アサルト村
「アサルト村近郊、グール討伐クエ、ただしワイルド、シャンボも多数混ざっているので注意」
これ凄く大量にグールがいるんじゃないのかな、ジェシーとは行けないな危険だよ。
何体でもいいのか、オークの時みたいにお肉も美味しければいいけど、グールは不味いらしい。
剣をもっと上達したいけどどうなんだろ、剣の相手に向いてるのかな。
試してみたいことがあるから、このクエでいいか。
「ユーリ、君が来るのを待っていたよ」
後ろから声をかけられ振り向くとギルマスだった。
「おはようございます、何か用ですか?」
「一昨日の王都まで薬を買いに行ってくれてありがとう。報酬とおつりを貰おうと待っていたんだ」
「お釣りならありませんよ、迷惑料にあげてきました」
「・・・・・お釣りがない・・・」
困った顔のギルマスさんは黙ってしまった。
「まあ、いいじゃないですか終わった事は」
「終わった事だけど、大銀貨5枚ぐらいしかしないんだ。2倍の値段か~」
「僕は報酬は要らないので、それでダメですか?」
「奴には諦めてもらうか、はぁ~」
「お子さんはどうなったんですか?」
「持ち直したそうだ、本当によかった」
「よかったです、それでは僕はクエを受けるので失礼します」
ギルマスに挨拶して、受付に依頼書を渡す。
「こちらのクエはグールの討伐になります。アサルト村では村の封鎖をしないといけないほどにグールが出没しているそうで、緊急な事態になっています。グールの数が多いので大丈夫ですか?」
「はい、頑張ってきます」
「はい、ではお気を付けください。ギルドカードです」
市場で干し肉を買い東の門からアサルト村を目指して走る。
夜に着いてしまった。村の柵は閉まっていて、柵の向こうに見張りがいるのが見える。
なにか聞こえてくるぞ、戦闘の音が聞こえる。
うわ~、あれがグールか死体が動いてる様に見える。
戦闘している人が10人はいるが、グールは100体以上いて色が違うのもいるな。
戦闘してる人の所に行って話しかける。
「すいません、僕はユーリです、戦闘に加わってもいいですか?」
「うわ~、人間かビックリした、私はカタルだ。構わんが大丈夫か、危なくなっても助けに行けないぞ」
僕とカタルさんは戦闘しながら話す。
「はい大丈夫です」
リストバンドを付けて左手に初代名刀を持ち、右手に二代目名刀ミスリルの剣を持つ。二刀流の出来上がりだ。
戦闘している人達は囲まれない様に村の柵のを背にして戦っている。
僕はグールの中に向かい走り出す。
向かってくるグールに左が突き、右で斬る。
腕に合わせて肩を回転させる様にして前に出し、その流れに合わせて剣で斬る。簡単に言えばクロールを効率よく小さい円で回すかな。
この時、足も肩に合わせると滑らかな動きになり、足を合わせないと力だけに頼った攻撃になる。
いろいろ試せる、今度は足に合わせて身体と手を使いグールに攻撃する。
足に合わせた姿勢の方がぶれないと思い攻撃をする。今度は身体の動きに合わせて二刀流の攻撃だ。
身体を回転させ左が牽制、右手が薙ぎ払い斬り。この動きは隙が出来てしまう。
いろいろ試して、足に合わせた肩の動きがしっくりくる。
敵が少ない時には、身体の動きからの攻撃の練習だ。
基本の足からの動きの練習だ。剣術にはない足さばきを入れてみる。
テニスとバスケの動きは相手に合わせたりフェイントがしやすいな。
腰を少し落としてステップをして力が伝わりやすい動きを確かめる。
あれグールがいない、どこに行ったんだ。
「知らないうちにこんなに倒してたのか」
僕の周りにグールの死体が無数にある。
「まだ、コツがつかめてないのに、あそこにもまだ沢山いるぞ」
走り出した勢いをのせた攻撃をくらえ~
走って二刀流は攻撃がのらないな。
