スコット子息と食事
だんだん日が暮れてきた、アリシア嬢に火を付けてもらい松明をみんなが持っている。
スコット子息には目的地があるのかどんどん進む。
少し開けたとこに出ると墓石が何個もある、墓石以外は何もないが、なんで大森林のこの場所に場石があるのだろう。
墓石にはこの地で魔物に襲われた者の魂が安らかに眠れる様にと書いてある。
「おい平民、ここは俺の叔父が魔物に襲われた所だ」
「そうなんですか?」
「ああ、ここで平民を守るために頑張っていた叔父は、魔物に囲まれても見捨てないで先に逃げる様に言っていたらしい。後から逃げて来た平民に突き飛ばされて転んだが、その平民は何事もなかったように叔父を助けようとせず、そのまま逃げたそうだ。叔父が立ち上がった時には魔物に囲まれていてなすすべがなかったと聞いた。俺はその平民が許せないし、平民は逃げるだけで戦おうともしないずるい者たちだ。だから僕は平民が嫌いだ」
いきなりそんなことを言われてもどうしたらいいんだろう。
そうだ、こんな時に言う言葉を聞いたことがある。
「お悔やみを申し上げます」
「叔父は死んではいない、大けがをして今も寝たきりだ」
「失礼しました」
急いでお辞儀をして謝る。
みんなも今の話を聞いて黙り込む。
どうすればいいのだ、僕にはわからない。
「おい平民、お前の意見は?」
そんな大それた事、僕に聞く・・・前世の11歳はそんなに大人じゃないよ。
でも、この世界の11歳は本当に大人なんだな、聞かれたら答えないわけにはいかない。
「僕の価値観で話しますね」
「ああ、それで構わない」
「そもそも平民が、貴族の方と同じ様に戦えないので逃げるしかないと思います。僕の両親も他の街の人も戦闘した事もなければ、武器を持った事もないと思います。叔父さんの事で言えば、ぶつかった人はとても悪いですが、魔物と戦う事は出来なかったと思います。だから恨むならぶつかった人を恨んで欲しいです。平民みんなを恨まないで、ぶつかった人を」
「生意気だな、平民は」
僕は頭をぽりぽりかいて困る。
生意気な事を言ってしまった。僕はスコット子息を最初から嫌いではなかった。何かあるだろうとは思っていたが、意地悪をされたわけでもないし、なにか危害を加えらえれたわけでもないから。
ただあまり近づいては行けないとは思っていた。なるべくかかわらに様に距離をとっていた。
誰かこの空気を代えてよ、僕には無理です。人と関わるのは好きだけど、まだ子供なのでどうしたらいいのか分かりません。
ここは定番のお腹が鳴る・・・鳴らない。他に定番は・・・もう他の定番なんか知らないよ。
「あの、夜ご飯は何もなしですか?」
天の助けだ、アリシア嬢がとても綺麗に見える。でも顔はお腹がすいたのか悲しそうだ。
スコット子息もアリシア嬢の言葉にのる。
「そうだな、今日は皆頑張った、お腹も大変空いたと思う」
何故か全員が僕を見る。
「あの、少々お時間お頂ければ何か探してきましょうか?]
場の空気が普通に戻り、安堵して自分から探してくると申し出てしまった。
「スコット様、ここは行って貰いましょう」
ジェイク子息が行って来いと言ってる。
「そうだな、本人からの申し出を断る事はあるまい」
やっぱり貴族の子供も貴族だった。
「では、全力で行ってきます」
本当に全力で探した。
去年はみんなで探したオークを1人で探した。
いいのだ、もっと足を鍛えてやる。
中学では1.5キロを4分48秒で走り、小学校では50メートルを5.8秒で走った。
今の僕はあの時より速く走れているのだろうか、誰かよりも速く走りたいとは思わないが、もっと速く走れるようになりたいな。
走る事に夢中になりすぎた、今はオークを探さないといけない。
大森林にもオークはいるのは分かっているけれど見かけないんだよね。
あ、いた・・・3体もいた。
でも、エイミー嬢もいた。横取りになるのだろうな。しょうがない他を当たろう。
「ユーリ、丁度いい所に来ましたね。2体は任せます、よろしくお願いします」
なるほど、みなさんは1体を相手に戦いたいと邪魔な2体を僕にお願いと。
「分かりました、お気お付けてください。エミリー嬢」
「ありがとう、ユーリ」
許可を頂いて急いで2体に攻撃を仕掛ける。
今日練習した攻撃を試すか、全力で相手を蹴りその反動で他のオークを攻撃して仕留め、蹴りを受けたオークの態勢が戻る前に急所に突き入れる。
