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遺跡の中と大好きな

前を歩く4人、先頭がエミリー嬢とポール子息、その後をアンバー嬢とスカーレット嬢、最後を歩く僕。


僕は大きいリュックに挟まれた子供、手にもリュックを持っているがポール子息が貸してくれた軽減付きだ。荷物を持つのを手伝わないけどリュックは貸してくれた。


手に持っているリュックの中には温まるんですが5個、座る時の敷物、水の革袋多数、食事の時に使うナイフにフォーク等、冒険者が持って行くような物は全て入っている。


遺跡の中に魔物がいるがそんなに多くない。前の2人がほとんど倒している。


僕も右手に名刀お姉さんを持っているが使う機会が無い。


以前来た時は走って最奥に行こうとしたが、今回はみんなのペースで行くのでそんなに早くない。


みんなの歩く速度は速くも遅くもない。魔物がすぐに倒されるのでその分速い。


この遺跡の中央の通路を通れば最奥に近づく。


通路の横の部屋には何もない。


「ユーリ、有りましたよ。ドラゴンの壁画」


「本当ですね、7体のドラゴン」


「円になっているドラゴンその中心で光る何か」


「白いドラゴンはシュラさんですね」


僕は書かれているドラゴンを見て、あと4体の情報が無い。国王様から書物も情報も貰ってない。


難しいよな、目撃情報が300年以上前だから伝説だし、見つかったらどうなるのかな。


勇者が来て討伐、みんなで討伐、危険が無いので警戒はするけど関わりたくない、仲良くなった友達。


友達が一番いいな。友達になって乗せて貰い冒険の旅。男のロマンがここに~。


「ユーリ、何やらニヤニヤしてますが、先に進みますよ」


「はい、お気を付けてください」


エミリー嬢にニヤニヤを見られてしまった。








「今日はここで野営しましょう」


僕は敷物を出して敷いて行く。


みんなは疲れているはずだ、戦闘は強くなって安心できるぐらいだが、攻撃魔法を使うと精神的に疲れるのだろう、みんな静かだ。


温まるんですを出してみんなに渡す。お昼に食べたが、夜の分も入っているので各自自分の好みの暖かさにして食べる。


「美味しいですね、お腹が減ると口数も減るのは本当のようですね」


アンバー嬢がお腹が減っていて元気が無くなっていたようだ。


「本当にそうですわね、アンバー様の言うとおり、食べると元気が出ますね」


「エミリー様、私も同じです」


ポール子息は食べるのに忙しい。オーク肉のシチューだから。


「みなさん元気が出た様で良かったです」


みんなに笑顔が戻っていた。お腹が空いていただけなのか?


「通路側で僕が寝ますので、みなさんは部屋の奥の方で寝てください」


「まあ、それでは最初にユーリが襲われてしまいますよ」


「不吉な事を言わないで下さい。スカーレット嬢」


「ここはユーリに任せましょう、荷物を持っていただけで戦闘をしてませんから」


あんまりです、アンバー嬢。みんなの荷物を持っていたのに。




「後ろの方、ウォーターとか飲料水とか美味しい水とか少しうるさいですよ」


遺跡の中を今も歩いている。


「そうです、そんなに美味しい水が飲みたければお水を飲めばいいのですよ、ユーリ」


そう、歩きながら魔法の練習をしていた。


主人公がピンチになれば何か特別の力が目覚める。これ定番。


水は十分にあるが、そろそろ魔法が使えるんじゃないかと、今まで水魔法の魔法で練習した事がないのに気が付いた。


それならと、美味しい水をイメージしてみようと色々試していた。


「そうです、ユーリは魔法が使えなくてもいいのです。剣で強いのですから」


褒められたのか、魔法が使えないのが決定したのか、どちらなんだ。


「まあみなさん、ユーリが使えない魔法を練習したい気持ちは分かります。僕も入学当初は小さい氷が飛んでいくだけでしたから、でもユーリ無詠唱で練習してくれないか気が散るんだ」


