に行かないとだめだ」


「え、ポール子息」


何の事だ、ポール子息の慌て様は異常だ。


「すぐに担任の所に行かないと」


「分かりました、ありがとうございます」


急いで職員室に行く。


「ロー先生、遅くなりました」


「剣を持って南門にそこが集合場所だ」


もう説明がない。


全力で走って南門に着くと学園の先生と学生が何人もいる。


「遅いぞ、君で最後だ」


走り出す先生に付いて行く生徒達、どこに行くんだ。





「そっちにワイルドベアが行ったぞ」


「うわ~」


「ジャイアントベアだ」


僕はみんなが攻撃して逃げて行くのを見ていた。


「みんな逃げたぞ君も急げ」


走り出す生徒と迫りくるベアの軍団。


状況は分からないが、ベアがこっちに来る。みんなは逃げた。


倒してもいいのかな、それとも逃げないといけないのかな。


「おい逃げろ、ここは俺に任せて」


さっきの先生が僕の肩に手をかけて自分の後ろにかばう様に立つ。


忙しそな先生に聞いてみる。


「あのベア倒していいんですか?」


「何を行っているんだ、倒せないからみんな逃げたんだぞ」


逃げる作戦ではなく逃げただけか。


「すいません、状況がよくわからず見ていました。僕がベアを倒します」


話し終わると走り出して状況を確認する。


ベアは多くて2体並びで来る。


横に3体で来る事は今のところなさそうだ。


名刀お姉さんを右手に持っているので僕から見て左の側のベアを倒していこう、1体の場合は前後の魔物の位置で攻撃かスルーしよう。


みんなの為に早く倒そう。先ずは全力で左を倒す。


足もなるべく止めないで左のベアの攻撃を避け首に攻撃、あまり抵抗がない切れ味が鋭いな。


次は1体、体勢が悪いのでスルー、次は倒すその為のスルーだった。


蹴りは自分の体勢を変えて攻撃しやすい様にする為で蹴りの攻撃が魔物に効くとは思ってない。


体力と身長が伸びたので戦いやすい、以前なら上に剣を振らないとダメだったが、身長が伸びて首ぐらいまでなら攻撃出来る様になった。どんどん倒していく攻撃もくらうがダメージが少ない様に体全体で攻撃の方向と同じ方に動いて吸収する。


最後の1体になった時は足を止めその場でベアとタイマンだ、自分の剣術を接近戦でも出来る様に心掛ける。目の前のベアと接近戦では長い名刀お姉さんだと攻撃しづらい、しかしこれからの事を考えて慣れる為に更に近づく。


狭い所で長剣で戦ってる様だ。何とか倒す事が出来てホッとする。


今の経験はそんなに必要ではないが経験しとけば同じ状況になった時に何とか凌げるかもしれない。


そうなんだ、失敗の経験から成功する事もあるが、次に同じ失敗をしない為に一度失敗するのも大事だ。


骨折ぐらいならしてもいい、死なない程度の怪我もしてもいい、だけどそこから何かを学べれば満足だ。


今日の経験は怪我をしなくてすんだ。


「それにしても何でこんなにベアがいるんだ、大森林ではそんなに見かけないのに」


「君大丈夫なのか、怪我は無いのか?」


先生は周りの魔物を見ながら話す。


「大丈夫です。怪我をしないで経験出来ました」


先生は首を傾けて「経験?」


「それで、ここに何しに来たんですか?」


「今のベアを倒しに来たんだ、他にもいるかもしれないので警戒しつつ大森林を見回る」


ベア狩りか、何で学生の僕達がしてるんだろう。


「先生、大丈夫でしたか?」


「ああ、何とか、助かった」


生徒の男性が「みんなもう大丈夫だ、着ていいぞ」


集まって来た生徒は「すげえ、倒したのか」「流石先生」「1人で走っていくから心配でした」


先生の名前はサスガ先生か、この先生レアだ、サスガ・・・漢字で書ける。


「でも、ユーリ君は何してたの?」


誰だ僕を知っているのか、僕は知らない。


「1年の時同じクラスだったんだよ、覚えて無いかな」


「すみません、クラスの同級生は7人ぐらいまでしか覚えられないので」


「いいんだ、僕は目立たないから結構いるんだよ僕を覚えて無い同級生が」


「みんな、ユーリ君の後に付いて行こう、他にベアがいる可能性もあるから」


僕を先頭に大森林でベアを探した。


見つければ先頭の僕が戦いに行き、その後をみんなが付いてくる。


前世の子供の時にしたな、先頭が車掌さんで後ろの人がお客。


この作業はどこまで続くんだろう、お昼は過ぎてるはずだ。


最初の10体ぐらいを倒した後に5体倒した。みんなには薪をそれぞれ持って貰った。


「そろそろ、学園に帰るぞ」


よく分からないが帰る事になり、少し寄り道をして貰い、リカちゃんの家のドアの前に薪を置いて学園に戻った。


みんなは誰の家だと言っていたが、薪を必要としている家ですと言った。


学園に戻ると他の生徒は誰もいなかった。

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