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お土産

「頼んでいた商品は来てますか?」


「お待ちしてました、直ぐにご用意しますので、お待ちください」


お姉さんが、用意しに行こうとしたので、慌てて呼ぶ。


「すいません、こないだ注文した物と同じような物はありませんか?」


おねえさんは、こちらに来て笑顔で話し出す。


「ありますが、同じ物になってしまいます。ご注文いただいた物と同じ物を1セットずつ余分に注文したんです」


よかった。在庫がある。


「それも下さい。色は何色になりますか?」


「ありがとうございます、色は赤色とピンク色になります」


「見せてもらえますか?」


「はい、お待ちください」


お姉さんが商品を取りに行っている間に店内を見て回る。


お母さんの温まるんですが在庫がある。


複雑だ在庫があるのと売り切れとどちらがいいのだろう。在庫があれば売れるこれでいいのだ。


何か珍しいものは無いだろうか、魔道具も売ってるんだろうが区別がつかない。


「おまたせしました、こちらになります」


カウンターに載ったブラシと鏡の色をみる、綺麗なピンクに鮮やかな赤で、僕が見てもこの色合いは女性が喜びそうだと分かる。任せてよかった、僕なら緑色とか水色を選んでしまう、そして女性でも水色を好きな人がいると言い訳をして母さんにげんこつを貰うだろう。


「よかったです、女性が喜びそうな色で、同じ物をもう一セットずつ下さい。後出来れば綺麗なラッピングもして下さい」


「はい、ありがとうございます。ラッピングはピンク色はピンクで赤色は赤色でよろしいですか?」


そうか、そこまでは考えてなかったな。母さんにもしピンクを間違えて渡すといけないもんな。


「はい、間違って渡さなくてすむので助かります。カードで支払います」


僕は支払いの為にカードを渡す。


「あの料金の方はどうしたら?」


「こないだと同じでよければ、その金額でお願いいします」


「はい、ありがとうございます。直ぐにラッピングします。少々お待ちください」


お姉さんは他の人にラッピングを頼んで支払いの処理をする。


「こちらカードになります。商品は少々お待ちください」


それだけ言うとラッピングしに行った。


店内には数名お客がいて、温まるんですの所でこれは何かしらと言っているのが聞こえてきた。


スキル販売員を発動して、そのお客に話しかける。


「僕はその商品の説明担当なんです。説明を聞いていただけますか?」


「はい、名前が気になってしまってどの様な物かと考えてました」


「先ず、この商品は温める事が出来る商品で、シチューの温め、シチューの調理どちらも出来ます。そして場所はどこでも出来ます。家の中、外の広場、友達の家、どこにで持ち運びが出来ます。もし旅をしてもこれがあれば、火をおこさず温めと調理、水を沸かしお湯にする事もできます。僕のお勧めは、テーブルの上に載せて食べる食事の仕方です。みんなで囲んでお鍋から好きな物を自分で取ったり、取ってあげたりと家族の団欒を更に楽しくしてくれます。説明が長くなりましたが分からない事があったら質問をお願いします」


僕の話を最後まで聞いてくれた。女性は僕に質問をした。


「誰でも使えますの?」


「はい、子供から大人まで簡単に使えます。つまみが温度調節、ボタンを押すと稼動してもう一度押すと停止します。製造元は5~10年が寿命だと言っていました」


「とても良い物の様に聞こえますが、売れておりますの?」


僕は考える嘘はいけないと。


「カルテドに学園があるのを知ってますか?そこの生徒さんはお持ちの方が多いそうで学園に持ってきて使ってるそうです。ご家庭にもあるそうなので、今人気が出ているそうです。こちらのお店でも売り切れになり最近入荷したばかりです」


「まあ、人気があって売切れていたのね」


「そうです、僕の説明は以上です」


僕の後ろに困り顔の販売員のお姉さんが立っていた。


「それでは失礼します」


「まあ、説明ありがとう参考にします」


僕はお辞儀して商品を受け取りにカウンターに向かう。


「すいません、つい暇であの商品の説明をしてしまいました」


「いえ、説明ありがとうございます、こちらが商品になります」


「ありがとうございます」


僕は商品を受け取りお菓子を探しに街をぶらつく、こうしてのんびり街をぶらついていると女の子に話しかけられた。


「ねえあなた、私の事を覚えてない?」


僕は顔を近づけて見るが見た事がない。


「さあ、見た事ないよ」


僕の顔をジロジロ見る女の子。


「つい最近頭を殴られなかった?」


「最近ではないけど殴られた事はあるよ。夜に裏路地で」


女の子は僕の顔をもう一度よく見て。


「私あなたと一緒に誘拐されたノアよ」


「あの時の女の子、助かったんだ」


「そうよ。隊長さんから聞いたの、私が連れて行かれた家の名前をあなたから聞いてとそれで助けられたの、ありがとう」


僕は安堵したが、謝らないといけない。


「すまなかった、僕は誘拐された全ての子供を助けたいと思い君たちが連れていかれるのを黙って見ていた。犯人たちが連れて行った家の名前を僕に聞こえる所で話していたからいいものの、もし僕に聞こえる所で話してなければ今も君達皆は連れていかれた屋敷にいてひどい目にあっている。本当にごめんなさい」


