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いいのでしょうか

パーティが始まりそれぞれのグラスを少し上にあげて前に突き出して。


「ご快復おめでとうございます」


一番偉い?公爵様が音頭を取り快復の祝辞を述べた。


それに会場のみんながおめでとうと言った。


グリュックの皆は呼ばれ何か貰った。


遠くて見えないが、王様と女性がいてグリュックの皆に女性がお辞儀してる。


あの人が病気の人か、ん?花壇の所にいた女性だ、快復して自由に歩けるようになったんだな。


うん、よかった。


少しすると王様と女性は会場を後にした。


これで参加した事になるとホッとする。


帰ろう働きすぎで疲れた。


「ああ君か、よく働いてくれた、後で上の者に言っておくから」


「ありがとうございます」


僕はお辞儀して扉から出ていく。


「もう帰るのかい、ユーリ君だったね、預かっていた剣だ。間違いないかな?」


「はい、僕の預けた剣です」


さて帰ろう色々しないといけない事がある。


会場を後にしてこの城の出口があると思う通路を歩いて行く。


扉が見えてきて警備をしている人が立つている、出口だ。


後ろから足音が聞こえてきた、急いでいる様だ。


「ユーリ、探したぞ」


声をかけてきたのは、侯爵様だ。振り向いて見ると侯爵様が急ぎ足でこちらに来る。


「侯爵様、どうかされたんですか?」


僕も侯爵様の方に歩き出すと侯爵様は歩く速度を緩めてこちらに来る。


「言い忘れていたのだが、パーティの後に国王様がお会いになるそうだ。ユーリが会場にいないので探した。パーティから帰るのならすぐに陛下の所に行こう」


ええ~、聞いてないし、会いたくないよ。何か粗相をすると体と首が離れるイベントが起こるよね。


だいたい平民の子供に会うなんて、どんな教育受けてきたのかな親の顔が見たいよ。あれ見たくないよ。前国王だよ。


罠の予感がする。もうステルススキルが発動しないので回避する事が出来ない。


「さあ、付いて来てくれ」


「はい」


侯爵様の後に付いて行くが、1人では帰れない位歩いている。


最初は1階だったが、2階も歩かされてもう2度と自分では帰れないくらい色々な通路を歩いて来た。


一番分かりづらい理由が、扉も通路も似た作りなので、何回も扉を通るので記憶する事が出来ない。


向かっている途中で、魔法で忍び込んだり魔法の攻撃を受けたりしないのかと聞いたら、魔法のシールドが張られていて、城壁の辺りから全体を覆っているので全ての攻撃魔法は効かない様になっていると。城にも魔法を使用しての侵入は出来ない様になっていると。


それを聞いて、外が見える所で見てみたがシールドは確認できなかった。


通路の先に途中から壁や天井、床も高価な物になっているその先が国王様のお部屋なのかな。


扉の前から10人の人が壁を背中に警護している。合計で20人が警護している。


警護の人達が一斉にお辞儀をする。


僕もお辞儀をしたが、侯爵様にしたのだと気が付いて、少し恥ずかしい。


扉が開けられ中に入る。


私室のようで天井まである本棚に本がびっしり詰まっている。


国王様も本を読むんだ。何冊あるのかな。


今国王様がいないのでこの機会に国王様の私室をよく見る。


座り心地の良さそうな大きい椅子、大きな机。ここで事務的な事、確認のサインでもするのかな。


窓があるが開かない作りでガラスも厚そうだ。


侯爵様が奥に行き戻って来ると、豪華な服装の国王様が入って来た。


急いでその場に片膝を付き、床を見る様に下を向く。完璧だ、昔見たアニメでこうしないと恐ろしい事が僕に起こる。未然に防げたと安心していると国王様から声がかかった。


「よい、立ってくれ」


「ありがとうございます」


王様から許可が出たので立つと。


「よくその様な昔の慣習を知っているな、城の者で知っているのはもはや王族の我々だけだと思っていた」


そうなの慣習て替わるんだ。侯爵様が笑ってるよ。


僕は話していいのかな、ここは侯爵様に任せよう。


「こちらが私の街に住むユーリです。ドラゴンの血液を私に託してくれた少年です」


「おおそうか、私は国王ローランド21世だ。娘ローレライの病気が快復したのはその方のお陰である、礼を言う」


凄い、21世・・・・・同じ年に何人も死んでないよね、争い無しで21世てあるのかな。


「ありがとうございます、嬉しきお言葉でございます」


頷く王様に頷く侯爵様。


「ユーリ、何か褒美をあげたいのだが何がいいかな。シューゲル侯爵からも何をあげたらいいのか分からない子供だと伺っている」


僕は考える、この40代の王様が僕に何でもいいと言ってるよね。何がいいかな、そうだもしかしたら。


「出来ればドラゴンに関した書物、又は情報を頂きたいです」


「なるほど、侯爵の言っていたのは本当の様だ。ドラゴンに関する情報、書物があれば複製を作り君に届けよう、後日でいいかな?」


「どんな些細な事でも嬉しいです。ありがとうございます」


僕はお辞儀をして更に話す。


「この度の事は、僕に功績は無いと思います。僕はその、ローレライ様の為に行動したのではないのです。僕がしたのは最初に用意された秘薬と同じ物が有れば次にどなたかに使えると思い侯爵様にドラゴンの血液を託しました。もし僕の渡した血液から秘薬を作りローレライ様が快復されたのであれば一番の貢献者は侯爵様になります」


