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真似です

猫の宿の食堂でソラちゃんは1人で食事をしていたので。


「ここで食べてもいいかな」


「いいよ~」


僕は荷物を置いて食事を取りに行く。


「ただいま、僕の分お願いします」


「お帰り、待ってね」


僕の食事を用意するテレサさんに話す。


「食事の後に叔父さんとテレサさんに話があります」


「何の話かな、今じゃだめなの?」


僕は自分の食事を持って「ソラちゃんと一緒に食べるので」と言ってソラちゃんの前に座る。


「ユーリ、今日は何してたの?」


ソラちゃんが昼間何してたのか聞いたので答える。


「蛇みたいな魔物を追いかけてたかな」


「蛇に噛まれると痛いよね」


僕はワームに噛まれた事を想像する。痛いよな一応は・・・。


「噛まれない様にしてたから噛まれなかったよ」


「よかったね」


噛まれたらここには来れなかったけどね。


「そうだね」




厨房に集まった僕達。


叔父さんはいつも通りだ。テレサさんはキリッとした顔で「さあ言いなさい」と言った。


「叔父さん、野菜でスライスしたい物はありませんか?なければスライスしていい野菜を出してください」


叔父さんは考えて、僕に芋を渡した。


「皮むき器を貸してください」


叔父さんは言われたとおりに渡してくれる。


「見ていて下さい」


僕が皮をむき、スライサーに野菜をセットして上から抑え込む木を滑らせる。


刃の部分は斜めにしてある。Ⅴ字の刃は作るのが大変だし量産には向かないので今はこれでいい。


「シュ~シュ~シュ~シュ~」


よく切れてる音がする。


芋1個をスライスして刃の部分の木を下の箱とはずす。中には薄く切れた芋が出来ていた。


出来た芋を手に取り「完成だ」と僕は言った。ポテトチップスが食べれると思ったが今はスライサーだ。


「この道具は材料をこの様に薄く切るための物です。叔父さんもやってみてください」


僕は出来た芋のスライスをボールに入れ水で浸す。10分ぐらいでいいかな。


叔父さんは無言で僕がした様に芋をスライスする。


「便利だ」


まあ、叔父さんなのでこのぐらいの感想だろう。父さんも「便利だ」しか言わないだろう。


「便利なのは分かったけど、これをくれる話なの?」


「あげますよ、テレサさんに権利をあげますよ」


僕の言葉にテレサさんは????何の事と疑問顔。


「権利とは何?」


「この道具の製作に販売の権利をテレサさんの物になります。この書類の署名してください」


まだよく分かってないテレサさんは「製作と権利」と呟く。


僕の話を先に理解したのが、叔父さんだ。


「いいのか、大変な利益が出るぞ」


僕は皮むき器を手に取り叔父さんに渡す。


「その皮むき器、便利ですよね。その皮むき器の製作と権利を持っているのが僕の母さんです。僕も宿の受付のお手伝いをしていました。でも皮むき器の権利を母さんが持っている事で利益が出ました、そのお陰で僕は自分の時間を持つことが出来ました。お手伝いは嫌いではありませんでしたが、自分の時間が出来て嬉しかったです。こうして叔父さんとテレサさんに会えたのは僕の代わりに働いてくれる人を雇う事にした、父さんと母さんのお陰です。僕はソラちゃんにも自分の時間と将来を考えれる様になって欲しいです。この権利は僕の家族の叔父さん、テレサさん、ソラちゃんにあげたいです」


テレサさん少し言葉に詰まり「ありがとう、ユーリ」と言って目の下を拭う。


「ありがとう、ユーリ」叔父さんもお礼を言った。


「明日、僕と商館に行きましょう、僕も分からないけど2人いれば何とかなります」


「そうね、ありがとう」




僕は街道を走っていた、叫びながら。


「すいません、用事があって遅れました」


ワームを切り裂き近くの人に謝る。


僕はテレサさんと登録に行き遅れて来た。ついでに悪くなると悪いのでオーク肉を露店のおばちゃんに「お土産に持って帰るつもりだったんだけど、ワームがいて通れないからおばちゃんにあげる」と言って全部渡した。猫の宿にはまだあるので今は要らない。