「わかりました、無詠唱で練習します」


「私も美味しい水が飲みたいですね、そのウォーターと唱えればいいのでしょうか、ウオーター~」


「パラパラ、ザーア」


僕の前の人が水魔法を会得しました。


「まあ、スカーレット様。水魔法が使える様になったんですね、おめでとうございます」


パチパチと拍手するアンバー嬢、それにつられてエミリー嬢も拍手する。


「おめでとうございます、スカーレット様」


みんながスカーレット嬢にお祝いの言葉を。


お祝いの言葉はちゃんと言いました。でも、そのイベントは僕に必要なんだけど。


みんなはスカーレット嬢の真似をして自分が会得してない魔法の練習を始めた。


僕が1人で練習している時よりうるさくなった様なのに誰も気にしない。


まあいいか、通路を進みながら練習しているが、魔物が現れれば倒しているから。




遺跡の最奥の近くは魔物が多かった、ポール子息の氷魔法で遠くから動けなくしてから攻撃したり、エミリー嬢の範囲魔法で2.3体倒す等効率的な戦い方をしていた。


スカーレット嬢にお願いして、4体の魔物を先ず魔法で魔物を水浸しにして、雷魔法を上から4体に同時に攻撃して貰った。


アニメの様な雷が体を通ってるぞみたいに見えなくて残念だった。


アンバー嬢は風の刃が飛ばせるようになり、魔物の細い部分なら切断出来た。足首に首とか。


アンバー嬢にお願いして人には、特に学園では使わない様にお願いしといた。


色々な戦い方を学んで迎えた最奥には魔物がいなかった。


「最奥に着いてしまいまいましたね」


みんなは周りを見渡す。


「何もありませんね」


「はい、昔の人のお住まいだったのでしょうか」


「ここまで1回もオークに会いませんでした」


ポール子息はオーク肉が無くなるのではと心配している。


「大丈夫ですよ、後リュック1個分ありますから」


「まあ、まあ、まあ。ユーリ、ドラゴンの絵画ありますよ」


エミリー嬢の見ている先、天井を見た。ドラゴンが描かれていて周りに人が沢山いる。


敵対している様に見えなくて、むしろ一緒にいる様に見える。


「ユーリ、この広場の中心にもドラゴンが描かれていますよ」


散らばっていたみんなが中央に来て見上げる。


5個の絵が描かれていて、ドラゴンが少しづつ小さくなっていく様に描かれているみたいだ、最後が人に。


「ドラゴンは人に変われると描いているのでしょうか」


「そうみたいに、私にも見えますわ」


周りを見てみんなは人間なのかと考える。もしかしたら誰かがドラゴンかもしれない。


「そこのユーリ、私達の中にドラゴンはいませんよ」


エミリー嬢が一番怪しい、僕の考えてる事が分かるなんて。


ポール子息が僕の肩に手を載せて「そんな顔をして周りをキョロキョロしてるとみんなの中からドラゴンを探している様に見えるよ」


「まさか、確認してただけですよ」


「ユーリ、それは探していたという事ですよ」


ズバリ、アンバー嬢に指摘されてしまった。


「何もなくて残念でしたが、ドラゴンが人に変われるかもしれないのが分かりましたね」


「スカーレット様の言うとおりです、ここには何もありませんでした。帰りましょう」



遺跡を探検した後にリュックに一杯になるまでオークを倒して、ボラジュに戻った。


ギルドでオークの討伐クエの報告をして僕とポール子息は猫の宿に帰って来た。


帰って来て、ソラちゃんに怒られた。


「買い物頼んでくれると言ったのに帰って来ないんだから」と怒られた。


僕達が帰るまでソラちゃんに毎日お使いを頼んだ。


テレサさんに渡すのを忘れていた、温まるんですを5個渡すと叔父さんがしゃぶしゃぶを作りたいとお願いされた。


それに喜んだのがポール子息とソラちゃん。ポール子息はいつもどおりだ。


ソラちゃんは初めて食べるし、自分でしゃぶしゃぶするのが楽しい様だ。


あと母さんに伝えてと頼まれたのを帰る日に伝えたら、げんこつが。


「なんで来た時に伝えてくれなかったのよ」


「忘れてたから」


僕は嘘が苦手で素直に答えた。


「テレサさん、ソラちゃん、叔父さんお世話になりました」


「お世話になりました。快適な宿で食事も美味しかったです」


「また遊びに来てね」


「姉さんに暇な時に遊びに来てと伝えて」


「はい、伝えときます」


「新しいレシピを教えに来てくれ」


「はい、何かあったら持ってきます」


猫の宿のみんなに手を振り南門に向かう、令嬢達との待ち合わせ場所に。


旅から帰って来た僕は、その瞬間を待っていた。


1年かかった、試みが今・・・・


失敗した。まだ大丈夫だ、あと3種類ある。


また失敗か、次が・・・失敗だ。


これで最後か、これもダメだとまた1年後か。


これも失敗か・・・・・・


「ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン、ポン・・・・・・」


成功だ。神様ありがとう、神様はいないか・・・・農家のおじさんありがとう、あとで買い占めに行くからね。


1年か長かった、僕が一番大好きなお菓子のポップコーンが食べられる、お塩を少しかけてボウルを振る。


歯の間にトウモロコシの皮が引っかがるが、それは気にしない。


よし映画を見ながら食べるぞ・・・・映画が無い、ポップコーンの魅力を少しほんの少し減らしてしまう。


「美味しい、何故かとても美味しい。これこの世界トウモロコシの味があるからなんだな」


「今気が付いたけど、ポップコーンを食べながら出来る事が何もない、動画に本・・この2択がポップコーンに合うのに」


出来たポップコーンを自分の部屋に置いて急いで畑に向かう。


「この畑のトウモロコシ全部買います、去年の様にして下さい」


「全部買うのか、大変な量になるぞ」


「大丈夫です」


「また取りに来ます、よろしく」


新たな作戦が始まった。

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