僕の話を聞いてノアちゃんは明るく答える。


「それでも助かりました。こうして外に出れて家に帰れたんです、ありがとう」


僕は泣いていた、真剣に考えてたのか、自分は強いと勘違いしていたと僕も助けられた1人だと、強くなろう、その場で助けられるぐらいに、もっと努力をしよう、後悔しない様に。


「なんで泣いてるんですか、私は嬉しいのに」


僕は誤魔化すように「目にゴミが入ったんだよ、瞬きして目から出る透明な液でゴミを出したんだ。それに男が泣く時は結婚式と決まっている」


ノアちゃんは何を僕が話してるのか理解してないのが見て分かる。


「それでノアちゃんはこの辺で美味しいお菓子を売ってる所を知ってるかな?」


恥ずかしいのですました感じで話す僕。


「私の家のロールケーキなら知ってるよ」


人気店か聞いてみる。


「そのロールケーキはローランドでは人気があるのかな?」


「どうかな、他のお店の事は分からないけど、よく売り切れになってるよ」


女神が降臨して来ました。


「8個売ってください、お土産にしたいので」


何かを頼む時は、お辞儀をしました。


「ええ、そんなに残ってるかな確認してみる」


女神のノアちゃんの後を追いお店に、甘い匂いがするケーキのお店みたいだ。


並んでいる人が外にはいたけど店内はお客は誰もいない。


もしかして開店前の店の中?


慌てて外に飛び出す若い男性、店の奥から出てくる若い女性、その後に若い女性に似た初老の女性が付いてくる。親子に見える。


ノアちゃんも初老の男性と手を繋いでこちらに来る。


最初に若い女性が僕に話しかける。


「ノアを助けてくれて、ありがとうございます。ノアの母親のノエルです、私の母でノアの祖母のノワです、私の父でノアの祖父のアキノです」


「そんな僕は何もしてません」


ノアちゃんは僕の前に来て話す。


「私は最初に捕まった日、すぐに連れて行かれたのだからユーリがああしてくれなければ、私はいないのよここに」


ここに僕が助けたかもしれない少女がいた。その家族皆にお礼を言われて泣きそうになる。泣いていたかもしれないがここはいつもの様に誤魔化そう。


「すいません、ロールケーキは8個買えますか?」


若い男性が急いでこちらに来る。


「大丈夫です。8個用意できます」


外に出て並んでる人を確認してくれたのだろうかいい人だ。


「ノアを助けて頂いてありがとうございます。直ぐに用意します」


お店を開ける時間まで、あの日のノアちゃんとあの日の僕の行動を話した。


皆は宿屋が食事付きでなくて良かったと言った。宿で食事を取ったり裏路地に行かなければ違う結果になった。


僕は支払いを済ませ武器屋に向かう。


お礼にロールケーキの代金は要らないと言われたが、僕はこれは知り合いのお土産だと断ると1個ロールケーキを持って行ってと言われお礼を言って受け取った。





「姐さん、名刀は出来たか?」


「受け取りに来たんだ」


もう名刀の話に付き合ってくれる人はいないのかもしれない。


「はい、受け取りにきました。それと親父さんの名刀が何処にあるのか分かりました」


お姉さんは、僕の剣の用意をしていたが、僕の話に手が止まる。


「どこにあったの?」


「それは凄い所だよ、まず誰も想像できないところだ」


「だからどこよ」


お姉さんは売ったけど、どこの誰が買ったかわからない。


「誰も想像できない所、国王様のところだよ、親父さんの名刀は国王様が持っているよ」


お姉さんは驚いたがすぐに否定した。


「そんな事ないわ、買っていったのは若い男性だったんだから」


「僕は国王様と侯爵様が話してるのを聞いたんだ、国王様は親父さんの名刀をこんな素晴らしい剣を見た事が無いと侯爵様もそうですと言ってました。国王様はその名刀が譲り受けたものだと言ってました」


僕はお姉さんを見て話を続ける。


「親父さんの名刀は国王様がお持ちになっているんです、親父さんも喜んでいると思います」


お姉さんは笑顔で「そうね、お父さんは喜んでいるわ、だって国王様のところにあるんだから、私頑張るわ、父さんの様に素晴らしい剣を打てる様に」


僕も大きく頷いて「僕もお姉さんの名刀を一日でも早く使いこなせる様に頑張ります」


お姉さんは剣を皮の鞘に入れて渡してくれた。


僕がお店を出る時、お姉さんのつぶやきが聞こえた。「国王様の所に」


僕はまた来るから名刀を用意して待っていてと言って侯爵様の屋敷に向かった。


公爵様はまだお戻って来てないので、夫人にロールケーキを渡してくださいとお願いして、屋敷を後にした。


門から出てジェシーに乗り街道を進む、夕方の街道を進んでいると農民の人が手を振ってくれている。


僕も手を振って大声で「また来ます、さようなら~」と言ってジェシーに加速してもらう。


あ、干し肉買ってくるの忘れた、夜は我慢しよう。

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