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旅立ち

「ユーリ、今までありがとう、色々として貰て助かったよ。最初は小さい子供だったけど、大きい子供になったな。ミアを助けて貰い、食事は美味しく作ってくれた、魔物から守って貰った、色々な道具や便利になる様に色々してくれた、本当にありがとう」


僕はお礼を言われたんだよね?何か途中で小さい子供が大きい子供と言ったよね・・・・・・それは、身長しか大きくならなかったと言われたのかな。まあいいか。


「私とミアの為に色々してくれて、ありがとう」


「ロード達がお世話になった、ありがとう」


「2階にお部屋を作ってくれて、ありがとうございます、住やすくなるわね」


「ユーリ、楽しかった」


「僕も色々と助かりました、ありがとうごございました」


「よし、料理を食べよう」


セナから旅立つ僕の為に僕の作った料理で夕食を皆で食べる。やっぱり、最後まで料理長だったな。


「ユーリ、南に何かあると分かったら教えてくれ」


「はい、ロードさん宛に手紙を送ります」


「レッドちゃんに会えるかな?」


「どうかな、レッドちゃんの火山は在ると思うけど、ふうちゃんの様に違う場所に行ってしまった可能性があるかも知れない。それでもいつか会える日が来るよ、探し続ければいいだけだからね」


「サラちゃん、ハンバーグだよ」


ミアちゃんがサラちゃんにハンバーグをあげている。この光景を見れるのも最後か、残念だな。


僕のウパーにもご飯をあげよう。


瓶の蓋を開けてウパーに野菜をあげる。


僕に視線を向けて微笑んでいたアメリアさんの顔が急に驚きの顔に変わった。


「ユーリ、水色のウパーですね。どうして?」


「はい、ハイバードでお婆ちゃんから買う事が出来たんです、それも僕を探してくれたんです。秘密にしていました」


水色のウパーは美味しそうに野菜を食べている。


「サラちゃんと同じ動物だ」


ミアちゃんが嬉しそうに僕のウパーを撫でる。


「キュ~キュ~」


隣どうしで食べているのにお互いを意識していない。仲間意識はないのだろうか。


「しかし、ユーリは凄いな。ドラゴンを探し未知の生物と巡り会えるなんて、運が良いとしか言いようがないな」


「そんなに褒めてもウパーはあげませんよ」


「ユーリが欲しがっていた水色のウパーを欲しいなんて言わないよ」


「色違いか、他の色もいるのかな」


おじさんが誰でも思う事を呟いた。


「貴方、珍しいんですもの他の色のウパーなんて見付ける事が出来ないわよ」


おばさんは間違えている、あのお婆ちゃんはお祭りに現れて僕を探すはずだ毎年、見つけたら『買ってくれるかい』と話し掛けて来る筈だ。うん、それが異世界の法則だ。出来れば届けに来てくれると凄く嬉しいのだが。


食事の後片付けが終わったので、テーブルでみんなと話している。


「今年のお祭りはどうしたんですか?」


僕は気になる事を聞いてみた。


「ゲームは無かったけど、裏庭の屋台を使ってお祭りをしたのよ」


「俺は、店番していただけだ」


おじさんはお店しかさせて貰えなかったんだな。


「アメリアさんの両親も手伝いに来てくれたのよ」


皆は楽しんだようだな、僕も毎日もんじゃ焼きが食べれて幸せだった。屋台を作ったのは成功だな。


「父さん、お店は休めば良かったんじゃないのか?」


「俺も祭りが終わった後に気が付いたよ、お祭りの間はお客もあまり来なかったんだ」


最後なので僕とロードさんに合わせて起きていたおじさん達が寝る事にしたので、僕も寝る事にした。





「エリーゼちゃん、お友達の水色のウパーだよ」


寝ている姿勢でも見える様に、視線の先にぶら下る様に天井からぶら下げた。


「ユーリ、いいのか?」


「そうですよ、あんなに水色が欲しいって言っていたではありませんか」


「残念な事に、特別依頼の時に食事を15日間も忘れていたんです。元気にしていたようですが、食事を毎日上げられない僕よりも、いつか友達になれるエリーゼちゃんにあげます。エリーゼちゃんが名前を付けて下さい、それまでアメリアさんが責任を持って育てて下さい」


「ありがとう、エリーゼも喜ぶと思います」


視線の先にぶら下っているウパーを見ているだろうエリーゼちゃんはどんな名前を付けるのかな、僕ならウパーだ。


「それじゃ、明日早いので寝ます。おやすみなさい」


「ありがとう、おやすみなさい」


「おやすみ」


さあ、明日は旅に出るぞ。





爽やかな朝だ。久しぶりだな、1人で旅立つそれも何も分からない、あのツナサンドで船に乗った時よりも情報が少ない。続いている道もない、それでも人が住んでいる事だけは分かっている。