「まあこんなもんか、これ喧嘩の応用だけど人間より魔物の方がやり易いな。ああ、オークは体が大きいからか」
そうだ、ある程度重くて大きい敵じゃないとこの技は使えない。重すぎる時もあるか、封印決定だな。
うんうん頷いていると隣にエミリー嬢が来て言った。
「ユーリ、解体してください」
「そうですね、僕が解体します」
エミリー嬢のチームのみんなも解体を見ている。
誰も気持ち悪くならないんだね。
僕はオーク肉を1体分貰って、2体分をエミリー嬢に。
僕が戻るとみんなは寝ていたので、焚火を使いシチューを作る。
久しぶりだな、焚火を使い鍋で作るのはいつぶりだろうか、温まるんですが有るし、自分では焚火をおこせない。焚火をおこす道具も知識もない。
肉が柔らかくなってきたぞ、味付けは薄めにして肉の味が分かるぐらいがいい。
あれ、今気がついた・・・僕の好きな野菜が無いぞ。
肉だけのシチューて嬉しい物なのか?オーク肉を大好きなポール子息でも肉だけのシチューでは喜ばないはず・・・はずだよね。もしかしたらオーク肉だけでも良いと言いそうだ。
無い野菜は入れられない諦めよう。
出来たのでみんなを起こす。
「すいません、遅くなりましたが、お食事の用意が出来ました。起きてください」
起きだすみんなにお皿を・・・・この人達は冒険者じゃないのでお皿を持って来ているのか確認するの忘れてた。
「あの~、お皿とかお持ちでしょうか?」
みんながお皿を突き出す。
あれなんでお皿を持って来てるのかな?僕が持って来てない。
温まるんですで食べよう。
みんなのお皿にシチューををよそう。
「これが、ユーリ君のシチューですか、美味しそうですね」
「模擬戦のチームが違うので、食べてみたいと思っていたんです」
「そうだ、僕も何でこのチームなんだと嘆いたものです」
「俺はしゃぶしゃぶがお気に入りだ」
みんなは食べ始め、模擬戦のチームが違うので食べれないのが残念だと言っている。
スコット子息は自慢げに今までに食べた物の感想を言っている。
しかし~僕にはまだ作ってない肉料理があるが僕はそんなに好きではない。
野菜は味が染みて美味しいのだが、お肉が硬くなったりお肉の本来の味が感じられないのが好んで食べない調理法になっている。
それなら安い肉を使った牛丼の方がいいだろう。勿論すき焼きの方が美味しいけど。
それに卵の問題がある、この世界の人は生で卵を食べないんじゃないかと思う。
ご飯が無いので、かけて食べなければほぼ生で食べる事がなさそうだ。
なので、すき焼きは誰にも作ってあげてない。
「みなさんはオーク肉だけのシチューでよろしかったですか?」
「何を言ってるんだ野菜などいつでも食べれるではないか、それよりもオーク肉は売り出される量が少なくて手に入らないんだぞ」
ジェイク子息の説明を聞いて、僕の周りの人は良く食べてるとは言えなかった。
「そうですね、野菜ならいつでも食べれますね」
嘘が嫌いな僕は嘘は言ってない、野菜ならいつでも買える。
僕は子供の時・・・いまもか、前世の子供の時、嘘が嫌いな僕に質問してくる女の子がいた。
何々さんが好きだよねと聞かれて「はい」と言ってしまった。嘘はついてないが、半年ぐらいからかわれた。
次から僕は秘密だよと答える様になった。
僕にはある計画がある、僕の一番かもしれないお菓子をこの世界でも食べたい。後驚くのを見たい。
あれ、お菓子でいいんだよな。その辺の定義はどうでもいい。
試せるようになるのに一年はかかるのかな、すごく楽しみだ。
みんなが美味しそうに食べてるので、僕は自分の好きなお菓子の事を考えてしまった。
「すまない、お代わりを」「私もです」「同じく」「お願いします」
お代わりをよそい鍋を見ると作ったシチューはなくなったので火からおろす。
「見張りはどうする昨日と同じでいいか?」
これは僕に聞いたんだなと理解して。
「はい、大丈夫です」
オーク肉のお陰で食料の調達をしないですむと僕がみんなに伝えると、戦闘だけに集中して過ごそうとスコット子息が提案した。
みんなが戦闘に集中出来るようにサポートに徹した。
僕なりの考えを聞いて貰う、違う人の意見を聞いて自分なりに考えて貰う。
始めは僕と話さなかった令嬢達、僕に平民と声をかける子息達、みんなの関係はそれなりに良いものになった。
みんなの戦闘が上達した合宿が終わった。




