2年生の終わり
魔道具の授業は難しい、秘密がありすぎて使い方の授業になってしまっていた。
もし作り方が分かれば、お風呂のお湯を沸かす魔道具、録音できる魔道具。モーターの様に動く魔道具が作ってみたかった。
魔道具ではないがそろばんを作ってリカちゃんにあげた。お店の人は計算が大変なんだとリカちゃんが言っていたので、電気を使わなくても使えるそろばんを作ってみた。細工の得意な工房に作って貰った。
自分でも出来そうだが、指で弾いたりするので手触りの良い物にと工房にお願いした。
自分用に魔道具を1個注文してある、完成が楽しみだ。
嬉しい事に温まるんですが紹介される。
先生が説明を始めた
「この温まるんですは」
「知っているのでいいです」
ええ、一瞬で遮られたぞ、誰かな今の発言は。
まあいいか、他のクラスは説明させてくれるだろう。
月末の模擬戦の試合時間が長くなった。
先生の説明では「時間が長く」なった。
先生の後にカタル子息が説明してくれた。
「模擬戦の時間が2倍になりました。生徒の成長で連携と攻撃力など上がりました。普通なら時間が短縮されるところですが、みんなの回避能力があがって回避が増えたり、回避できなくてもダメージが減って死亡判定の人が減ったので時間を増やす事になりました」
カタル子息はみんなを見回した後に「時間が増えたので体力作りを心掛けてください」と各自の持久力を心掛ける様にと言った。
体力作りか、何をしようかな。よく考えよう効率よくお金もかけないで、持続して続けられて飽きのこない物。
「シシル、僕の背中に乗ってよ」
僕の言葉で馬のりで乗るシシル、腕を曲げて~~~~潰れた。
「すいません、どいて貰えますか?」
「私仕事があるから行くね」
良かったもう少しで重たいと言ってしまうところだった。母さんの心得に重さの事は言うなとあった。
「しかし、子供を乗せて腕立ては出来ないな、シシルは子供じゃないけど」
それなら、リストバンドの体版を作ろう、お金はかかるけどしょうがない。アイデアも浮かばないし、体力が付けば冒険者を目指す僕には丁度いい。
「すいません、以前作って貰ったこのリストバンドの体版を作って下さい。出来ますか?」
「出来ますよ、デザインはこんな感じでどうですか?」
何故こんなに準備が整っているんだ。おかしいぞ。
「あのどうしてデザインがあるんですか?」
「まあ、覚えてないんですか、伝説のテーブル返しのお父さんが体力を作る為にリストバンドとか体に付ける為に工夫したと話してくれたのを、それで体の部分で同じ事が出来ないかと考えて出来たデザインがこの服です」
思い出した、何で手に重いリストバンドを付けるのかと聞かれ体力作りの為だと言った、伝説の話で思い付いたと話したんだ。
時間が掛かると思ってたけどすぐに出来そうだ。しかし、いいのだろうか、僕しか買いそうもない物を考えたりして、でも、考える事で他の良い物が出来る可能性もあるな。
久しぶりにあの怪しいお店に行ってみるか、この頃忙しくて監視を忘れていた。
「すぐに作って下さい。カードです」
僕は急がないといけないあの怪しい店に。
「はい、カードです。3日ほどで出来ると思います」
「分かりました、3日後に取りに来ます」
あれ、いくらか聞かなかったけど、代金は幾らだ・・・・・・支払えたんだからいいか。
「はい、ありがとうございます」
僕は急いだ怪しい店の前で張り込む事数分、待つのは嫌いなのでこの位しか待てない。
小さなドア、小さく見えるドアだ。上の方が丸いので小さく見えるけど高さは普通だ。
ついにドアが開いた、客らしい女性のレベッカさんが、レベッカさんだ。
僕はその場に立ち尽くす。そんな、あの怪しいお店からレベッカさんが嬉しそうに出てくるんだ。
「あらユーリ、魔法の服屋の買い物?」
「魔法の服屋?」
「あれ知らないの、夏には涼しくて、冬の寒い時には温かいのよ。今人気なんだから」
僕はあの怪しい店を見て魔法効果の付いた洋服屋さんなんだと気付いた。
怪しいが便利な洋服を売ってる店なのか。
まだ信じられないので、レベッカさんを押しのけて、ドアを開けて店内を見た。
マント、ローブ、服と色々ある。この店は凄いぞ、壁にほうきに乗った魔法使いの絵が描かれていた。
やはりほうきか。僕は怪しい筈の店内の店員さんの前に向かった。
「飛べるほうきを下さい」
お店の人は困り顔だ、どうしたんだ?。
「あの絵は伝説で魔法使いがほうきで飛んだと言われていて、昔のオーナが自分で描いただけなのよ」
「ユーリ、飛べるのはあの人だけなのよ」
あの人とはシュラさんか残念だ。
「暖かくなるローブ下さい」
僕は過去の事は忘れて、今年の冬用にローブを買う事にした。
「え、今お買いになるんですか?」
「はい、来たついでに買って行きます」
ここは僕の家から遠いいのだ。
「先ほどの店には魔法関連のアイテムは売ってないんですか?」
「無いわよ、そんな怪しい物を売ってても商売にならないわよ」
なるほど怪しい店はやっていけないんだと納得した。
「他の皆はどうしてるんですか?」
「ローランドから帰って来たばかりだからのんびりしてるよ」
帰って来たばかり???