謝り終わると次の人の所に謝りに走り出す。


「すいません、野暮用でした」


ワームの口を剣で牽制してる人に謝り、僕も牽制して2人が食べられない様にする。


他の冒険者がワームの横を攻撃して口の動きが遅くなってきたので、次に謝る所に向かう。


「何かあの子がこっちに走って来るぞ」


3人組の冒険者が僕の事を差している。


僕は3人の横から来るワームに気が付き、ワームを差して「ワームが横からきます」と大声で知らせる。


3人は広がってワームを待つ。


僕から遠い方の人にワームが向かう。自分の方に来なかった冒険者がワームに向かって走る。


僕もワームに向かうが口の方に回り込むのは無理そうだ、それならと胴に飛び乗り走る。


安定は悪いがこれなら口の方に速く行ける。全体の半分より口に近い所で名刀お姉さんを突き立てる。


この部分なら胴回りは細いので、剣の先は地面にまで届くが刃こぼれしすると嫌なのその場所でめった斬りにする。


ワームは胴体の後ろが無くなり動けなくなる。


「遅くなってすいません」


謝って別のワームを探す。いた誰も居ない所にワームが。


全速力で走り「行くぞ~」と大声でワームにこちらを認識させる。


「僕の速度についてこれるかな」


ワームもこちらに向かってくる。


「たあ~」と走り幅跳びより高く飛んで、ワームが口を出した時には口の後ろに着地、名刀お姉さんの連続突きをお見舞いして、「よく飛んだな」




街道でワームを待つ、お昼前の戦闘でワームが現れなくなって、それから各自お昼を食べた。


今は夕方になる少し前位の時間だ。お昼からワームが1匹も現れてない。


暇が嫌いな僕は名刀お姉さんで剣の剣の稽古中だ。


「あの子変じゃない」


「何か謝って走り回ってたな」


「ああ、何を謝っていたんだ」


「さあな、最近の子は俺には分からない」


「しかし、走るの速かったな」


「ああ。ワームの上も走っていたな」


僕の事を何か話している冒険者達は笑顔で時折僕を差す。まだ鍛錬が足りないと笑っているんだな。


まあいい、いつか冒険者になってやる。それには練習だ。


両手剣で重いのかと思ってけどそうでもない、これなら扱い易いしミスリルよりも長いから大きい魔物とも戦える。


「もう帰るぞ、このクエは完了した。各自気を付けて帰ってくれ、ギルドに報告忘れるなよ」


リーダーが帰ってもいいと言ったので、練習をやめ歩き出す。


ある事に気が付いた、ローランドで誓った、遅刻をしないは既に昨日の朝の南門集合で破られていた。


その場に膝を付き、今日も遅刻した事に気が付く。そしてお土産のオーク肉はあげてしまっていた。


「なあ君、何をそんなに落ち込んでいるんだ?」


「約束とは守るのが大変ですね」


リーダーは僕の背中を2度ポンポンと叩くと「そんな事もあるさ」


「そうですね、ありますよね、ありがとうございました、元気が出ました」


「ああ、それは良かったよ」


僕はお辞儀して全速力で走り鍛冶屋に向かう。




崖の下でオークを倒す。名刀お姉さんの切れ味は凄すぎる。


避けて攻撃、誘い込んで攻撃、フェイントを入れて攻撃、オークが倒し易い。


いい武器の違いが分かった、これからもいい武器を手に入れ使いこなせる様に頑張る。


でも今は、オークを11体倒すために走る名刀お姉さん片手に。





「おじさん、ありがとう。これおじさん達の鞄、詰めれるだけ詰めて来たよ」


見張りのおじさんにジェシーを見て貰っていた。おじさん達の鞄にお礼のオーク肉を詰めて来た。


「いつも悪いな、気を付けて帰れよ。また来いよ」


「オーク肉ありがとう。元気でな」


ジェシーに乗り「またね~」と挨拶して走り出す。