色の違うグールがこちらに向かってくるぞ。
腰を落としグールの攻撃を左にステップでかわし、右の突き入れる。
突きを抜く動きで左の手で首元を斬る。
「凄いじゃないか、ユーリ。グールがいなくなったぞ」
周りを見回してみると戦闘が終わっている。
「ええ~、逃げちゃたんですかグールは?」
「何言ってるんだ、ここに居たグールは全て倒したよ。それも君が変な動きでグールの中央で次から次と倒してたじゃないか、覚えてないのか。君が中央に突進していったお陰で、戦いやすくなったんだ」
「そうだったんですか、二刀流の攻撃をどうすれば効率よく出来るか試すのに忙しくてあまり周りが見えてませんでした」
「恐るべきだな、でも助かったよ。ここ何日も夜にグールが襲ってくるんだ。今日は4、5倍は居たんじゃないのかな」
「大活躍だな君」
「変な動きで攻撃してたな」
「マジ助かったわ~」
戦闘が終わり僕とカタルさんの周りにみんなが来る。
「しかし、今日はグールが多かったな」
「囲まれないで戦うの必死だったよ。それがどうだい、グールの大群の中央に突進していくバカが居ると思ったら二刀流でバッサバッサと倒すじゃねえか驚いたね」
いかついおじさんに背中をバンバン叩かれる。痛い。
「さて、村に入るか」
「ユーリ、君も村に行こう。クエは受けて来たんだろ」
「はい、受けてきました」
僕が戦った所にグールを集め燃やしていく。グールは死体を食べるので集まって来ない様に燃やす。
「さあ来い、ワイルドグール。剣の錆にしてくれる」
グールの真黒版だ、通常のグールより力があるが、たいして変わらない。
「二刀流連撃薙ぎ払い~」
「ユーリ、楽しそうなところ悪いけどジャイアントグールが来たよ」
僕が、ワイルドグールに必殺技を練習しているとジャイアントグールが数体こちらに来る。
他のみんなは、あの夜からグールの来襲が少なくなったので2人組で見張りをする事にした。
僕とカタルさんが組んでアサルト村の南東で見張りを担当している。
グールの数は減ったが、いまだにアサルト村の付近に現れるのでこうして戦闘が度々ある。
それも、グールより上級のワイルドグール、ジャイアントグールが現れる様になってきた。
「先に攻撃していいですか?」
「気を付けろよ、ジャイアントグールなんだから」
僕は落ちている木の枝を取り。
「分かりました、頑張ります。枝一号行け」
僕の投げた枝を簡単に叩き落とす。この技が効かないだと。
「回転二刀流斬り、フェイント足斬り、二刀流奥義急所突き、カタルさん1体が行きました、よろしく」
「わかった、あまり遊ぶなよ」
なんと失礼な事を言うのだ。楽しいが二刀流を極める為に頑張っているのに。
「二刀流連続気合斬り、二刀流払い斬り、二刀流上下二段突き」
思いつく技をすべて出したぞ。まだあるはずだ秘奥義が・・・
「二刀流奥義高速斬撃、終わった」
ジャイアントグールがもういないカタルさんの方を見ると既に倒されていた。
「お疲れ様、カタルさん」
「おつかれ~」
取り敢えず戦闘も終わったので休息する事になった。
「ユーリ、その二刀流の技、普通の攻撃だよな」
「名前を付けてみたくなったんですよ」
カタルさんは頷いて「そうだな、子供が考えそうなことだ」と言った。
「まあ子供ですけど、考えればいいアイデアが生まれます」
「そんなもんかね~」
二刀流は防御も出来るから、いろいろ試せて面白いな。
「他のみんなもこんな感じで見張りしてるんですかね」
「大群が来なくなったから、どこも同じだろうな」
「おお~い」
こちらに走って来る冒険者が。
「どうした?」
「大群が来なくなったから、別の組の奴が峠の方まで探索したら地下洞窟から出てくるグールを見たらしい。もしかしたらそこが住処かもしれないと」