伝説のリリカ・クライス、ドラゴンのレッドちゃんは南の方からやって来た。


「さあ、旅に出よう」


「旅に出よう」


僕の声のあとから聞こえて来た声の主はミアちゃんだ、何故か横に並んでいる。それは門を出て、橋を渡っても付いて来ていたので分かっていた。


「ミアちゃんは何処に旅に出るのかな?」


「はい、南の方ですね、レッドちゃんに会いに行きます。大変な旅です」


そうだろう、レッドちゃんを探して会う旅はとても大変だ。横のミアちゃんの後ろに控えている人が、3メートル位離れた場所にロードさんとアメリアさん、抱かれたエリーゼちゃんがいる。2人の大人がお辞儀をしているので、急いでそこに行き、お腹にパンチを入れる。


「何を考えているんですか?」


「すまん、ミアがユーリと旅に出たいと言うので仕方なく了承した」


「ユーリ、すいません。子供に旅をさせろと言う、ことわざがあるんです、ミアを旅に連れて行って下さい」


ロードさんにもう一度、パンチを入れる。


「何故2回も、痛すぎるぞ」


「手加減はしています。僕は断りません、しかし、ミアちゃんを見て下さい」


僕の見て下さいに2人の視線はミアちゃんに向かった。


「何で、何も荷物が無いんですか、着替えは食事を食べる時の食器はどこに有るんですか、寝る時はどうするんですか?」


「あ・・・忘れていた」


「その、急だったのでそれで・・・ごめんなさい」


「ロード、出発は明日だ、急いで旅の準備と話し合いだ」


「「すいません」」


ペコペコとお辞儀する2人はほっとこう、忙しい一日が始まる、


「ミアちゃん、準備がまだの様なので、出発は明日にします」


「はい、喜んで」


1人増えれば荷物も増える、食べ物も買わないと。





荷物が増えたので、スペシャルバージョンの背負子を作った。姫を真ん中に左右が荷物を載せれる様にした。


「行って来ます」


「ミア、元気でね。ユーリの言う事を聞くのですよ」


「はい、お母さんも元気でいてね」


「ミア、楽しんで来い。小さくても冒険者だ」


「はい、冒険者です」


いいな、僕も早く冒険者になりたいな。


「ユーリ、ミアをお願いします」


「はい、ミアちゃんが寂しいと泣きだしたら、10日以内にお連れします」


「泣かないもん」


「違うよ、僕が本気になれば何処からでも10日もあれば帰って来れる、海の向こうだと無理だけどね」


「そうだな、ユーリなら私達の常識が通用しない」


旅立ちは笑顔でそれが冒険者だ。


「では、行こうかミアちゃん」


「はい、ユーリ」


行こうかと言ったがミアちゃんは姫になっているので、歩く事が出来ない。


「ミアちゃんを預かります、帰りはドラゴンに乗ってきます」


「おお、乗って来い~」


走り出した僕にアメリさんの「お願いよ~、ミア元気でね」と声が聞こえた。






「姫、走り抜けますか?それとも退治していきますか?」


「はい、皆さんの為に退治しましょう」


生まれて初めてのパーティーが6歳の女の子なんて変だけど仕方ない。2人で話し合って、火山を探す事にした。


砂漠の街道を爆走していたら、前方に戦闘中の騎士団がいた。


「すいません、剣をお借り出来ませんか、僕の弓はワームに効かないので」


「これはユーリ様、宜しければ、鐘を鳴らしている者からお借りして下さい、他の物は戦闘中です」


「了解です」


街道の南側で鐘を鳴らして走っている人から剣を借りる。ついでにもう1人から借りれば二刀流だ。


「姫、少し揺れます」


「はい」


砂漠に向かて走りだす、ワームの集団は仲間のワームが邪魔で襲って来れない。それなら僕から向かおう。


「さあ来い、僕が相手だ。進化したミミズ」


騎士様の剣はよく切れた、避けては攻撃して倒したワームは4体。もう砂漠でもワームの攻撃を回避出来る様になった、ワームをいつか魔法で攻撃してみたいな。


騎士団の人達もワームを倒し終わった様だ。


「ありがとうございました」


「こちらこそ、ありがとうございます。行ってしまうのですね」


「はい、少し長い旅に行きます。見回りご苦労様です」


「お元気で」


砂漠は長い、徹夜してもここだけは抜けよう、弓の攻撃が効かないので。


「ミアちゃん、徹夜で抜けます」


「はい」


疲れないぐらいで走ろう、姫が乗っているんだから、安全第一だ。





ライムスーデンに着いた僕達は宿に泊まる事にした。


「ユーリ、明日はバッファだね」


「そうだね、何日か滞在して干し肉を作る予定だよ」


ミアちゃんはテーブルの上に載せたサラちゃんに食事をあげている。


水色のウパーも今頃はご飯を食べているだろう。しかし、15日間も食べていないのに生きていてくれて良かった。アメリアさんなら僕みたいに、ご飯をあげるのを忘れる事はないだろう。