「また来いよ~」


僕とジェシーはマルネ村には入らずに、ジェシーは見張りのおじさんに見て貰い、僕はオークを倒しに行っていた。


ジェシーはボラジュに向かう街道を走る。





「ユーリ、ありがとう。また来てね」


「ユーリ、姉さんに手紙を読んであげて、また遊びに来てね」


叔父さんは無言で頭を下げる。


「また来ます、みんな元気で、ソラちゃん遊びに来るよ、お土産を持って」


僕とジェシーは猫の宿から南門に歩き出す。


振り返って、手を何回も振る。


「ジェシー、楽しい旅は終わるよ。君はポール子息の屋敷に帰り僕は家に帰る」


「行こうか、カルテドにみんなが待ってる」




「すいません、厨房に行っていいですか?」


「君か、持って来たのだね。オーク肉を」


「はい、持って来ました」


僕はエミリー嬢の家の厨房にオーク肉を届けた。令嬢の中で最後にエミリー嬢の家に訪れ次にポール子息の家にお土産とジェシーを預けに行く。





「ジェシー、またしばらく会えないね、元気でね」


「大丈夫です、当家の者は皆はジェシーを可愛がってます」


「そうですか、よろしくお願いします」


僕はポール子息の家の執事のおじさんにお礼を行って屋敷を後にした。




「母さん、テレサさんにあって来たよ」


母さんは驚いて「会って来たの、ローランドに居るの?」


僕は呆れたポーズをする。両手を広げて首を傾け口を大きく開ける、完璧だ。一度したいと思っていた。


シャイな日本人の時は出来なかった。しかいこのポーズは母さんには馬鹿にされたと思ったのか恐ろしいゲンコツが落ちてきた。


「ボラジュで猫の宿屋をしてんたんだよ、テレサさんが僕に気が付かなければただのテレサさんどまりだったよ」


「ただのテレサ?」


「親戚の叔母さんと宿屋のテレサさんだよ」


お母さんは納得したのか、「そうか親戚の」と呟く。


シシルも母さんの横にいるので2人にローランドのお土産を渡す。


「これがシシルのお土産、これが母さんのだよ」


シシルにピンク色、母さんに赤色を渡す。


「ありがとう、ユーリ。開けてみてもいい」


「どうぞ」


僕の言葉より先に開けてる母さん、僕の言葉を聞いてから開けるシシル。


「いいデザインで赤色、いい色ね」


「私のはピンク色で凄く可愛い色です」


2人とも喜んでいる・・・・・あ、父さんの忘れた。そうだあれをあげよう。


「ロールケーキも人気店で買って来たから早めに食べてよ、すぐに悪くなるから」


「分かったわよ、今食べるわよ」


今食べるんだ。


「私も食べます」


まあいいか、父さんの所に行こう。


僕がロールケーキを渡すとお皿を取りにシシルが厨房に向かった。


「父さん、ただいま」


「おかえり」


父さんは挨拶をすると片付けを始める。


「父さんにお土産あるけど見てみる?」


父さんは片づけをやめて僕の前に。


僕は予備で作ったスライサーを父さんの手に乗せる。


父さんは「これなんだ?」と言って横から見たり、下から見たりした。


ぼくが芋の皮のむいたのを用意してと言うとすぐに皮をむいた。


僕はやり方を教えて、父さんに使って貰う。


芋のスライスが終わり、収納されている芋を見せるのに上の部分を外して見せた。


「便利だ」


叔父さんの同じ反応だ。


「ありがとう」


僕はこの後、ポテトチップスを作り食べた。叔父さんの時も作って食べた。


部屋に戻りベットの上で今回の旅は面白かった。親戚が僕にいた。また会いに行こう。



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