「何日位でカルテドに着いたの?」
「そうね、私達の足で40日位かかったかな」
そんなにかかるのか、ジェシーのお陰でとんでもなく早く移動してたんだな。
「みんなは酒場にいるの?」
「酒場にいるわね、メグも一緒よ。今頃国王様にお礼を言われたんだと喋ってるわね」
「それは言いたくなるよね、特にヴエルナさんは酒が入れば何でも喋る」
「そうなのよ、まあそれのお陰で依頼を受けれて、お礼に呼ばれたんだけどね」
僕とレベッカさんは市場で別れて、リカちゃんの所に行って少し話して家にかえった。ローブは寒くなったら使ってとあげた。「まだ暑くもなってないのに何で」とリカちゃんが言っていた。
旅の事ばかり考えいて、買ってしまったのだ。
色々あった2年生、進級試験が終わって最後の模擬戦で授業は終わる。
僕達のBチームと2金のAチームが最後の模擬戦になる。
他のチームは昨日か今日の午前中に終わっている。
2金のチームは学年最強と言われている。
対戦成績も2敗しかしていない。僕達のチームは負けの方が多い。
対戦人数は同じ13人で誰もが2金のAチームが勝つと思っているはずだ。
約50人の観客が見ている中で模擬戦が始まる。
スコット子息とアジス嬢は僕の全力を見せて欲しいと、そしてこの模擬戦を有利な展開にしてほしいとお願いしてきた。
僕は了承してある作戦を話した。
僕の作戦に面白いやってみろと笑ってスコット子息は言った。
会場に両チームが並んだ後にそれぞれの陣形を組む。
Aチームは3.3.3.4人の部隊に、Bチームは3.3.3.3.1の部隊。
しかし、Bチームの陣形は12人が近くに寄っているので12.1の部隊に見える。
真ん中で区切られた領土、開始まではそれぞれの領土の何処かにいなければいけない。
開始後は領土は何の関係もない。
僕は一番前、足を前に出せば敵の領土。両手を地面に付けてクラウチングスタートの準備をした。
みんなには何をしているのか分からないかもしれないが、一番速く走れる姿勢だ。
先生の合図と同時にダッシュする予定だ、その時がそろそろ来るだろう。
「開始」
僕は全速力で一番近い部隊に向かって走る。合図から3秒位だろう、剣士に軽くどいて貰い、魔法使いを攻撃、胴の部分に連続斬りで死亡判定の光が点く。
僕に攻撃を仕掛けてきた剣士を相手にしないで、全力で次の魔法使いに向かう。
僕がする事が分かっているのか、僕の前に出て来た剣士2人にフェイントで回避して、魔法使いを攻撃した。
しかしこれはフェイクで2人の剣士の強いと思うを攻撃して防具を光らせた。ついでに魔法使いを光らせて違う目標に向かう。僕の動きが分かってきたAチームは僕に向かって駆け寄る者と目標にされている人をかばう様にその場で待っている者、でも、僕の動きについて来れていない。
Aチームは広がりが無くなり僕を追うだけの集団になっている。
魔法使いを攻撃範囲に捉え攻撃したが剣士の剣に止められた。剣から手を放し態勢を魔法使いの方に移動、落ちる前に剣を掴み逆手だが、そのまま攻撃して更に移動して左に剣を持ち攻撃して防具を光らせる。
僕は全力の走りの中で今の動作を続けてきた。
追いつける者がいないので次の目標の剣士に向かう。
魔法使いが目標だと思っている様で剣士が待っている。
それならと魔法使いを狙うふりをして剣士に攻撃、予想が外れて僕の攻撃を無防備で受けて防具が光った。
そのまま会場の走り壁を背に立つ。
頑張ったよね、僕。ここから見える乱戦はすぐに終わっる。
僕に気を取られ自分達の後ろに敵がいるのを忘れていたAチームは不意打ち見たいな感じで残っている選手の防具が次々に光った。
Aチームは10分もかからずに負けた。
「終わり」
両チームが整列した。
「13対0で2銅Bチームの勝ち」
模擬戦は終わった。僕達の圧勝だ。
「面白かったぞ、平民」
「そうですか、相手に悪いことしたと思っていますが」
「私は勝てて嬉しいです」
アジス嬢は本当にうれしそうだ。
決められた場所で戦うのはここだけだから、それに始めで始める戦闘はない。
2年生が終わった~。