街に居る時は野菜を多く食べるとミアちゃんと約束した。僕はミヤちゃんの親ではないけれど、大人になりつつある僕としてはバランスよく食べて貰いたい。


そうか、このライムスーデンで最後だな、お金を使うのは・・・・頑張るしかないか、火山が見つかれば一旦ローランドに帰る事になるかもしれない。


先ずは非常食の干し肉を作るぞ。






「シューパン」


旅ではないので、のんびりと東の草原に来た。ミアちゃんは門から少し走ると『今日も走りました、サラちゃん、お願いします』と言ってサラちゃんに乗って移動した。のんびりでいい、僕は3歳の時から母さんのお尻を追いかけていた。冒険者を目指していたので体力作りにはなったけど、実際はロープで結んであったので、宿の部屋のシーツを運んだり、洗濯しに井戸に向かうので付いて行くしかなかった。確か、小さい子供のうちはあまり長い時間、運動はしない方がいいと聞いた事がある。


伝説の弓は今日も外す事がない。バッファを仕留めたので解体する、その解体をじっと見ているミアちゃん、顔が笑顔だ。何で誰も気持ち悪いと思わないんだ、おかしいだろ、ミアちゃんはお肉屋さんの子供じゃないのに。


「美味しそう」


既に、バッファが高級なお肉に見えるらしい。お肉屋さんそれも解体をしているお肉屋さんに行きなれた少女なのだろうミアちゃんは。


バッファ肉をリュックに詰める。一日中、バッファを討伐するつもりで、依頼を受けて来た。


お金が無いのだ、最後に買ったのはウパーだった。金貨2枚だったのは覚えている、ロードさんの行商の報酬は金貨5枚だった筈で、そこから色々買い物をしたのは覚えているけど、今の残高は大銀貨2枚位だ。


まあ、宿代と食料代があればいいので、稼ぐ必要はないのだが、ミアちゃんが一緒なので稼げる時に稼ぐ、街に居る時は宿に泊まると決めた。あぜ道で寝るのは1人の時だけでいい、それに農家の人にも驚かれる。


「キュ~」


魔物の出現をお知らせします『キュ~』が便利過ぎるサラちゃん。


「ミアちゃん、そろそろ魔法少女のデビューの時間です」


「はい、ついに来ました、魔法少女ミア、初めて魔物に攻撃します」


「ザザァ~」


草をかき分けて突進してくるバッファ、狙いを付けて・・・・・どっかに飛んで行く魔法少女ミア、サラちゃんが魔法少女ミアが飛ばされた方向に走って行く。


「ユーリ、なんて唱えるの?」


そうか、あの時しか唱えてないから忘れたのか、練習しとけばよかった。練習したのは『魔法少女ミア、初めて魔物に攻撃します』だけだったな。


急いで落下地点に向かう、ミアちゃんを弾き飛ばしたバッファは、その勢いのまま何処かに行った。


「ウインドカッターだよ、さあ、唱えて下さい」


「キュ~」


もう来たのか、練習している暇がないな、周りに視線を向けるも、草原の草の長さが長いので見えない。


「バサ~」


「ウインドカッター」


ミアちゃんが唱えると、草原の背の高い草が倒れていく、その先にいたバッファはウインドカッターに押されて何処までも離れて行った。


練習もなしにぶつつけ本番でバッファに魔法が命中した。ミアちゃんのウインドカッターは風が流れて行くだけ?


つい首を傾げて考えてしまう。僕の仕草と同じ様に、ミアちゃんも首を傾けた。


ふうちゃんは空にウインドカッター飛ばしてミアちゃんに教えていた、ふうちゃんのウインドカッターは森の木や村の方に飛んで行って被害を与えないためだ、ミアちゃんはそれを見て飛んで行くイメージを覚えたんだな。


まあ、これも使い道があるだろう、このままの方が面白い。


「良く出来ました、では、どんどん撃ちましょう。僕とサラちゃんに当てなければ好きな様に使て下さい」


「はい、もう覚えたので、頑張って唱えます」


それからミアちゃんは、魔法の練習が飽きるまで続けた。飽きた後にバッファを3体倒したので、今日倒したのは全部で4体だった、解体が終わると夕飯を食べる為に宿に帰った。

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