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シュラさんに会うみんな

7日が過ぎてみんなの疲れが溜まってきたので一日ゆっくりする事にした。


大洞窟でゆっくりも変だが、魔物もあまり出ないのでみんなには横になってのんびりして貰う。


僕は、今まで試さなかったビーフシチューに挑戦するつもりだ。


簡単だがあえて作らなかった。ワインを使うので年齢的に買いづらかったのだ。


それにワインの安い物が無いので、クエでお金が貯まるまで我慢してきた。


父さんにも教えてない。


それをここで作る。最初から作る予定でいたが、時間がかかるのでいつ作ろうかと考えていた。


疲れたみんなは、寝てしまっている。


倒したオークの肉を沢山入れて煮込む。


ニンジンが嫌いな人がいるので、芋と玉ねぎを入れて味を調える。


どの位経ったか分からないが12時間ぐらいは過ぎていると思うが、みんなの起きる気配がない。


戦闘でなるべくみんなが戦いやすい様にしているが、魔法の頻度が多すぎるかもしれない。


しかし、これから先の事を考えれば攻撃力はあった方が皆の為になると考えている。


僕の考えが分かるのか、僕にも戦えとはみんなは言わない。


だから、休める時に休んでほしい。


余裕がある時に魔法のイメージをしているがみんなの持っている属性の発動は全然おきない。


学園の先生に教えて貰った基本の発動条件を僕がまだ理解してないのかもしれないな。


発動補助用の杖を使ってもダメだった。


魔法を使えない人も沢山いるから気長にイメージだけでも練習している。




クンクンして鍋の匂いを嗅いでいる伯爵令嬢のエミリー嬢はみんなより先に起きて、僕の作つたビーフシチューを見つめている。


そうなのだ、僕のチームのみんなは、美味しい物に対する思い入れが強いのか食いしん坊に見える。


食いしん坊全開のポール子息がいるのでみんなにも影響を与えてるのかもしれない。


「どうですか、いい匂いだと思うのですが?」


「そうですね、初めて嗅いだ匂いですが、美味しそうないい匂いです。早く食べたいですね」


僕とエミリー嬢がビーフシチューの事を話していると他のみんなが起きだしてきた。


ポール子息は起きるとすぐに匂いを嗅ぎつけて鍋の前に来て、中の具が何か確認して嬉しそうに微笑んでる。


「みなさん起きたみたいなので、食事にしたいと思います。本日限定のビーフシチューを作ってみました。お代わりも沢山ありますので遠慮なく食べてください」


お皿にビーフシチューをよそって、起きた順に渡していく。


「「「「「いただきます」」」」」


美味しいな、ビーフシチューの濃厚な味は煮込んだ事で出ている、味が濃いのとは違い具材の味がしみわたっている。


「「「美味しいです」」」


「ユーリ、こんなに美味しい料理を今まで隠してたのか?」


「隠してませんよ、僕は子供なんでワインを買えなかっただけですよ。ワインも高価な物なので料理に使いづらかったんです」


「まあ、ワインが入ってるんですか、気づきませんでした」


「このビーフシチューを食べると酔ってしまいませんか?」


「大丈夫です、煮ている時に酔ってしまう成分が無くなってしまうので酔いません」


「ユーリ、お代わりを」


ポール子息にお代わりを渡す。


「他の皆さんもお代わりしてください」


貴族のみなさんは、大人っぽく見えるが食べ盛りの子供だ。ビーフシチューは無くなった。




よく寝てよく食べもたみんなは、疲れが取れたのか足取りは軽い。


戦闘も順調で分岐の矢印の方だけでも魔物がいる様になったので、脇道には行かずに進む。


僕は、そろそろシュラさんの所に着きそうだと思っている。


横のエミリー嬢は魔物が現れないか警戒しながら歩いている。最後尾のポール子息も後ろの警戒をしてくれている。


地面に振動がシュラさん起きてるな。


通路から広場の入口に立って、ドラゴンのシュラさんを見て、驚きの顔をして唖然としているみんな。


無理もないよね。伝説のドラゴンをまじかで見るなんて普通ならないよな。


僕達に気がついているシュラさんが先に話し出す。


「ユーリ、ラム酒を持って来てくれた?」


僕はため息をついて。


「お久しぶりです、シュラさん。もちろん持って来てますよ」


僕とシュラさんが話し出すと唖然としていたみんなが走り出してシュラさんを触りだす。


「動いてる」


「硬いですわ」


「白くて綺麗ですわ」


「今、伝説の前に」


みんなに触られているが気にしないシュラさんがラム酒を飲む。


シュラさんは美味しそうな顔なのか目がトロンとしてる。


「グリュックの皆はラム酒を持ってきましたか?」


「うん、来てくれたわよ。大樽を2個」


今もみんなは、シュラさんを撫でたりしてる。


「今日はどうして来てくれたの?」


「みんながシュラさんに会いたいと言いましてお連れしました」


「みんなに感謝しないとね、ラム酒が飲める」


みんなは、僕とシュラさんの話が自分たちの事を話していると挨拶を始めた。


「私は、エミリー・ブラウニングです。シュラさんに会えて嬉しいです」


「私は、アンバー・ハートです。白くて綺麗なシュラさんに会えて嬉しいです」


「私は、スカーレット・ヨハンソンです。私も綺麗なシュラさんに会えて嬉しいです」


「僕は、ポール・ラッドです。伝説のドラゴンに会えて嬉しいです」


何か言葉を添えるのが貴族なのかな。


「まあ、みんないい子なのね。私も嬉しいわ、よくここまで来れましたね」


僕が、代表して答える。