お辞儀をして僕の話は終わった。


「そうであるな、シューゲル侯爵ありがとう」


「私は託された血液を届けただけなのでその様に言われましても」


よし、これで僕は無関係になりました。めでたしめでたし。


さあ終わったぞと思って、いつ帰れるのかなと考えだした時に。


「あそこにある剣を見せてくれないか?」


王様が入口の壁の所に置いてある剣を見せてくれと言われた。


「分かりました、お持ちします」


僕は急いで剣を持って取り敢えず侯爵様に渡した。


直接渡すのはいけないととっさに思い国王様に渡さないで済んだ。


受け取った侯爵様が両手で渡してるのを見て、僕なら片手で渡してしまったと思う。


渡された剣をよく見る国王様、国王様も剣を使うのだろうか。


僕が知っている文庫の世界では、国王様は魔法が使えないのが定番なんだよね。


「これは素晴らしい、私も剣の心得が少しある。見事だ、最高の剣であろう。誰しも欲しくなるであろう」


そうなんだ、さすが名刀だ。王様が持つととても似合うぞ。もしかして、持ち主は国王様のほうがいいかもしれないな。


「国王様、この剣を献上します。どうぞ受け取りください」


「はぁ?」


国王様がはぁと言いました。どんな時のはぁだろう。


「ユーリ、この素晴らしい剣は君のものであろう、私が譲り受けるわけにはいかない」


事のなりいきを見守る侯爵様。


「確か、誰しも欲しくなるであろうとおっしゃいました。国王様も少しは欲しいと思ったはずです」


「まあ、素晴らしい剣なので少しは欲しいと思ったかも知れない」


「では、お受け取りください。実は僕はこのローランドでこの剣ほどではありませんが名刀を購入したんです。こちらの剣を打った人の娘さんが打ちました一振りの名刀なんです。今の僕には娘さんの名刀の方が必要なんです」


ここで侯爵様が僕の案を勧めてくれる。


「どうですか、ここはユーリのご厚意に預かり受け取り、ユーリは自分に合った娘さんの名刀で己を磨く。ここはユーリのご厚意に預かりましょう」


「それでは、ユーリこの剣を譲り受けよう。しかし、私がこの剣を持つのにふさわしいとは思えない」


僕はそれならと。「ではこの王国に勇者が現れましたら国王様から褒美であげればいいのでは、それまでは国王様の物として大事に保管していればいいと思います」


「そうだな、それまで私が預かろう」


いいところに落ち着いたな、それに自分合った名刀は欲しいけど、剣マニアじゃあるまいし沢山持っていても邪魔だよ。帰り4本の剣を持ってかえるなんてジェシーに悪いよ。お土産も沢山持って帰るんだから。


「それにしても嬉しいことが続く」


僕は国王様が嬉しい事続くとおっしゃったのでそれは何かと考える。


「ローレライの快復、王都での連続誘拐事件、共に難しい問題だった。まだ色々と問題があるが、まずは、人の命にかかわる事が解決したので安心している」


「そうです、問題は少しずつでも解決に向かってます」


侯爵様は国王様の治世が良くなってきてると一緒に喜んでいる。


そうだ、侯爵様のお嬢様も誘拐されたんだ。


セシルちゃんの誘拐は内部のメイドが脅されて連れ出し犯人に渡し、犯人が捕まる前に隠したと思われるところで僕が偶然見つけた。


犯人は侯爵様の私兵と戦い全員死んでしまった。セシルちゃんの行方を知るものがいなくなった。


なんか貴族様や国王様は平民とは違う大変さがあるんだな。


話は終わり、最後にお礼を言われ退出した。侯爵様が国王様と話があるので、部屋の外の警備の人にお城の外に繋がるも門まで案内をして貰った。




「やった~、パーティは終わった、観光だ」


僕は嬉しくなり叫んだが、そこはまだ門の前で門番さんに「ごほんと」咳払いをされた。


走り出したい気持ちを抑えのんびりと跳ね橋を歩き振り返り、シールドは見えない。


どんな凄い人の魔法か、魔道具によるシールドなのかどちらでも凄い事にはかわらないと思う。いつかその事を知りたいと思った。


橋を渡りきれば、僕らの世界だ。全速力で小物屋さんに向かう。





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[一言] 「それでは、ユーリこの剣を譲り受けよう。しかし、私がこの剣を持つのにふさわしいとは思えない」 国王が謁見に来た者が預けている剣を欲しいと思っても貰ってしまったら、これから謁見に来るものは気…
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