「それなら、昼間皆で行ってみよう。住処を潰せればこのクエは完了する」
この後話し合い、見張りに残る者と明日の昼間に地下洞窟に分けられた。
僕は勿論地下洞窟組だ。
地下洞窟前にやって来た僕達は6人。3人が松明を持って先頭がカタルさん最後尾に僕で入る事になった。
「意外とデカい入口だな」
「今までここからグールが出てきたとすると、この地下洞窟はとても広くて大きいぞ」
「さあ行こう、みんな気を付けろよ」
先頭のカタルさんが中に入っていく。
シュラさんが居た洞窟に似ているな。
「おい、こっちに数体グールがいる」
カタルさんが前方の広場にグールが居ると言っている。
最後尾の僕も走り出すが、広場に入って時には戦闘が終わっていた。
「グールの数が少ないから楽だな」
この後も数体のグールを倒しながら進むと今までより広い広場にグールが50体以上いた。
「どうする、いったん戻るか?」
「そうだな、この数だとこちらが不利だな」
「二刀流突撃連続回転斬り~」
「おい、ユーリが居ないぞ」
「ここは戦うぞ、入口付近から離れるな」
「ユーリの近くは危険だぞ」
後ろの方で何か言ってるが、ここは奥義の連続攻撃だ。
「奥義回転足斬り、奥義連続薙ぎ払い」
慣れて来たな二刀流に無駄な動きが減って来てるのが分かる。
「奥義連続スピン~」
回転が多くて目が回りそうだ。
「ユーリ、こっちに来い。もう囮はいいぞ、手が空いてきた」
僕は回転の奥義をやめて皆の方に走る。
「囮なんてしてませんよ、奥義の練習には魔物が沢山いないと出来なんですよ」
僕が抗議しても取り合わず、僕にまとわりついて来たグールを皆は倒していく。
「しかし、無茶はするなと言っただろ。こちらの事も考えろ」
怒られてしまった。
「すいません、気を付けます」
「まあいいじゃないか、ユーリの変てこな奥義のお陰でこの先も行けるんだから」
納得がいかないカタルさんはもう一度僕に注意した。
「やれると思ったなら実行前にこちらに相談しろよ、分かったなユーリ」
「分かりました、事前に相談します」
全てのグールを倒すと休憩する事になった。
「今のところ、分岐が無いので進んできたがこの先何があるのか分からないが、グールの住処で間違いないな」
「そうだな、グールしかいないし広いわりに魔物が少ないよな」
僕はみんなの話を聞きながら干し肉を食べるて考える。温まるんですが有っても、美味しいお肉がここにはいない、去年はオーク肉が沢山食べれたのに今年は干し肉ばかりだよ。
休憩が終わり通路を進むがグールに遭遇しなくなった。通路の脇に小さい広場が何個もあり、小さい広場は全て行き止まりだった。
「ここで終わりか、ここやけに広いな」
「この広さにグールが居ないとなると全て倒した事になるな」
「沢山あった広場がグールの住処だったんだな」
僕は皆の話を聞きながら大きい広場の壁をぐるりと回ってみる。
これだけ広いのにグールが居た形跡がないな。
入口の反対の壁に着て上を見上げると大きな穴が開いている。
地上とこの場所の真ん中位に黒く動くものが見える。
ここは静かに足元を確認する。
あった、何枚もあるぞ。誰もこちらに気がついてない、こそこそとリュックに入れていく。
他に落ちてないかよく見てると。
「ユーリ、アサルト村に帰って報告するぞ」
僕は足元をキョロキョロ見ながら「分かりました」と言い皆の所に戻る。
「一時はどうなる事かと思ったが何とかなったな」
「そうだな、けが人は多数出たけど死人が出なくて良かったな」
「アサルト村の初期対応が良かったんだろう」
僕は皆と地下洞窟を出る為に歩いているが、後ろが気になった。
いつか会う時が来るかなブラックドラゴンと、その時が楽しみだな。