「おそらく僕とグリュックの皆が度々シュラさんの所に来るので魔物が減っているんだと思います。入口からここまで間に魔物と遭遇する回数が、最初に来た時より減ってます」


「そうなの、私の体だと通路は通れないから様子がわからないのよね」


みんなは、シュラさんと仲良くなり1泊する事にした。


僕はシュラさんの所なら安全なので、僕は少し大洞窟を探検してくると告げて最後の分岐でシュラさんに続く通路と違う方に行ってみた。


戦闘すること数回、通路が下っていて青白い神秘的な輝きを放つ地底湖を見つけた。


「うわ~、凄い綺麗だ。まさかこんな所があるなんて」


水をすくい匂いを嗅いで飲んでみた。冷たくて美味しい。


いろいろ歩き回ったが、ここから違う所に通じていそうな通路は、発見出来なかった。


行き止まりか、シュラさんの所に着かなかったらここに来ていたかもしれないな。


シュラさんの所に帰って、地底湖の事を話すとみんなは見に行きたいと言い出したので行く事になった。




「わあ~綺麗、神秘的ですわね」


「水が冷たくて美味しいですね」


「シュラさんが水の中にいたら神~て感じになりますね」


グリュックの皆は知ってるのかな、ヴエルナさんは運が悪いから来てないかな。


神秘的な雰囲気を味わい満足してシュラさんの所に戻る。


「すごかったんですよ、シュラさんにも見せてあげたいな」


「ありがとう。その地底湖に負けないぐらいの神秘的な湖ならあるかもしれないわよ。確か名前が神秘の森」


「神秘の森ですか~、行ってみたいですわね」


「神秘の森に湖はあるんですか?」


「あるわよ、神秘の森の中に湖があるのよ、その湖の中央に大きな木が生えているの。その光景は神秘以外の言葉では表せないわね」


「神秘の森はどこにあるのですか?」


ドラゴンのシュラさんが考えてる。


「ごめんなさい、忘れちゃった」


「そうですか、それは残念です」


シュラさんは、長く生きてるから忘れる事も沢山あるんだろうな。


場所が分かっても、ドラゴンのシュラのさんは遠くまで飛べるから、僕達の行ける所に無いかもしれない。


僕はお願いする。


「思い出したら、教えてください」


僕の恒例の鱗探しをしていて、そうだお土産を用意しないといけない思う。


僕は、侯爵様に会いに行くつもりなのでお土産をここで用意しようと思っていた。


シュラさんにお願いしないと。


「シュラさんお願いです。血液を下さい」


僕の言葉にみんなは驚いて、僕を見る。


「あら、ユーリは持って行ったわよね」


「あの時はヴエルナさん達にあげたんです。もし足りないと悪いと思って。今日は、シューゲル侯爵様のお土産に貰いたいんです」


「まあ、シューゲルなの、ユーリがお土産を持って行くのは、カール・シューゲルなの?」


「カール・シューゲルさんの子孫のアラン・シューゲル侯爵様です」


「そうよね、人間がそんなに長生きできるはずないもの。でも嬉しいわ、カールの子孫なんだよね」


悲しそうに話すシュラさんに。


「侯爵様の屋敷にはシュラさんとカール・シューゲル様が楽しそうに微笑んでる絵画が飾られていました。子孫のアラン・シューゲル侯爵様は我が家の宝だと言ってました」


「見てみたいわね。ユーリありがとう、私の血液を持って行って、私の友達の子供に」


「ありがとう、シュラさん」


僕は、渡してなかったラム酒2本をシュラさんに飲んでもらい。その瓶に血液を入れてもらった。


シュラさんの背中の上でみんなは、初めて空を飛んで喜んで、街まで乗りたいとお願いしていたが、シュラさんの事は秘密だからとあきらめて貰った。




「シュラさん、ありがとう。遊びに行きますね、ラム酒を持って」


「いきます、私もお土産にラム酒を持って必ず」


「シュラさんに会えてよかったです」


「空を飛べて良かったです、ありがとう」


「また行きます、シュラさん」


最後に僕が別れの挨拶をする。


大洞窟に戻るシュラさんが僕にお土産はラム酒を頼むと。


「ユーリは、力持ちなんだからもっとラム酒を持って来てよね」


「分かりました、持てるだけ持って行きます。送ってくれてありがとう」


じゃね~と言って僕達をのせてる時よりも速い速度で帰って行った。


「楽しかったですね。シュラさんは優しくて綺麗でした」


「そうですね、ドラゴンはもっと怖いものだと思ってました」


「でも、お1人で寂しいでしょうね」


ドラゴンは一体?匹?。でも愛嬌があるので一人と呼びたくなるのが分かるな。


「さあ帰りましょう。街道まで行けば魔物に遭遇する事もありませんから」


「「「「は~い」」」」

誤字脱字の報告ありがとうございます。

第29部に誤字脱字が8個もありました。

いつも報告してくれる方、手数をお掛けしてます。

書いてる時と投稿の時にチエックしているのですが、全ての誤字脱字を見つけられないみたいです。

そして、読みずらいのに読んでくれてる皆さんありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[一言] 返信の返し テレビで得た知識と憶測で語ると、ビーフシチューが日本に伝わった時、これを見様見真似で作って出来たのがスキヤキ。スキヤキが広まった時に食肉文化はまだそこまでだったので牛肉ではなく豚…
[一言] 子供達よっ 残念だったなっ それはポークシチューだっ(ドヤ) と上記を打ち込んだ後にちょっと調べたら日本の地域によっては豚肉を入れてもビーフシチューらしい。へーでした。
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